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大学生による聖山での労作。次の100年を見据えて参加者たちは環境整備に汗を流しました。

2024.03.07

2月7日(水)、教育学部・芸術学部・農学部・工学部の学生が聖山労作に取り組みました。
聖山労作は「守り、継承する聖山」をコンセプトに、2019年度から継続的に行われています。これまでも幼稚部生から大学生、さらに教職員や卒業生までが参加し、雑木林の間伐などを実施。この5年ほどで草木が鬱蒼と茂っていた聖山は整備が進み、丹沢の山々や横浜ランドマークタワーなどが見渡せるまでに。まさに学園の理念を象徴する場となりました。
今回も総務部管財課、株式会社タマガワイーサポート、株式会社濃沼植木の協力のもと、植栽の剪定を実施。また間伐で発生した木材をバイオチャーと呼ばれる炭化物にする、炭焼き作業にも取り組みました。

今回参加したのは、教育学部教育学科・市川直子准教授、芸術学部アート・デザイン学科・堀場絵吏講師、農学部環境農学科・山﨑旬教授、農学部環境農学科・小原廣幸教授、農学部環境農学科・友常満利准教授、工学部デザインサイエンス学科・平社和也講師の研究室のゼミ生たちです。さらに、農学部環境農学科の関川清広教授・上原歩准教授・石川晃士教授・小林祥子准教授・高橋里世助手も参加し、学生たちともに汗をかきました。

労作に先立ち工学部の平社先生から、この日の作業内容や注意点などの説明がありました。その上で「この聖山労作は、先輩たちから受け継いだものを後輩へとつないでいくもの。自分たちのキャンパスを自分たちで創っていく、非常にクリエイティブな取り組みです。そして今回もワンキャンパスに集うさまざまな学部の学生が参加していますので、労作を通じてぜひ交流を深めてください」という挨拶がありました。
またこの日は一日をかけて労作を行うこともあり、学友会からお弁当の提供がありました。作ってくださったのは中央林間にある「黄色い看板」というレストランで、卒業生の方が営んでおられます。学友会の髙田事務部長からは「キャンパスを訪れるほとんどの卒業生が立ち寄るのが、礼拝堂とこの聖山です。そんな想いの強い聖山を皆さんが労作してくださることについては、卒業生も喜んでくださると思います。このお弁当でぜひ力をつけてください」という挨拶があり、工学部の学生が代表して「今日は一日頑張ります、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えました。

この5年の労作でしっかりと間伐を行ったこともあり、この日は細い樹木の伐採や枝の剪定が中心となりました。ただ、聖山の頂上部分に巨大なヒマラヤスギが残っており、濃沼植木の皆さんがクレーン車を使って伐採することに。ちなみにこのヒマラヤスギの間伐材は、玉川学園の「Tamagawa Mokurin Project」と連携している三菱地所ホームの「KIDZUKI」プロジェクトを通じて、2025年の大阪・関西万博で構造物として使用される予定となっています。

そして今回はバイオチャーを散布するだけでなく、炭焼きにも取り組みました。担当するのは農学部の友常先生です。無煙炭化器と呼ばれる下部に吸気口のないボウル状の機材を使用。木材を燃焼させるのではなく熱分解することで木材が炭化し、内部にCO2が定着するという仕組みです。こうしてできた炭をチップ状にして森林に散布することで樹木を活性化させ、より二酸化炭素を吸収させるという方策に、友常先生の研究室では取り組んでいます。「森林へのバイオチャー散布に関する研究は、我々が世界の先頭に立って進めています。『最先端の研究』と聞くと高度な技術を用いるようなイメージがありますが、実際にはこうした地道な作業が中心であり、重要になります。それは労作も同じだと思います」と友常先生。無煙炭化器で熱分解された木材は、30分ほどで炭になりました。また、以前に造ったバイオチャーを使い、森林への散布も行いました。

<バイオチャー散布の様子>

この他にも昨年も伐採した竹林が1年でまた大きく育ったので再度伐採したり、さらに奥のエリアにも作業範囲を広げ、間伐を進めました。

間伐作業の後は、クマノザクラの植樹をしました。
クマノザクラについての概要説明を農学部 山﨑先生が分かり易く丁寧に説明しました。
このクマノザクラは紀伊半島南部に自生していたもので、2018年に国内で約100年ぶりに新種であることが認定されました。
その標本木(タイプツリー)が本学と包括連携協定を結んでいる和歌山県古座川町にあることが縁で、
学友会和歌山支部のご尽力により継続して寄贈いただいています。
苗木は農学部管理のもと成長してきており、今回の労作で初めて、学生たちの手で植樹することができました。
学生たちは一日をかけてさまざまな労作に取り組みました。

<植樹の様子>

また、昼食時間を利用して平社先生の研究室のゼミ生たちがワークショップを開催。間伐材で造られたコースターに、好きなイラストをレーザープリンタで描くというものです。各自のイラストを、研究室が用意したタブレットに取り込むだけでプリンタが作成する様子に、学生たちも興味津々でした。また「Tamagawa Mokurin Project」の活動内容紹介も行われるなど、盛りだくさんの内容となりました。

今回も多くの学生が参加した聖山労作。今この日植樹したクマノザクラが花を咲かせるほどに成長するには長い年月を要しますが、きっと後輩たちのキャンパスライフを鮮やかに彩るはずです。玉川学園では今後もこうした労作を通じ、先輩から後輩へとバトンをつないでいきます。

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