お手柄!玉川大生 陸前高田市で高齢者らの手を取り避難

2012.03.26

3月16日、文学部とリベラルアーツ学部の学生10名が、「被災地の聞き書き101」プロジェクトに参加していた陸前高田市で火災による緊急避難をお手伝いしました。そして、その活躍が地元紙に掲載されました。

話し手の方から教わった教訓

3月16日、滞在していた仮設住宅の裏山に火災が発生し、火の手が20m先まで迫ってきました。敷地内に「緊急避難」のアナウンスが流れ、緊張が走りました。閉め切った部屋でテレビを見ていた人たちには、サイレンや防災無線はまったく聞こえていません。そこで、学生たちは、このボランティア活動に一緒に参加していた文学部の太田美帆先生とともに手分けをして仮設住宅の長屋約50軒の戸をたたいて回り、大声で避難を呼びかけ、高齢者の方の手を引き、荷物を持って必死に避難誘導しました。

東海新報記事 ※掲載許可済

幸い、地元消防団の活躍で無事鎮火され、けが人もいませんでした。「この行動はそもそも、話し手の方々が語ってくださった“何かあったらまず逃げる”という教訓を、私たちが学び、実践できたのだと思います」と太田美帆先生は振り返ります。学生たちは、偶然そこに居合わせ、できることをしたまでですが、これまでお世話になっていた方々へ小さな恩返しをすることができました。そして、一人では避難することができなかった高齢の方や、仮設住宅の自治会の方々から感謝され、地元紙「東海新報」(3月18日付)に「お手柄!玉川大生 高齢者らの手を取り避難」と大きく取り上げていただきました。

「聞き書き」というボランティア活動

仮設集会所での聞き書き風景

仮設集会所での聞き書き風景 「聞き書き」とは、一対一の対話を通じて、話し手の人生や価値観を聞き手が紡ぎ出し、記録する作業です。昨年12月、学生は津波の被害に遭われた方に、一対一で2時間じっくりとお話しを伺いました。話し手の方々は、初めて出会った学生たちに、思い出すだけでもつらいであろうあの3月11日のことを、深い悲しみを抱えながらも語ってくださいました。「それでもこの海が、この町が好き」という、その言葉の一つ一つを文字に起こしながら、学生たちは話し手の方々の地域への復興に寄せる想い、そして自然や地域の方々に感謝する気持ちに胸を打たれたと言っていました。

被災者の方の想いを聞き取る

「こうやってあなたと出会えたのも、何かの縁。また来てください」と言ってくださった被災地の方々に再び会うため、今年3月15日から18日にかけて陸前高田市を再訪。書き起こした文章を話し手と一緒に確認し、作品を共同で仕上げました。 これらの作品は4月以降、「被災地の聞き書き101」ホームページにて公開されます。「陸前高田の住民は、おそらく一番津波への訓練ができている。その自分達が今回これほどの被害を出してしまった。みなさんはぜひこのことを覚えておいてください。いつか東京で震災が起こったとき、あなたたちがとるべき行動をしっかりと考えておいてください」という話し手の言葉が忘れられないと言います。また、私たちが今、そしてこれからどう行動すべきかを考えるために、一人でも多くの人にこの作品を読んでほしいと話していました。

■「被災地の聞き書き101」プロジェクト参加者
  文学部 :浅野 奈緒子さん(3月卒業)、金井 千春さん(3月卒業)、土屋 玲美さん(3月卒業)
              中井 咲耶さん(3月卒業)、秋山 真衣さん(3年)、川口 圭大さん(3年)
              佐々木 明日香さん(3年)、葉山 大樹さん(3年)、猪股 明希さん(2年)
              須藤 佳美さん(2年)、和田 礼香さん(2年)
  リベラルアーツ学部:七井 舞さん(3月卒業)
  文学部 太田 美帆先生