2020年に向けての観光施策を考える。観光学部と町田市による官学連携がスタートしました。

2017.02.01

2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向け、さまざまな取り組みが都内で行われています。特に近年のオリンピック・パラリンピックでは文化プログラムへの取り組みが重視されており、このことはオリンピック憲章にも記されています。東京大会に関しても大会組織委員会や文化庁の承認や認定のもと、2020年に向けてさまざまな文化プログラムが東京都内で行われる予定になっています。
玉川学園が位置する町田市も、まさにこれからさまざまな施策を検討していくことになっています。その検討部会である「町田市文化プログラム推進計画策定検討委員会」には観光学部の香取幸一教授も所属し、これからのあり方について具体的にプランニングしています。このような関わりから玉川大学観光学部では町田市と連携し、町田市の文化プログラムの在り方に関する調査・研究を行い、学生の視点から提言を行うことになりました。11月10日(木)には町田市役所の方をお招きし、大学教育棟 2014ラーニングコモンズ内のアカデミック・スクエアにおいて説明会が開催されました。

今説明会は、学生にとっては町田市の概要や文化振興施策、東京大会参加プログラム概要などを理解することを目的にしながら、町田市にとっても大学生にどのように映っているのか、どのような文化プログラムが評価されるのかを知る機会にもなっています。
この日は町田市役所文化スポーツ振興部文化振興課の清水稔雄係長と山田雄介氏により、まず町田市に関する説明が行われました。町田市の立地や今後の人口予測、既存の文化施設などが紹介され、オリンピック・パラリンピックにおける文化プログラムの概要に関する説明がありました。この文化プログラムへの取り組みは1992年のバルセロナ大会からスタート。特に2012年のロンドン大会ではのべ4300万人以上が参加し、多様なテーマの文化プログラムをイギリス全土で展開したほか、大会終了後も観光や地域振興の分野で大きな波及効果を創出しており、「近代五輪史上最も成功した文化プログラム」といわれています。「そこで町田市としてどのような文化プログラムを行っていくのか、現状ではスタートして間もないため、今後推進計画及び実行計画を策定し、2018年度から本格的に文化プログラムを実施していく予定です」と清水係長。

こうした概要説明に続き、学生との質疑応答が行われました。「他の街との連携で文化プログラムを行う予定はありますか?」「文化振興としてクリエイターを育てるのも大事ですが、それを楽しむことのできる市民を育てることにも力を入れてみては?」「既存の文化芸術振興拠点の活用状況はどうなっていますか?」「学生も多いので、ストリートカルチャーが盛んだと思う」など、さまざまな意見や質問が寄せられました。また「有識者会議に若い人を加えてみては?」といった意見に対しては、「提案をぜひいただきたい」ということでした。
こうして説明会は終了。質疑応答を通して、取り上げられたテーマは東京大会での文化プログラムに留まらず、今後のインバウンド対策や町田の街の活性化施策まで広がっていきました。

また説明会終了後には、町田市役所の方々と香取ゼミの学生による意見交換会も開催。ここでは町田市としての情報発信の方法、ショッピングや飲食以外で訪問する機会の有無、都内の人気エリアであればどの街を参考にしたいかなど、先ほどの説明会よりも細かな部分まで意見が交わされました。

また町田市役所のお二人からも、学生たちがオーストラリアへの1年間の留学経験があることから、「外国人が、街のどの部分に興味を持つか」といったことへの質問もありました。学生からは「オーストラリアでは主な場所への案内がわかりやすいような気がします。また街の方も積極的に声がけしてくださり、丁寧に教えてくれました。こういったアットホームな雰囲気がいいですね。」「町田には映画館がない状態です。人が集まる仕組みが必要なのでは?」「今回のオリンピックの文化プログラムを踏まえて、代々木公園などで行われているようなオープンエアーの会場でイベントなども検討していいのでは?」「留学から帰国後、英語を話せる場所がほしいと思うのですが、ネットで検索すると都心が多いのですね。海外交流イベントなどを町田市で行ってもらえると嬉しい」といった意見もありました。「実際に、海外の人が興味を持つポイントは我々と同じではないし、また必ずしも観光地的なポイントとは限りません。たとえば海外へ行くとドリンクのサイズが桁外れに大きくて驚かされることがあります。そうしたインターナショナルサイズを街全体で取り扱えば海外の人にも受け入れられやすいし、日本人に対してもインパクトがあるのでは」と香取教授からも意見がありました。

今回の説明会や意見交換会は、キックオフ・ミーティングといえるもので、まさにスタートを切ったばかり。今後町田市役所と香取ゼミとで研究・調査活動が進んでいくことになります。学生たちは2020年には卒業を迎えていますが、今後の活動を通してまさに「レガシー」と呼べる成果を、町田市と玉川大学に残してほしいと思います。