玉川豆知識 No.01

ヤギはとても有用な動物です

2014.10.08
農学部生物環境システム学科 教授 安部直重

1.世界のヤギ

世界には約10億頭のヤギが飼育されていて、ニワトリ、ブタ、ウシ、ヒツジとともに5大家畜といわれます。 ヤギの品種は300種以上とされ、用途は乳用、肉用、毛用ですが、これらの交雑種も存在します。アジアでの飼育品種数は、中国43種、パキスタン25種、インド20種、インドネシア10種、ネパール7種です。 玉川大学農学部では、日本ザーネン種、アルパイン種、トカラヤギ、シバヤギの4種類を飼育していて、除草、産乳、触れ合い動物として実習や試験研究が行われています。

2.ヤギの誕生

一般的なヤギの品種では、1年に1回、春に子ヤギが1~2頭生まれ、とても安産です。 生まれた子ヤギは母ヤギに舐められ直ぐに立ち上がって自力で初乳を飲みます。元気に育っていく上で重要な第1歩です。

出生直後のヤギの母子
ヤギの乳搾り

3.環境問題に対してヤギが大活躍

近年、日本では作物を生産しない耕作放棄地が増え環境問題を引き起こしています。特に雑草が繁茂した傾斜地は、機械による除草も容易ではなくヤギが大活躍します。ウシやヒツジと違いヤギは多くの雑草を好んで食べ、斜面でも問題なく過ごせるので、傾斜地の多い日本ではとても有用な動物です。

里山のヤギによる除草(斜面でも問題なし)

4.子ヤギとの触れ合いを通した“心の癒やし”

玉川大学農学部では子ヤギと触れ合うことで、動物から“心の癒やし”を感じる「動物セラピー研究」を進めています。今日、小学生、中学生にとっては「食育」が大切な課題です。将来肉として食べてしまうヤギに直接触れ“生き物の命”をふれあい活動を通して考える機会が得られればと調査・試験に取り組んでいます。動物好きな生徒・学生にとっては楽しみな時間です。

子ヤギの体重測定(触れ合い活動の一環として)

参考:研究概要

野村萌夏・安部直重(第116回日本畜産学会)
「搾乳ヤギへのハーブ給与が乳生産量・乳質および官能試験に及ぼす影響」
山元美波・安部直重(第14回日本山羊研究会)
「日本ザーネン種去勢ヤギにおけるネックローリング発生とそのパターンおよびコルチゾールの変動」
森川美緒・安部直重(第15回日本山羊研究会)
「乳用ヤギへのハーブ給与がヤギ乳の官能評価へ及ぼす影響 第2報」
久保寺優・安部直重(第15回日本山羊研究会)(第117回日本畜産学会)「分娩後24時間における山羊母子間の音声コミュニケーションと行動」