山あいに響く美しい音色。和歌山県の古座川町でハンドベルの公演が行われました。

2016.09.23

日頃から学園内での演奏発表はもちろん、学園外での公演も活発に行っている玉川学園のハンドベル クワイア。7年生から12年生までの生徒16名が9月2日(金)から4日(日)の三日間は、和歌山県東牟婁郡の古座川町を中心に、公演を行いました。

和歌山県の南部に位置する古座川町と玉川学園は、2015年6月に「包括連携に関する協定」を締結し、農学部の研究活動を古座川町で行ったり、地域の中学校がTAP(玉川アドベンチャープログラム)の導入を図るなどの教育連携を行っています。今回の公演もその一環として、古座川町からの招待を受けて実現したものです。また、古座川町での公演の後には高野山金剛峯寺での奉納演奏も行いました。

古座川町での公演について、ハンドベル クワイア顧問の高橋美千子教諭に話を伺いました。「今回は、初日と二日目に古座川町で公演を行いました。町民の方をお招きしての公演や、町内の小中学校の生徒を招いての公演、さらに高齢者センターでも演奏を行いました。多いときには300名近い方が演奏を聴きに来てくださいました」。ハンドベル クワイアの公演では、通常20曲以上のレパートリーの中からお客さまの年齢層に合わせて曲目を選んで演奏します。今回もアニメーションの主題歌からJ-POP、クラシック、さらにハンドベル用の曲まで幅広いジャンルを演奏。どの公演でも多くの拍手をいただきました。
公演では30分から45分程度の演奏に加えて、生徒たちと地元の方々の交流の時間を設けています。生徒一人ひとりを取り囲むように町民の皆さんの輪ができ、ベルの説明や古座川町のことなど、さまざまな話題が語られたそうです。多くの方にベルの説明をするのは、年次の低い生徒には大変なことに思われますが、下級生は上級生の説明の様子などを見て自然と対応していくそうです。こうした交流は、生徒にとっての成長の機会にもなっているようです。
「生徒たちは古座川町での公演の一週間前まで、東北地方でも公演を行いました。どちらの公演でも『ふるさと』を演奏したのですが、過疎化が深刻な古座川町の方たちはとても喜んでくださった一方、震災に遭われた東北の方の中には今も『まだ、この曲を聴くとつらくなる』とおっしゃる方もいらっしゃいます。生徒たちは、同じ曲でも聞く人によって感じ方が違うことを実感したようです。また、笑顔で演奏するメンバーに『感動した』『孫を思い出した』とコメントをいただき、生徒たちはみなさんに喜んでもらえた感動をいただきました。」

三日目には高野山金剛峯寺の新別殿で奉納演奏を行いました。「ハンドベルはイギリス発祥なので、キリスト教の宗教曲を演奏し、寺院の方々や参拝に来られた方々に聴いていただきました。金剛峯寺でハンドベルが演奏されたのは初めてのことではないかと思います。東北公演では中尊寺や瑞巌寺を訪れましたが、寺院それぞれに特徴があり印象的だったと生徒は話していました」と高橋先生。演奏活動以外にも、自然豊かな古座川町でカヌー体験をしたり、金剛峯寺では精進料理をいただいたりと、和歌山ならではの多くの経験をして、二泊三日の公演旅行は幕を閉じました。

ハンドベルの魅力について高橋先生は、「美しい音色を奏でるハンドベルですが、一人で演奏することはできません。メンバー同士で協力し合いながら一つの曲を奏でる楽器ですから、一人ひとりの存在が欠かせません。経験を積むほどに培われる協調性や責任感は、演奏以外の場面でも大いに役立っていると思います」と語ります。メンバー同士の縦の絆が強いので、公演旅行に帯同してサポートをしてくれる卒業生も多いとのこと。また学園外での公演が多いことから、幅広い年代の方と交流を持つ機会も少なくありません。「年配の方と接する際と幼稚園児と接する際では、話す速度や使う言葉を変えるといった配慮も自然と身につくようになります。学校の教室とは違う学びの機会になっているのではないでしょうか」。
この公演を通して知った古座川町の圧倒的な自然の豊かさや人々の温かさを、ハンドベル クワイアのメンバーだけでなく多くの生徒に知ってもらいたいと語る高橋先生。今後も玉川学園と古座川町の交流が深まり、多くの機会が生まれることを期待します。