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経営学部生がラグビーワールドカップ2019以降を見据えた、ファン獲得のための持続的な施策について考えました。

2019.02.25

1月30日(水)、1号館404教室において、経営学部『マーケティングゼミナール』の『産学連携プログラム課題報告プレゼンテーション』が行われました。今回の産学連携プログラムは公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(以下ラグビー協会)と連携し、ラグビーワールドカップ2019日本大会以降を見据えたラグビーファンの獲得方法について考えるというものです。
まずは昨年12月にラグビー協会マーケティング部の竹内哲也氏をお招きして、日本におけるラグビー人気の現状、日本で開催されるラグビーワールドカップ2019のもつ影響力や経済効果、ラグビートップリーグ活性化・集客拡大を目的としたマーケティング施策などについて説明をしていただきました。以上を踏まえ、学生には「ラグビーワールドカップ2019以降を見据えた、ライト層や無関心層の観戦に繋がる持続的な施策を共に考えましょう」という課題が出され、学生たちは6~7人で1グループとなり、計9グループが挑戦。学内審査を経て、当日は上位4グループが竹内氏にプレゼンテーションを行いました。

①グループ

施策内容:
20~30代で地方在住のファミリー層をターゲットとする「ハーフタイムショーによるマーケティング」

日本ラグビーを事業分野別・機能分野別の両軸からSWOT分析(内部環境と外部環境を、プラス面とマイナス面に分けて分析する)し、「ブランディング/プロモーション力の弱さ」と「少子高齢化/若者のスポーツ離れ」に着目。これらの悩みを解決する方法として、前半と後半の間に設けられた12分のハーフタイムを活用し、有名アーティストを呼んで集客に繋げることでライト層を取り込み、かつメディアの注目を集めて人気も収益もアップさせるという案を考えました。それに付随し、ファミリーチケットの販売、学生による観客席でのブラスバンド演奏、SNSを意識した日替わりフードなど会場へ人を導くためのサービスもあわせて提案しました。

竹内氏の講評

着眼もよく、まとめ方もよくできていると思います。地方の若いファミリー層は確かに自動車の保有率が高いのでtargetとしていいですね。ラグビー場は郊外にあるので車で行きやすいし、大きな音も出しやすくライブとの親和性が高いため、ハーフタイムショーをやりやすい環境です。以前有名アーティストをハーフタイムショーにお呼びしたときは、とても盛り上がりました。しかし、ハーフタイムショーだけではなかなか集客に繋がらないのも現状です。とはいえ、ラグビー協会の弱みや、収入がどこからきているかなどをきちんと調べてあり、着眼点はとてもよかったです。

②グループ

施策内容:
女子大学生をターゲットとする、SNSを利用した「ラグビー女子=かわいい」のイメージづくり

グループ全員が女子でありラグビーにあまり関心がないことから、なぜラグビーは女子ウケがよくないのか、逆にサッカーと野球はなぜ人気が高いのかを分析し、どうすれば自分たちがラグビーを好きになるだろうかと考えました。ラグビーに対する「危険そう、いかつそう」というマイナスイメージを払拭し、もっと身近に感じられるスポーツにするために、ラグビー女子、ユニフォーム女子を増やすことを提案。“かわいい”をコンセプトにした女子限定グッズの配布、選手との握手会などのイベントを行うことで、女子ファンがSNSで情報を拡散し、さらなる女子ファンの獲得が期待できると述べました。加えてキャラクターとのコラボ、女子人気の高いインスタグラマーやモデルとのコラボ、YouTuberとの動画作成、SNS映えするスイーツの販売など、SNSを利用したイメージアップ戦略を展開しました。

