南さつまキャンパス久志晴耕塾の竣功記念で配布されるリキュールのデザインを、芸術学部学生が担当しました。

2017.12.01

鹿児島県にある玉川大学南さつまキャンパスで建設中の「久志晴耕塾」。2018年1月の竣功を目指していますが、その竣功式では南さつまキャンパス内で栽培を行っているポンカンを使ったリキュールを、記念品として来場者にお渡しする予定です。リキュールの開発は、地元の酒造メーカーである萬世酒造株式会社と玉川大学農学部が行っていますが、そのパッケージを、芸術学部の学生が担当することになりました。このリキュールはオープニングセレモニーの記念品として配布されるだけでなく、将来的な市販化も検討されており、規格に沿ったデザインが求められます。9月7日(木)には芸術学部の中村慎一教授や農学部の小野正人学部長など関係者を集めてのプレゼンテーションが、さらに21日(木)には萬世酒造株式会社の担当者の方もお招きしてブラッシュアップした内容のプレゼンテーションが行われました。

このポンカンリキュールのパッケージデザインを担当するのは、芸術学部メディア・デザイン学科4年の古屋里紗さん。古屋さんの指導を担当している野澤義彦先生の推薦で、今回のデザイン制作が実現しました。
7日のプレゼンテーションで発表されたパッケージの基本デザインは、南さつまキャンパスから臨む真っ青な海と、たわわに実ったポンカンをイラストで表現した、爽やかなデザインです。そしてネーミングも古屋さんが複数案を提案し、「ポンカのんが」で進めることに。「のんが」とは、「飲みましょう」を意味する南さつまの方言で、その語感やリズム感から採用されました。

そして21日には、7日のプレゼンテーションで決まった方向と同時に、指摘を受けた部分を修正した上で複数のデザイン案を提案。萬世酒造の担当者の方からは「とても繊細で上品なデザイン」という評価をいただきました。この日のプレゼンテーションでは市販化されたときのことを考えて、より細かな部分まで詰めていくことに。たとえばリキュールをボトルに充填する際に、機械ではなく人の手で行う場合は、キャップ部分を封印紙で留める必要があることや、ボトル裏面の原材料表示の文字の大きさに関する諸注意など、考慮すべき点はたくさんあります。またラベルを円柱型のボトルに貼った場合、店頭に並んだ際に視認できる範囲はラベル全体の半分程度にしかなりません。南さつまのポンカンを用いたリキュールであることや玉川大学農学部との共同開発であることなど、アピールしたいことはたくさんありますが、「何を目立たせるか」という取捨選択も必要です。こうした諸注意を、一つひとつメモしていく古屋さん。この日受けたさまざまな指摘を踏まえて、最終的な学長プレゼンテーションに臨むことになりました。

デザインを担当している古屋さんに話を聞いてみました。

「酒屋さんに行き、リキュールはどのようなデザインをされているのかを調べたり、大学の図書館でデザイン関連の本を借りたりして、発想のヒントにしました。今回のプレゼンテーションで、中村先生から『ユーザーが購入した後のこともイメージしてデザインすることが大事』とアドバイスをいただき、デザインは視覚的なものではあるけれど、そこから一人ひとりの物語を考えていくことが大事なんだと感じました」。

食品メーカーに内定しており、商品パッケージやディスプレイのデザインを手がけることを目指している古屋さん。今回のデザイン制作は、未来を先取りした経験となったことでしょう。

ここまでのプレゼンテーションをベースに、ポンカンリキュールは小原芳明学長への最終プレゼンテーションを行った後、久志晴耕塾のオープニングセレモニーでお披露目される予定です。最終的にどのようなデザインになるのか、今から楽しみです。

ポンカンリキュール「ポンカのんが」について

デザイン考案中のポンカのんが

竣功記念にふさわしいものはなにかと考え、ポンカンを使ったリキュールづくりがスタートしました。本学が連携協定を締結している南さつま市の紹介で地元の酒造会社「萬世酒造株式会社」と共同でレシピを検討していきました。
「さわやかさ」「甘さ」「風味」という観点からポンカンを食べた時の印象を表現し、また久志の「風土」にもこだわって、試行錯誤を繰り返し納得がいく味に仕上げました。
「さわやかさ」をより感じられるために、原料の一部に未熟果の果汁を使用。酸味と香りを引き立てることに成功しました。
「甘さ」は果実の甘さをより引き立てるため、氷砂糖の他に購買部で販売しているたまがわはちみつを使用。はちみつのやわらかい甘さが全体を包み込みます。
「風味」を損なわないために加熱処理をぜす、香りの変化を最小限にとどめました。
久志の「風土」を感じさせる、地元の老舗酒造会社の焼酎を使用。ポンカンの風味と香りを活かせる米焼酎を採用しました。

鹿児島 南さつま久志農場について

薩摩半島の最南西端に位置し、総面積は約10万m2です。ポンカンを中心とするカンキツ類の栽培、冬季温暖な気候を利用したパッションフルーツやマンゴーなどの熱帯果樹などの試験栽培を行っています。周辺部の自然環境も含め、主に農学部生の農場実習、卒業研究等の拠点となっています。