2017年・秋 ひとりで過ごせること

秋になり、芸術に触れることも多い季節になりました。
どうしても見たい演劇や展覧会などがあった時、あなたはどのようにしていますか?
一緒に行ってくれる人を誘いますか?
一緒に行ってくれる人がいなかったら、見るのを諦めてしまうのでしょうか?

そんな時、ひとりで行動できることは、有意義な体験となることでしょう。
ひとりで過ごすことは、自分と向き合う時間を与えてくれます。
ひとりで過ごすことで、他人の意見や感想を聞く前に、ありのままに感じることができます。
自分が感じたままを大切にすることで、本当に自分が望んでいることを見つけることができるかもしれません。近年、「マインドフルネス」という一種の瞑想法が、心を落ち着かせるための方法として知られるようになってきました。マインドフルネスでは、五感をフルに働かせながら、過去も未来も現在の自分の心の中の想像に過ぎないと考えます。そして、現在の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れていきます。マインドフルネスで自分の身体感覚へ注目することで、「今ここ」にある自分の気持ちに気づくことが大切なのです。

ひとりの時間を過ごすことは、人とのつながりを絶つことではありません。むしろ孤独を体験することで、人とのつながりの大切さを実感することになるでしょう。心理学者のエーリッヒ・フロムは、「愛とは、孤独な人間が孤独を癒そうとする営みであり、愛こそが幸福に生きるための最高の手段であり、芸術である」と述べています。人間は一人では生きてはいかれません。赤ちゃんは生まれてからしばらくの間、24時間つききりで世話をしてもらわなければなりません。人間は生まれたときから、無条件の愛で包まれながら養育されることが必要です。無条件の愛とは、「生まれてきてくれて良かった」「あなたがいてくれるだけで嬉しい」「どんなあなたでも愛しい」というものです。そのような無条件の愛で育ててくれた人との間にやがて基本的信頼関係が生まれ、愛が伝わります。そうした過程が人間関係を築く為の土台となっていくのです。基本的信頼関係が得られて愛を知り、健全な人間関係を築けるようになると、ひとりで過ごすことを自分の内省の時間として大切に使うことができるようになります。

そして、安心して「おひとりさま」を楽しむことができるようになるのです。