理事長・学長・学園長メッセージ

昭和4年(1929年)、この玉川の丘に新しい学校を作りたいとの夢の下に教職員18名、生徒111名でスタートした学校が今年で85周年を迎えるまでになりました。学園建設は灯りを点し、湧き水を汲み、雑木林を切り拓き、道を作り、校舎を建てることから始まりました。
全人教育を旗印の下に幾多の苦難を乗り越えながら、教職員は新しい教育実現を目指して生徒たちを教育してきました。そうした先人たちの努力の結晶があって今日の玉川学園まで成長を遂げたのです。

日本の学校制度は6-3-3と区切られていますが、玉川は日本社会の高学歴化を踏まえて幼稚園から高校までを一つの流れと捉えたK-12一貫教育制を導入しています。そして子供たちの心身の発達に見合うように校舎を4-4-4と分けて展開しています。今、日本の教育は履修主義から修得主義へと大きく枠組みを変えていかなければなりませんが、本学園では早い学年から修得主義を導入し始めています。

大学は昨年に観光学部を新設し8学部体制となりました。大学院は6研究科で研究を推進しています。また、学術研究所では、ミツバチ科学、植物工場、燃料電池推進自動車といった先端の研究を推進しています。脳科学研究所においては、最先端の科学技術を駆使して脳の神秘へ挑戦しています。また、量子情報科学研究所では、量子暗号の実用化研究を行っています。

社会が必要としている価値観は、真理の探究を理想とする学問観(真)、言動の正邪善悪を判断する道徳観(善)、生活のなかに美しさを求める美意識(美)、人間が驕ることなく生命への畏敬を持たせる宗教観(聖)、そして生活の手段となる健康(健)と富です。これら六つの価値観を教育のなかに盛り込んでいくことで、品格のある日本人を育て、そして魅力ある日本建設へとつながります。
日本社会はグローバル化していきますが、時代が求めているのは、国境を越えての活動に必要な国際性(International perspective)豊かな、そして民主的(Democratic)な行動規範を持ち、自然環境を踏まえた (environmental)行動を取れる、失敗を恐れない先進的(Adventure)な心構えを持つ、社会を先導しえる(Leadership)資質豊かな、世界に貢献 (Service) できる人材です。このIDEALSを会得し21世紀日本社会で活動する人材をも目標としています。

現代社会の変化は早く、学校教育の変化も大きな課題となっています。教育活動には保守と革新とが同居していますが、そうしたなかで時代と共に変化させる事柄と不易の事柄との選択があります。創立85周年を迎える今年だからこそ建学の当時までを振り返る必要があります。私立学校玉川学園としての原型があってこその「型破り」です。新しいこと即ち善きことを前提とした開拓者精神ですが、同時に社会が求める教育には伝統的な教育観に基づいたこともあります。私たちが創立来の教育信条として引き継いできた開拓者精神と、社会の根底にある教育観とを守りつつ、私たちはこれからも教育の先駆者としての自覚を持ち、21世紀社会に呼応した教育活動と研究のあり方に挑戦していきます。

それが教育機関の社会への責務だと考えています。私たちは今、真・善・美・聖・健・富とIDEALSの教育推進を目指し、教育活動の更なる充実に努めてまいります。

2015年4月1日

学校法人玉川学園理事長
玉川大学学長
玉川学園学園長

小 原 芳 明

理事長・学長・学園長プロフィール

小原 芳明(おばら よしあき)
1946年(昭和21年)東京生まれ。
Monmouth College (Illinois, USA)卒業。Stanford University, School of Education (California, USA)教育政策分析専攻修士課程を修了。
1987年(昭和62年)、玉川大学文学部教授。国際教育室長、通信教育部長、副学長を歴任したのち、1994年(平成6年)より学校法人玉川学園理事長・玉川大学学長・玉川学園学園長。
日本私立大学協会理事、文部科学省「大学設置・学校法人審議会(学校法人分科会)」「中央教育審議会(初等中等教育分科会、大学分科会)」委員。
主な著書および訳書:「アメリカ高等教育の大変貌」「アメリカ大学の優秀戦略」「ハーバード大学の戦略」「授業の評価」「教育の挑戦」など。

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