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科学するTAMAGAWA 心身の健康を守り高める玉川学園健康院

2013.03.25

玉川学園のキャンパス中央にある健康院では、
医師が常駐し、一般診療、緊急時の一次処置をはじめ、
健診、保健指導、カウンセリングなど
心身の健康を守り高めるための多岐にわたる業務を行っています。

「健康」を全面的にバックアップ

玉川学園健康院では、診療所業務、学生・生徒・児童・幼児の健康の保持増進を図る学校保健業務、教職員の健康対策を行う産業保健業務などに取り組んでいます。また、健康教育の一環として、心身の健康維持や疾病の予防、救命救急の方法などに関するセミナーの開催にも力を入れています。さらに風疹・はしか・結核やノロウイルスなどの感染症を学内で発生させない・広めないなどの安全管理・危機管理にも取り組んでいます。健康院は学園創立の翌年、1930年(昭和5年)に完成しましたが、当時は周辺に医師がいなかったため、地域医療を支える役割も担っていました。今もその伝統を受け継ぎ、一般外来診療を継続して行っていることも特色の一つです。

今回は、健康院の庭野裕恵(にわの ひろえ)院長(教育学部教授)に、新学期における心と体のケアを中心に語ってもらいました。

生活のリズムを整えて心身ともに健康な学生生活を

「新学期は、新入生にとって環境が大きく変わる時期です。自宅を離れて一人暮らしをする学生は住む場所も部屋も変わります。身の回りのことすべてを自分で対処しなければならない生活がスタートします。自宅通学の人も通学時間や通学経路が変わります。入学式が終われば履修登録という初めての作業があり、大学生活に慣れる前に授業も始まります。環境や生活が大きく変わる中で、体調を崩しやすく、心理的にも不安定になりやすいのがこの時期です。健康院では毎年4月に全学生を対象とした健康診断を行っていますが、体の健康状態はわかっても、心の状態まではチェックがなかなか困難です。プリントを配付したり、声がけをしたりして、心のケアにも注意を払っています。また、今後は何か困っていることはないか、悩んでいることはないかを知る手がかりとして、『困り感アンケート調査』(「大学生活で困っていることについて」のアンケートで、いわば“心の健診”。チェック内容から精神心理学的に心の病気をあぶり出し、支援のきっかけとするシステムのひとつ。)の実施なども検討していきたいと思っています」。

庭野院長はさらに続けてこう話します。「心と体の健康は、最終的には連動していると私は考えています。心と体は車の両輪のようなもの。一方がバランスを崩せば、もう一方にも影響が出てきます。心の健康を維持し、また免疫力を高めて体の健康を維持していくためにも、生活のリズムを整えることがまずは大切です。環境や生活が変わるときは上の学年の学生たちも注意が必要です。教員をめざす学生たちは学年が進むと介護等体験や教育実習に出かけることになります。一般企業をめざす学生たちも早ければ3年生の前期から就職活動の準備が始まります。このように社会に出る具体的な準備が始まるときに生活のペースを乱してしまうことがありがちです。睡眠や食事などが不規則・不摂生となっている場合は、意識して規則正しい生活に戻していくように心がけることが重要です」。

全人的な医療の立場からアプローチ

庭野院長は、内科学、血栓止血学、循環器内科学、健康診断学が専門。健康院には内科医の庭野院長をはじめ、看護師、カウンセラー、事務職などのスタッフが勤務しています。「私は医師として大学病院だけでなく、地方の拠点病院に勤務していたときの経験を踏まえ、全人的な医療の立場から診療や健康指導を行っています。全人的な医療とは、疾患とその疾患臓器だけを見るのではなく、体と心、さらにその人の考え方や生活環境などを包括的に見ながら、診療や指導の方法を考える医療のことです。健康院では、学生たちは4月、また教職員については7月に健康診断を実施し、その結果を受けて、必要な場合は個別に健康指導を行っていますが、その場合も心理面や生活環境などのバックボーンについても考えあわせながら話をしています」。

庭野院長は、教育学部で「病理学」の授業を、また全学部の学生を対象に「生命科学」の授業なども担当しています。「病理学」では、人間が病気になるメカニズムを、「生命科学」では、人間に焦点を当て、私たちが“生きている”ことを科学として考える授業を行っています。人間の誕生、恒常性と老化、そして病気や死に至るまでの生物としての営みを科学的に幅広く学ぶと、自分の心身が不安定になったときもその対処法について参考になることがあるはずです。また、話題を広げて、健康管理の方法について話をすることもあります。新学期のはじめは、特に一人暮らしをしている学生に対して、健康を自己管理できるように、体温計、自分に合う常備薬、自室で休養せざるをえないときのための非常食を準備するように伝えています」。

心身ともに健康な学生生活が送れるように、健康院では心理カウンセラーによるカウンセリングも行っています。「玉川学園には幼稚部、小学部、中学部、高等部にそれぞれスクールカウンセラーがいますが、健康院にも大学担当のカウンセラーが常駐しています。特に最近メンタルヘルスの重要性が強く叫ばれていますが、健康院では体とともに心のケアについても今後さらに充実させていく予定です。健康院はキャンパス内の診療所であるとともに、心の相談室でもあります。いつでも気軽に利用してほしいと思います」。

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