Jリーガーに学ぶ、サッカー、チームワーク、練習の大切さ
FC町田ゼルビア教育連携プロジェクトによる5年生の特別授業

2018.01.16

Jリーグ・FC町田ゼルビアと教育連携を結んでいる玉川学園では、毎年、5年生が教育連携プロジェクトによる特別授業を行っています。今年は11月30日に授業形式でサッカーの指導を受け、12月7日にスポーツ大会形式で試合が行われました。
今回はスポーツ大会をレポートします。

授業で学んだ成果をスポーツ大会で実践

12月7日。よく晴れた記念グラウンドでは「いざもろともに」の合唱で児童が気持ちを一つにした後、開会式が行われました。
教育連携の特別授業は2日間にわたって行われ、1日目の特別授業では各クラスに分かれFC町田ゼルビアのコーチから指導を受けます。そして、2日目のこの日のスポーツ大会ではクラス対抗で成果を競い合います。
「授業でFC町田ゼルビアの皆さんが教えてくれたことを生かして、勝ち負けに関係なくやってよかったと思える大会にしたいです。優勝に向って頑張りましょう」
体育委員の開会の言葉に続いて、FC町田ゼルビアのコーチ、選手の紹介がありました。4クラスをそれぞれA・Bの2チームに分けた8チームに、それぞれの監督として、プレイヤーとして加わり、児童と一緒に試合をします。

指導効果を上げる5年生に合せた独自のルール


試合時間は5分間、休憩は3分間。ほぼフットサルコートの大きさのコートに、1コート2個のボールで行います。男女混合チームのため得点は、男子の1ゴールは1点、女子の1ゴールは2点とし、勝ったチームに勝ち点3、負けたチームは0、引き分けは両チームに1で、勝ち点で競い合います。
4面のコートで一斉に試合が行われるため、常に見学しているチームはありません。また、同時に2つのボールを使うので、予期せぬ方向からボールが来るなど、みんながボールに触れる機会も多くあります。このルールは教員が児童の体力や集中力に合わせて楽しめるよう考えたユニークなルールです。大会を経るごとに、改良が重ねられています。
開会式の後、チームごとに監督を囲み、試合前のミーティングです。
「みんなを助けるために、とにかく一人ひとりが走りましょう」「シュートの練習をたくさんしたと思うけど、どうすればシュートまで持ち込めるか考えよう」「一人だけが頑張っても、みんなが頑張らないと、試合には勝てないよ」「頭を使おう」
それぞれテーマは違いますが、監督は授業時間に教えたことを再確認して、試合に備えます。「頑張るぞ」「オー」。監督のリードでウォームアップに入ります。

頭を使って、ゴールを目指せ


第1試合のキックオフ。まだ、試合に慣れていないのか、ボールに集まる傾向がありましたが、児童たちはコートいっぱいにボールを追いかけます。あっという間に5分間の試合が終了。勝ったチーム、負けたチーム、引き分けだったチーム、それぞれの表情で次の試合に向います。負けたチームは3分間の休憩時間にもう一度、作戦会議。
「どうしたら、勝てると思う」との監督の声に「もっとみんなに声を掛ければ、いいと思います」女子の一人が手を上げました。「そう、もっとこっちを見てとか、もっと下がれとか。周りにどんどん声を掛けていこう」修正点を話し合います。
「あのシュートは惜しかったね。女子のシュートだから、入っていれば逆転だったけど。それだけチャンスはあるということ。さあ、次の試合は頑張るぞ」監督の言葉に励まされるチーム。それぞれに監督の持ち味が出ています。
ゴールに沸き、結果に一喜一憂し、楽しく試合を行う児童。大会は他の3クラスのA・B両チームと総当たりをするので、各チーム6試合ずつ行います。次第に試合に慣れて来ると、自然に児童も各自のポジションを取るようになり、ゴール前に守備の壁を作ったり、ボールを持った一人に並ぶようにして一斉にゴールに向って走り込むなど、工夫が見られるようになりました。「頭を使ってサッカーをする」。特別授業で学んだことを少しずつ出せるようになりました。
「指導しているチームを絶対に勝たせたい」。残り試合も少なくなると、監督やコーチ陣にもエンジンがかかります。

スポーツから学んだことを学校生活にも

スポーツ大会では優勝したクラスがFC町田ゼルビアチームに挑戦できるエキジビジョンマッチが組まれています。優勝した柳組の児童は全員でゴールに向います。前線の両サイドにハイボールを繰り出すFC町田ゼルビアチームの作戦になかなかボールを奪うことができませんが、それでもみんなで声を掛け合って、いくつものチャンスを作りました。
試合を終えて、選手たちと握手する児童の表情には、本物に向って精いっぱいやり尽くした充実感がありました。
大会の成績は優勝柳組、2位楓組、3位桐組、4位白樺組。優勝と2位はどちらも勝ち点23。得失点差で優勝が決まるという接戦でした。
「授業で学んだことを生かして今日の試合ができたことをとてもうれしく思っています。コーチは何でも練習しないとできないといっていましたが、私は勉強もそうだと思いました。成果を出すために練習するということを忘れないようしたいです」
体育委員の閉会のあいさつに続いて、FC町田ゼルビアの選手、コーチからも言葉をいただきました。
「みんなが勝負にこだわる姿を見て、驚きました。楽しかったです。それがサッカーの本質だと思うし、スポーツでも何でも勝負にこだわるのは大事だと思います。その中から、喜びや悔しさを学んでください」と、優勝した柳組を率いた高須コーチ。
「サッカーも学校生活も仲間がいないと何もできない。そして相手がいないと何もできない。これからもチームワークを磨いて頑張ってください」という庄司コーチの言葉に納得する児童の姿も目につきました。

本物に触れることから学んだサッカーの楽しさ

この日の試合でゴールをあげた2人の児童に2日間の特別授業の感想を聞きました。
「授業ではリフティングやキックやドリブルの練習をして楽しかったです。試合は2つのボールだったので、相手が攻めて来た時にも1つのボールに集中し過ぎず、判断力を高めるようにしました。今日ゴールした時は、コーチに教えてもらってよかったと思いました」
「頭を使って点を入れようとコーチに言われました。相手の隙を見ることができるようになるなど、コーチの指導のおかげで自分が成長できました。高須コーチは優しくて、楽しいコーチでした」
「サッカーはチームプレーなので、仲間を信じることが大切。友達がパスしてくれたからゴールが生まれたと思います」と口を揃える二人。クラスの仲間への信頼も深まりました。もちろんサッカーへの興味も強くなりました。
Jリーガーと一つのボールを追う。特別授業だからこそ体験できる学び。玉川学園の本物に触れる教育は、子供たちのこれからの成長の大きな糧となるでしょう。