まっさらな心で アフリカの真実を体験

2010.09.24

日本にいてはわからない問題がある。
経験しなくては見えてこない夢がある。
アフリカの本当の姿を目の当たりにして、
いま、ひとつの夢が動き出しました。

9日間におよぶアフリカ研修に参加

玉川学園の12年生が世界の貧困や偏見などの問題を学ぶ科目「ワールドスタディーズ」には、アフリカを訪れその現状を肌で感じ取る「アフリカンスタディーズ」というプログラムがあります。このプログラムに参加した毛塚さんはこう語ります──

毛塚さん: 「もともと海外に興味があったんです。でも、アフリカに行ける機会はめったにないので、ぜひ参加したいと思いました。アフリカの問題を学びたいというよりも、観光気分で参加したというのが正直なところでしたね」

しかし、観光旅行では得られない人とのふれあいに感動したとも──

毛塚さん: 「アフリカのことを何も知らなかったので、イメージだけで何となく“恐いところ”と考えていました。でも、実際には現地で出会った人がみんな親切にしてくれたのが印象的。実際に行ってみないと本当のことはわからないなと痛感しました」

“豊かさ”とは何かを考えさせられる体験

今回のアフリカンスタディーズには、12年生11人、11年生4人が参加しました。訪れたのはボツワナと南アフリカ。ボツワナは、アフリカのなかでは比較的豊かな国といわれていますが、実際は、日本人が考える“豊か”のイメージとは少し違うようです──

毛塚さん: 「ボツワナで印象に残っているのは、虐待を受けたりした子どもを保護する『チャイルドライン』という施設。臨床心理士として活動している、JICAの青年海外協力隊の方を訪ねました。その施設で子どもたちと遊ぶ機会がありましたが、何をしても無表情な子もいて、どうしたらこの子たちが心から笑えるようになるだろうと考えさせられました。また、母子感染でHIVに感染している子も。国は豊かですが、格差がひどく児童虐待やHIVが問題になっている現状に、日本で想い描いていたイメージとはだいぶ違うという印象を受けました」

人種差別を乗り越えた方の胸に響く言葉

南アフリカではヨーロッパ調の街並みと白人の多さに驚いたという毛塚さん。ここでは人種差別の歴史を肌で感じ取りました──

毛塚さん: 「アパルトヘイト政策が敷かれていた時代に、差別によって黒人が収容されていたロベン島の刑務所では、実際に囚人だった方がガイドをしてくれました。その方は、『アパルトヘイトは間違いだったけど、白人に対して恨みはない』とおっしゃいました。私は、黒人は白人に対して悪いイメージを持っていると考えていましたが、そんな自分がなんて小さいんだろうと、そのときはじめて気がつきました」

アフリカでの経験が将来を考えるきっかけに

アフリカでの体験を振り返って、「人を見る目が変わった」と毛塚さんは話します──


毛塚さん: 「ボツワナではマル・ア・プラ校の学生寮に宿泊し、「アフリカ」の生徒たちを前に最初はとても緊張しました。でも、部屋に遊びに来てくれたり、学校を案内してくれたり、どんどん話しかけてくれて、すぐに仲良くなりました。他にも様々な場所で現地の方々とふれあったりお話しを聞いたりして、『肌の色による違いなんてない』って心から感じました。見た目じゃなく、内面が重要なんだって。また、これまで将来は幼稚園で英語を教える仕事を目指していましたが、チャイルドラインをはじめ『アフリカンスタディーズ』での経験を通じて、子どもの心のケアや、子どもたちの成長に携わる職業に就きたいと思うようになりました」

卒業後は海外に留学して、児童心理学や早期児童教育学を学びたいという毛塚さん。日本を離れ純粋な気持ちで外国の問題に触れることで、はじめて見えてくる夢もあるのです。