環境農学科2年生が、4カ月のカナダ留学での学びを英語で発表!

2018.08.17

玉川大学農学部環境農学科では、生物や環境についての知識を深めるだけでなく、国際的な視点に立って農業や環境問題に取り組むための知識と技術を修得する海外留学プログラムを運用しています。この海外留学プログラムでは、2年の時に全員が参加し4カ月間、カナダまたはオーストラリアに滞在します。玉川大学と連携をしている現地の大学が玉川の学生のために語学研修はもちろん、講義やフィールドワークも行います。玉川大学と現地の大学が連携をして設計した留学プログラムであるため、4年間で卒業することが可能です。
カナダのプログラムでは、玉川大学のナナイモ校地があるバンクーバー島のナナイモ市に滞在しながら、バンクーバーアイランド大学で学びます。2か月間の英語学修プログラムを受講後、フィールドワーク中心のプログラムに参加します。
玉川大学が独自で設計した「地域環境論」という授業では、バンクーバー島の国立公園内をトレッキングしながら、樹木や動物、生態系について観察をします。また、現地林業の取り組みや、先住民族の“森とともにある伝統的な暮らし”を学ぶこともできる2泊3日のフィールドトリップです。 バンクーバーアイランド大学の授業と「地域環境論」の授業を修了した2年生が、7月19日に大学教育棟2014のアカデミック・スクエアにおいて、カナダでのフィールドトリップの報告発表を英語で行い議論しました。バラエティに富んだ4つのチームの発表を紹介します。

温帯降雨林の成り立ちとエコシステム(Formation and Ecosystem of the Temperate Rainforest)

1つ目のチームが発表したのは、沿岸部に山岳域が形成されているという地形条件からもたらされる温和な気候と高い降水量という自然条件を持ち合わせていなければ成立しない温帯降雨林についてです。今や森林伐採による自然破壊で減りつつある地球上の温帯降雨林。その4分の1は、カナダにあり、バンクーバー島にもあります。学生たちは現地でその森に入り、フィールドワークを行なってきました。
どんな地形的条件からこの温帯降雨林が成り立っているのか、そしてサケやクマ、ワシなどの生息が生態系に良い循環をもたらしていることなどを解説しました。さらにそこに暮らす人間にとっても家、狩猟、観光などの暮らしの恵みをもたらしていることにも言及しました。こうしたカナダの温帯降雨林に強い印象を受けた学生たちは、「同じ温帯に位置する日本の森でもこうした循環を生む自然環境保護の一翼を担っていきたい」と発表しました。

マーモットの生息地(Conservation activities and extinct of the Vancouver Island Marmot)

バンクーバー島のマーモットは、体長70cm程度のビーバーのような動物ですが、生息数が減り、絶滅が懸念されています。標高700mという特殊なエリアに巣作りをして暮らすため、なかなか良い環境での巣作りができなかったり、エリアを広げられず、困難な状況に陥り、すでに200頭程度になっているそうです。このチームは、そのバンクーバー・アイランド・マーモットの棲む地域で、実際に巣や食べているものについて行った調査や現地の保護活動について発表をしました。保護活動として、生息環境の整備や繁殖支援を行っていますが、学生たちはその必要性を実感する一方で、人間がサポートしすぎることでマーモットが野生の状態で生きていけなくなるのではないかという危機感も感じていることを話し、今後さらに良い方法への模索へと考えを発展させていました。

バンクーバー島のオオカミ(Vancouver Island Wolves)

3つ目のチームは、バンクーバー島の多様なワイルドライフの中でも、やはり絶滅が懸念されているオオカミについて発表をしました。大陸に生息するオオカミと異なり、バンクーバー島に生息するオオカミは魚や貝などを食べる特殊なオオカミです。しかし、食料の減少や森林開発によって生息エリアを奪われつつある上に、絶滅が危惧されているバンクーバー・アイランド・マーモットを捕食するなど、生態系を崩すことにもつながっていると発表しました。バンクーバー・アイランド・マーモット同様、人間による保護と同時に、人間の手に頼りすぎずにオオカミたちの生息環境を守っていくことが今後の課題だと発表しました。

先住民族の文化(First Nations ~Culture and Environment~)

4つ目のチームは、カナダのFirst Nations(先住民族)について発表しました。バンクーバー島には大きく3つのエリアに先住民族が住んでいます。西岸のヌートカ(Nootka)、北部から中部のクワクイット(Kwakiutl)、南岸と東岸のサリッシュ(Salish)で、イギリスが植民地とした後もその文化や生活を保っています。学生たちはバンクーバー島で土地の所有を表すトーテムポールを何度も見学し、その文化などについて触れてきました。いまでも男性はサケの捕獲や狩猟、女性は野菜の採集や保存食作りをするなど、自然の恩恵を大事にして暮らしています。カナダ政府は、先住民族の文化とその土地の自然環境を重視していて、保護しています。学生たちは、先住民族についてもっと知ることが、彼らの文化や自然環境を守っていくことになると訴えました。

川、海、山という自然と共存しながら、いかに生態系や人間の文化、暮らしを守っていくかは、これからの未来への大きな課題です。カナダでの4カ月間の講義やフィールドワークを経験した学生たちの学びは、将来の日本のみならず他の国々においても環境の保全などできっと生かされていくはずです。