MCPCとの連携で、次世代ICT社会で求められる人材を育成

2014.11.06

ICT(Information and Communication Technology)の分野で注目を集め、現在では大きな潮流の一つとなったモバイルコンピューティングに関する技術開発。カフェなど街なかでもスマートフォンやタブレット端末を使う人が、以前よりも多く見られるようになりました。それに伴い求められているのが、モバイル技術に精通したエンジニアの育成です。
玉川大学工学部では2008(平成20)年にソフトウェアサイエンス学科を開設した当初から、このモバイル技術に関する教育に力を注いできました。その一つの事例が、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)との連携です。
MCPCはモバイルコンピューティングの本格的かつ健全な発展のため、通信キャリア、コンピュータハードメーカー、ソフトメーカー、システムインテグレーター等が一体となり、環境整備を推進していくことを目的に設立された団体です。幹事会員には日本を代表する企業が名を連ねており、玉川大学も賛助会員として加盟しています。モバイルシステム構築に必要なテキストの作成や検定試験の実施、またクラウドやセキュリティといった技術・課題に関する委員会を設置して検討することなどが、MCPCの主な活動内容となっています。

ソフトウェアサイエンス学科では開設時からMCPCと協同でモバイルシステム講座を開講しており、最新のモバイル通信技術を始め、具体的な活用事例などを総合的に指導してきました。講師陣として、モバイルシステムの第一線で活躍しているMCPC会員企業のエンジニアを招き、最新のテクノロジーやソリューションなどについて学ぶといったカリキュラムが組まれています。このような実践的なカリキュラムと同時に同学科でのモバイル教育の大きな柱となっているのが、検定試験への挑戦です。
今回、この取り組みについて、ソフトウェアサイエンス学科主任の山﨑浩一教授に話を聞きました。「ソフトウェアサイエンス学科では基礎を身につけた後に、プログラミング、ネットワーク、モバイルシステム、ゲーム・アニメーションの4領域に分かれて専門的に学んでいきます。この中でモバイルシステムを学ぶ学生は、MCPCが主催する『モバイル技術基礎検定』を受検します。過去7年間の累計で、195名が資格を取得しました。更に高度な『モバイルシステム技術検定2級』も、既に26名が取得しています。この資格はモバイル関連企業のエンジニアが主な受験者という高度な内容であり、玉川大学の合格者数は学術機関としては群を抜いています」。

MCPCから派遣され、講師を務める山崎徳和氏(KDDI株式会社)

どちらの資格もモバイル関連企業では推奨資格として認定されているもので、取得者にとっては資格相応の知識を持っているという証明になります。特に検定2級を取得した学生は、資格取得が就職活動の際のアピールポイントの1つにもなります。そのため、同学科では対策講座を開講して資格取得を支援しています。また、学んだ知識を生かせるよう、MCPC会員企業でのインターンシップの実施など、実践的なカリキュラムを多数立ち上げている点も特長です。このように玉川大学工学部ではいち早くモバイルシステムに関する教育に力を入れており、その成果は学生の就職実績にも表れています。

また、同学科の佐々木寛教授によると「ソフトウェアサイエンス学科では、モバイル関連以外にも多くの資格取得を目指しています。ICT関連では必須ともいえる『ITパスポート』と『基本情報技術者試験』の取得も推奨しています」と説明してくれました。さまざまな資格を取得することは自分の実力を証明するだけでなく、「目標のためにやるべき課題が明確になる」、「自分に自信が生まれ、就職活動でも不安がなくなる」など、メリットも少なくありません。山﨑教授も「資格がすべてではありませんが、多くの資格を取得している学生のほうが就職活動で良い結果を出すだけでなく、学業でも優秀な成績を残すことが多いようです。今後も学生の資格取得を支援していきたいですね」と語ってくれました。

我が国が掲げるICT立国の実現には、モバイルシステムの充実が欠かせないといえます。今後多くの大学・専門学校でもMCPCと連携した教育を展開することが予想されますが、玉川大学工学部はその先頭に立ち、モバイルシステムに精通した技術者の育成に努めていきます。