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玉川豆知識 No.200

学生の要望で大学文化祭(コスモス祭)が誕生

学生の要望により、1963(昭和38)年、初めての大学文化祭を開催。4年後の1967(昭和42)年からは、大学文化祭をコスモス祭と呼ぶようになりました。1997(平成9)年からは収穫祭と同じ日に実施されるようになり、課外活動の展示や発表が中心であったこれまでの内容に、各学部のゼミを中心とした展示が加わり、研究発表の場としての色彩がさらに強まりました。

初めての大学文化祭は学生の要望により開催されることとなりましたが、開催には反対の意見もありました。そのことが機関誌『全人』第801号(2016年/玉川大学出版部発行)の「故きを温ねて」に次のように記述されています。

「小原先生喜寿のお祝いに、大学生たちは活動の成果を知らせたかった」と、文化祭常任委員会の初代議長であった米山弘(当時文学部教育学科3年、元文学部教授)は語る。しかし、文化祭を開催したいという学生たちの活動に対して、危惧する動きが学内に少なからず見られた。当時、大学生による学生運動が全国的に広がっていたからである。
これに対して清水清学生部長(当時)は「学長喜寿の御慶びに対する全学生の祝意がこめられている」と学生たちを応援。研究発表の会場は文学部校舎(現大学2号館)と礼拝堂、塾食堂(現りんどう食堂)の3か所であった。

  • 新耐震基準との関係や老朽化等の理由により、現在、大学2号館は使用していない。りんどう食堂は解体された。
1963(昭和38)年の第1回大学文化祭

初めての大学文化祭が開催された1963(昭和38)年当時、大学は前年に工学部(機械工学科、電子工学科、経営工学科)が開設され、文学部、農学部とあわせて3学部体制となっていました。農学部には収穫祭があり、この大学文化祭は文学部を中心に農学部、工学部の有志が参加して、文化系クラブが主催となって行われました。ただし、この年度の文科系のクラブはへき地教育研究会、地理研究会、聖書研究会、赤十字奉仕団、児童文化研究会、海外農業研究会、美術部、演劇研究会、ワンダーフォーゲル部、合唱団など10部ほど。なお、この年度の卒業生は140名で、現在と比べるとかなり小規模な大学祭でした。

1963(昭和38)年の大学文化祭

12月19日に前夜祭を開催。大グラウンドの中央に高々と焚き木が積まれ、それを囲んで小原國芳学長、清水清学生部長や教職員、学生が円陣を作りました。やがてスタンドの中央から学生が運んできた松明が学長の手に。そして、点火。火は高々と燃えあがりました。学長、文学部長の挨拶の後、合唱や余興が続きました。小原節やそうらん節の民謡を踊る際には、その輪に学長も参加。こうして前夜祭は盛会のうちに午後7時頃に終了となりました。

第1回大学文化祭開会式での大焚火
小原國芳の隣が学生部長の清水清

翌20日は、2つの会場に分かれて大学文化祭が行われました。文学部校舎(後の文学部第2校舎、大学2号館)では、各部や各種の展示発表を開催。文学部教育学科2年生による小原教育の研究部会では、小原國芳の喜寿に際して新教育の苦闘の足跡をたどり、写真、手紙、書、ノート、著述、辞令、表彰状などを展示。特に小原の同窓の方々からの思い出の手紙や小原が若き日に書いた論文など、なかなか見ることができない貴重な資料が展示されていました。展示室の間には模擬店や喫茶室を配置。礼拝堂では合唱、オーケストラ、演劇の公演をはじめ、地理研究会や聖書研究会の研究発表が行われていました。

小原教育の研究部会の展示を見学中の小原國芳
小原教育の研究部会の展示

翌年は文化祭開催の記録は残っていません。1965(昭和40)年には学校行事(玉川大学第一次建設完成祝賀文化祭)として大学文化祭が開催されました。この大学文化祭を第1回として位置付け、以後現在まで毎年実施されています。

1965(昭和40)年玉川大学第一次建設完成祝賀文化祭

1967(昭和42)年からはコスモス祭(コスモス・フェアー)と呼ばれるようになりました。コスモスとは、ギリシャ語で整美、秩序、調和。またこの言葉は、宇宙の広がりや、秋に咲く可憐なコスモスの花の姿もイメージします。



1967(昭和42)年コスモス祭

こうして、学生の要望から始まった大学文学祭、コスモス祭は、やがて農学部の収穫祭と同時開催となり、現在では文学部展、農学部展・収穫祭、工学部展・テクノフェスタ、経営学部展、教育学部展、芸術学部展、リベラルアーツ学部展、観光学部展、課外活動展、その他団体の展示や発表、さらに本部企画、模擬店など盛りだくさんの内容で行われています。

参考

有名人を招いての講演や演奏など多彩なプログラムも組み込まれるようになりました。因みに講演や演奏、トークショーに招いた有名人には、例えば、子門真人、佐々木信也、野坂昭如、浅利慶太、大橋純子、小林明子、スターダストレビュー、宮本亜門、赤川次郎、西岡徳馬、藤田明二、江戸家猫八(4代目)、小林克也、渡辺美里、森川美穂、オードリー、林家木久蔵(2代目)、中村蒼、DAIGO、バナナマン、パックン・マックン、ザ・ハンダース、志田未来、千葉雄大、桐山漣、川口春奈などの方々がいます。

参考文献

  • 小原國芳監修『全人教育』 玉川大学出版部
    第174号(1964年)、第208号(1966年)、第220号(1967年)
    第232号(1968年)、第233号(1969年)、第280号(1972年)、
    第292号(1973年)、第304号(1974年)、第330号(1976年)、
    第345号(1977年)
  • 小原哲郎監修『全人教育』 玉川大学出版部
    第360号(1978年)、第374号(1979年)、第413号(1982年)、
    第426号(1983年)、第438号(1984年)、第462号(1986年)、
    第497号(1989年)、第498号(1989年)、第534号(1992年)、
    第570号(1995年)
  • 小原芳明監修『全人教育』 玉川大学出版部
    第594号(1997年)、第618号(1999年)
  • 小原芳明監修『ZENJIN』 玉川大学出版部
    第642号(2001年)
  • 小原芳明監修『全人』 玉川大学出版部
    第666号(2004年)、第690号(2006年)、第702号(2007年)、
    第713号(2008年)、第724号(2009年)、第757号(2012年)、
    第768号(2013年)、第801号(2016年)、第823号(2018年)
  • 白柳弘幸「故きを温ねて」(『全人』第801号 玉川大学出版部 2016年 に所収)

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