グローバルな社会で求められる人材について 富士ゼロックス顧問の日比谷武氏による講座を開講しました。

2017.02.07

11月23日(水)の勤労感謝の日に、玉川大学TAMAGO講座が開催されました。TAMAGOとは「Tamagawa Global Opportunities」の略で、玉川で得られるグローバルな機会やチャンスのことで、グローバルに活躍できるリーダーの育成をめざすものです。この日は国際教育センターの大谷千恵副センター長の企画で、富士ゼロックス株式会社顧問の日比谷武氏による講演が行われました。日比谷氏は富士ゼロックスで、人事部長、人事・CSR担当常務執行役員、常勤監査役を経て、現在、顧問をされています。また、経済同友会の学校と経営者の交流活動推進委員会 委員長としても、ご活躍されています。



この日は教育学部の3・4年生の希望者を中心に学生が参加。その中には2017年4月から富士ゼロックスへの就職が決まっている4年生もいます。
日比谷氏のお話は、参加した学生の関心事や将来の目標について聞くことからスタートしました。「教育学部で学んでいますが、一般企業を志望しています。他の人と学んできたことが違いますが、大丈夫でしょうか」、「企業の方々は、教育についてどのように考えているのでしょうか」、「将来はJICAなどで世界の教育に貢献したいと思っています」など、さまざまな関心事や目標を日比谷氏に伝える学生たち。比較的少人数だったこともあり、日比谷氏は、学生たちからの質問すべてに丁寧に答えてくださいました。

企業でグローバルな活動に取り組んできた日比谷氏からは幅広い分野に関するお話がありました。日比谷氏がまず触れたのは、世界の動向について、「世界は今、大転換期です。イギリスのEU離脱やアメリカの大統領選など、予想もしなかったようなことが世界で起こっています。また欧米を中心に動いていた世界経済ですが、アジアの人口が伸びてきた今後はどうなるのでしょうか。翻って日本を見てみると、人口が減っていく今後は市場も相対的に縮小する。そうした中で多くの日本企業はグローバルな展開を強いられるのではないでしょうか」。そして、世界の変化や経済の変化に対して教育が果たす役割が大きいというお話もありました。「企業価値には、売上などによる財務的価値といった『見える部分』と、人材育成やお客様満足度などによる非財務的価値といった『見えない部分』があります。もちろん財務的価値は非常に重要ですが、見えない価値も同様に重要なんですね。それらは企業のフィロソフィーです。富士ゼロックスにももちろんフィロソフィーがあり、ビジネスを展開するということは、このフィロソフィーを実現させることでもあるのです。そのためにはビジネススキルやIQだけでなく、むしろEQ(心の知能指数)が大事。特に人間関係や自己管理能力、豊かな感性などを指すEQは情操教育の部分で養うことのできる分野です。玉川大学はそうしたEQを伸ばす環境が整っているのではないでしょうか。これから教育の分野をめざす皆さんには、ぜひ子供たちのEQを伸ばすことを心がけてほしいですね」。

学生の意見や考えに答えつつ、幅広いテーマについて語ってくださった日比谷氏。大谷先生も「日比谷さんのお話を伺っていると、教養あるリーダーとはまさにこういう方なんだなと実感します。お話の内容が世界の動向から日本経済、歴史などさまざまな分野に移っていっても、それぞれの内容が深く掘り下げられており、それらが線で結ばれるんですね。その線がつながって面ができ、奥行きができる。それが、人としての奥行きになるのだと思います。奥行きのある人だからこそ、多くの人が惹かれ、『一緒に仕事をしたい』『一緒に課題に取り組んでいきたい』と集まってくるのではないでしょうか」と語りました。

この日の講座に参加した学生にも話を聞いてみました。
「就職活動でも、富士ゼロックスではお客様のお困りごとを知ることで課題を見つけるというお話を伺ったのですが、トップの日比谷先生からも同じことを伺うことができたので、より大切にしようと思いました。また日比谷先生の教養の深さや、常に謙虚に学び続ける姿勢も自分のものにしていきたいと感じました(教育学部4年・富士ゼロックス内定している松谷さん)」。
「企業のトップの方のお話が、教員志望の自分にもとても勉強になりました。特に学校で情操教育をしっかり行うことは、世の中の変化に柔軟に対応できる資質を養うことにもつながり、新入社員の教育にも『企業の見えない価値』を高める上でプラスになるのではないかと感じました(教育学部3年・駒田さん)」。
「日比谷先生からは人間性の大切さというお話がありましたが、それは教育の現場で伸ばしていくべき部分でもあるので、人間性を豊かに育てていける教師になりたいと思いました(教育学部3年・江藤さん)」。

松谷さん
駒田さん
江藤さん

社会で求められる人間になるために、学生時代の今だからこそできることは何なのか。そのヒントとなるさまざまなことを、日比谷氏は今回の講座で学生たちにアドバイスしてくださいました。アドバイスを受け、それらに取り組むことで、日比谷氏が期待する「自分で考え、自分で行動する人」への第一歩を切り開いていってくれることを願っています。今回のTAMAGO講座も、学生にとっては非常に有意義な機会となりました。