竹内氏の講評

怖いとか、いかついとか、必ず出てくるイメージです。イケメンが少ないとのことですが、それこそ玉川大学出身の元日本代表、川合レオさんは超のつくイケメンですよ。実は一般企業の人事部が採用したいと思うスポーツ経験者の1位は、野球やサッカーでなくラグビーなんです。荒々しい競技の中で育まれる結束力や情熱、自らを律する力、品位、対戦相手への敬意などの精神性が企業に好まれているようです。キャラクターとのコラボは2017年から始めています。女性グループの意見を聞けとても参考になりました。

③グループ

施策内容:
20~30代女性をターゲットとし、個々の選手を知ってもらい「選手のファン」になってもらう

ラグビーワールドカップ2019日本大会に関する調査より、20~30代の女性ファンが圧倒的に少ないことが判明。また、男性はチームを、女性は選手を応援している傾向があるという調査データから、20~30代の女性に「選手」を知ってもらい、ファンになってもらおうと考えました。その方法として①スポーツジムとコラボし、選手がトレーナーとして指導を行うイベントを開催、②女性誌に選手の特集を組んでもらう、③化粧品メーカーとコラボし競技場で観戦メイクを施す、以上3点を提案。また、魅力的な会場づくりとしてフードとドリンクを充実させる必要性も述べました。

竹内氏の講評

化粧品メーカーとのコラボは私たちが長年取り組んでいる課題です。会場メイクを常態化できるといいなと考えています。個々の選手を女性誌に取り上げてもらうことも進めており、昨年は20代向け女性誌の裏表紙に選手を登場させていただきました。ですが、まだ浸透力は低いと考えています。フード・ドリンクについては手をつけていない分野で、これから取り組んでいかなければと思っています。いい着眼ですね。

④グループ

施策内容:
スマホユーザーをターゲットとし、ラグビーのゲームアプリを通じてラグビーを知ってもらう

「小さな画面から大きな球場へ」がキャッチコピー。まずはラグビーに馴染んでもらうため、ラグビーのケイタイゲームアプリを開発し、無料でゲームを楽しみながらラグビーのルールや選手を知ってもらうことを提案。YouTubeのゲーム実況者による実況、会場に行くと限定のゲームアイテムがもらえるなどのプロモーションを行うとともに、ラグビー観戦チケットへのQRコード添付、電車内広告などでゲームの認知度を高めようと考えました。また、試合観戦後の感想などを共有できるよう、ゲーム内にコミュニティを作ることも提案しました。

竹内氏の講評

「小さな画面から大きな球場へ」。このコピーが秀逸ですね。とてもいい。いつも手元にあるスマホにコンテンツがあって、それをきっかけに球場に足を運ばせるというのは素晴らしいですよね。

4グループの発表が終わり、最後は竹内氏から学生に向けて、まとめの代わりのプレゼンテーションがありました。まずは日本選手権の決勝戦を観戦した学生に感想を聞きました。

55対5と一方的な試合展開だったせいか、トライがいっぱい見られて面白かったとの意見がある一方で、点差が開き盛り上がらなかった、馴染みがなくて観戦の仕方がわからない、応援の盛り上がりに乏しいという厳しい意見も聞かれました。
「応援に対するネガティブな意見はアンケートでもよく見られるので、サッカーや野球と比べた時に文化の違いと言って終わらせるのではなく、なんとか盛り上がれるようにと考えている」と竹内氏は話しました。
続けてトップリーグの観客動員数が目標に少し届かなかったことに関して、試合数の減少、競技場の整備などの理由と今後の課題について述べるとともに、大学選手権や高校選手権、国際試合はまずまずの成果を収めていることを報告。「コアなファンがまだまだ周囲を巻き込めていないので、ラグビーワールドカップに向けて、イベントやパブリックビューイングなどをもっと体験してもらい、ファン層を拡大していきたい」と竹内氏。「今日のみなさんからの提案を参考に、今までよりさらにメディアやSNSなどの力を借りて、ラグビーを体験できる機会を増やし、観に行きたいと思ってくれる人が一人でも増えるよう頑張っていきたいと思います」と締めくくりました。

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