理事長・学長・学園長メッセージ

2019年、玉川学園は創立90周年を迎えます。

昭和4年(1929年)、教職員18名、生徒111名で開校した玉川学園が、2019年に創立90周年を迎えます。創立当初は、灯りを点し、湧き水を汲み、雑木林を切り拓き、道を作り、校舎を建てながら、幾多の苦難を乗り越えてきた先人たちの努力で、今日の玉川学園の姿にまで発展することができました。

現在、玉川学園のキャンパスは、園児・児童・生徒・学生および教職員11,000人の規模を誇る総合学園になり、教育の質保証を根幹とした「Tamagawa Vision 2020」を策定し、社会のデマンドに応えるための教育・研究を展開しています。

そこでは、幼稚園から高等学校までを一つの学校として「K-12 一貫教育制」を導入し、従来の6・3・3制に縛られず、子供達の発達に合わせた教育を展開しています。「国際化する大学教育への準備を目指した教育課程の構築」をテーマに掲げ、7~12年生を対象に国際バカロレア機構(IBO)が提供する世界基準の IB 教育プログラムの推進、1年生からを対象としたバイリンガルプログラムBLES クラス*1,小学校の英語教育改革に対応するために3歳から始めるバイリンガルの BLES-Kプログラム、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)、ラウンドスクエア国際会議への参加、模擬国連の開催、児童・生徒の海外への派遣・海外からの受け入れなど、特色ある教育や取組みを実施しています。

大学は8学部16学科体制、大学院は6研究科で研究を推進しています。
また、学術研究所、脳科学研究所、量子情報科学研究所の3研究所を設置。ミツバチ科学や植物工場、脳科学、量子暗号、AI技術を駆使したロボット開発など、知の先端として最新の研究に取り組んでいます。
特に高等教育では、従来の大学で行われてきた履修単位数を重視する「履修主義」や知識の伝達を重視する「教授主義」から、確実に高次汎用能力を高める「修得主義」への転換を図り、「何を身につけたか」という成果と自ら学ぶ姿勢を重視して教育活動にあたっています。そのために、予習、復習の時間を十分に確保するとともに、Active learning手法を授業に取り入れ、学生が主体的に学ぶ環境を整えました。2015年4月より利用開始した「大学教育棟 2014」は、学生の主体的な学修を支援する施設として、教育学術情報図書館や教室、研究室のほか、様々な形のラーニング・コモンズを用意し、学生が学び、探究し、討議しあう場として活用しています。

次世代を担う人材育成には、21世紀を切り開く革新的な発想力と国際競争に耐え得る力が必要となります。専門分野だけを追究する「サイロ」を壊し、多分野の学びを修得する機会が重要です。そこで本学では、STEM*2教育に芸術(Arts)とELF(共通語としての英語)を融合した「ESTEAM*3」教育を推進していきます。創立90周年事業である2棟の新校舎、「STREAM*4 Hall 2019(2020年4月利用開始)」、「Consilience*5 Hall 2020(2021年4月利用開始)」では、農学部、工学部、芸術学部の枠を超えた、学際的な学びを推進していきます。

社会が必要としている価値は、学問(真)、道徳(善)、美意識(美)、宗教観(聖)、健康(健)と富です。これら六つの価値を社会の発展のために必要なものとして教育信条に掲げ、確かな専門性と豊かな人間性を備え、人生のパイオニアとなる人材を育成していきます。21世紀社会の変化から生じる需要に応える教育観と、創立来引き継いできた開拓者精神のもとに、社会の柱となる6つの価値観を盛り込んだ教育を推進し、これからの社会の発展に貢献できる人材を育てていきます。

2019年の創立90周年、さらに創立100周年(2029年)へのカウントダウンが始まりました。教育の質保証を根幹とした「Tamagawa Vision 2020」に掲げた目標の実現を目指すとともに、創立100周年(2029年)に向けて「Tamagawa Vision 100(2029)」の基本構想立案に取り組み、新たなる「夢」にもチャレンジし、教育・研究活動のさらなる充実を図ってまいります。

学校法人玉川学園理事長
玉川大学学長
玉川学園学園長

小原芳明

  • *1
    Bilingual Elementary School
  • *2
    Science, Technology, Engineering, Mathematics
  • *3
    ELF(English as a Lingua Franca), Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics
  • *4
    Science, Technology, Robotics, Engineering, Arts, Mathematics
  • *5
    異なる学問(自然科学と人文科学など)の融合。知の統合

理事長・学長・学園長プロフィール

小原 芳明(おばら よしあき)
1946年(昭和21年)東京生まれ。
Monmouth College (Illinois, USA)卒業。Stanford University, School of Education (California, USA)教育政策分析専攻修士課程を修了。
1987年(昭和62年)、玉川大学文学部教授。国際教育室長、通信教育部長、副学長を歴任したのち、1994年(平成6年)より学校法人玉川学園理事長・玉川大学学長・玉川学園学園長。
日本私立大学協会理事、文部科学省「大学設置・学校法人審議会(学校法人分科会)」委員。
主な著書および訳書:「アメリカ高等教育の大変貌」「アメリカ大学の優秀戦略」「ハーバード大学の戦略」「授業の評価」「教育の挑戦」など。

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