駐日スペイン大使館にてチェロコンサート「ガスパール・カサドへのオマージュ」が開催されました

2017.06.28

2017年6月19日~30日まで、駐日スペイン大使館にて「ガスパール・カサド 原智恵子コレクション」の展示会が開催されています。初日には同大使館主催のチェロコンサートが開催され、カサドの音楽世界にふれるひとときとなりました。


六本木周辺の超高層ビルの足元には各国の瀟洒な大使館が並んでいます。その一角にあるスペイン大使館では、「ガスパール・カサド 原智恵子コレクション」展示会が開催されています。

玉川大学教育博物館では、2016年にガスパール・カサド没後50年、原智恵子没後15年という記念の年に、『カサド・原コレクション目録』を刊行し、データベース公開、特別展「デュオ・カサド」・記念シンポジウム・記念演奏会を開催しました。
この時に後援名義をいただいたご縁から、駐日スペイン大使館がスペインを代表する音楽家の一人であるカサドの生誕120周年を記念し、カサドを顕彰する「ガスパール・カサドを称えて」を開催するにあたり、改めてスペイン大使館にて玉川大学教育博物館所蔵の「カサド・原コレクション」から、音楽家としてのそれぞれの歩み、「デュオ・カサド」として二人が残した功績を紹介することになりました。

展示は昨年度の特別展を再構成。カサドが弟子に宛てた手紙や原智恵子の勲記などが追加展示されている

展示会の初日には、「ガスパール・カサドへのオマージュ」と称して、スペインのチェリスト、アルド・マータ氏によるチェロコンサートが開かれました。アルド・マータ氏は、カサドの弟子のエリアス・アリスクレンらに師事し、世界各国で活躍。2013年よりマドリードのカタリーナ・グルスカ高等音楽院の室内楽教授として後進の指導にも注力しています。
梅雨の晴れ間、昼間の暑さが残る夕刻にスペイン大使館内で開かれたコンサートには、カサドのファンやチェロ愛好家など100名近くの方々が集まり、小原芳明学長をはじめ、玉川学園関係者も参席しました。
コンサートは、アルド・マータ氏夫人のチ・シェン氏がピアノ演奏をつとめ、カサドの父親で音楽家でもあるホアキン・カサドの「スペイン・セレナーデ」に始まり、カサドの「セレナーデ」や「スペイン・ソナタ」、「無伴奏チェロ組曲」、フレスコバルディ=カサドの「トッカータ」、そして「カサド・原コレクション」からカサドの手稿譜による2曲、シューベルト=カサドの「セレナーデ」やシューマン=カサドの「インテルメッツォ」が奏でられました。チェロの哀愁を帯びた深い音色が会場を包み、演奏を終えるや拍手が鳴りやまず、アンコールには四度も応えてくれ、集まった人々をカサドの音楽の世界へといざないました。

駐日スペイン大使 ゴンサロ・デ・ベニト氏と小原学長

コンサート終演後は、展示会の幕開けに際して、駐日スペイン大使のゴンサロ・デ・ベニト氏が「展示会の開催には玉川大学の協力により、貴重な資料140点余りを展示することができ、大変に感謝しています」と挨拶。「スペイン人と日本人のカップルは当時ではめずらしく、おそらくスペイン人と日本人の最初の夫婦でしょう」と「デュオ・カサド」を称え、「すてきな展示会になり、これを機会にカサドと日本とスペインの絆が多くの人びとに知られるようになればうれしいことです」とスピーチしました。また小原芳明学長は「カサド生誕120周年の記念行事の一つに玉川大学教育博物館のコレクションを展示する機会をいただいたことは光栄です」と挨拶し、「日本とスペインの交流が盛んになることを期待しています。ムーチョス・グラシアス」と結びました。
その後は展示物を一つ一つ熱心に見学する方々、隣接するレセプション会場でカサドの音楽世界に思いを馳せる方々など、それぞれがスペイン大使館での一夜を楽しんでいました。

展示会は6月30日(金)までの毎日10:00~17:00開館です。あと数日となりますが、この機会にぜひ足をお運びください。