園児たちが保護者の前で劇を披露する「子ども会」が開催されました

2015.03.04

1年間の成長を披露する場

平成27年2月21日、幼稚部で「子ども会」が開催されました。これは保護者の皆様をキャンパスにお招きし、園児たちが絵本を元にした劇を披露するイベントです。子どもたちのこの1年での成長ぶりを、保護者の皆様に見ていただく集大成の場となっています。

劇の発表はクラスごとに行います。今年の題材は、りす組(年少)が『ぐりとぐら』、こあら組(年中)が『11ぴきのねこ ふくろのなか』、しか組(年長)が『せけんしらずのいせまいり』でした。子ども会に向けた準備は、約1ヶ月前からスタートします。題材を決めたり、セリフを覚えたり、年長は衣裳や小道具の製作も自分たちで行いました。

それぞれの年齢に適した題材

子ども会当日は、司会進行も年長の園児たちが交代で務めます。たくさんの人前に立ってちょっと緊張した面持ちでしたが、みんな大きな声で元気よくプログラムを紹介していました。

りす組(年少)『ぐりとぐら』

最初の発表はりす組。子どもたちがぐりとぐらに変身して、大きなカステラをつくるというストーリーです。先生と一緒に歌ったり身体を動かしたりしながら、たまごを割ったりかき混ぜたり。そのかわいらしい仕草に、会場が温かい雰囲気に包まれました。子どもたちも本当に楽しそうで、その表情から緊張は感じられません。普段の遊びそのままという様子でした。

りす組担任の佐藤教諭は、「りす組では、この子ども会のために特別な用意をしたわけではなく、普段の表現遊びを楽しみました。保護者の皆様には子どもたちがイメージを膨らませて身体表現を楽しむ様子をご覧いただけたのではないかと思います。題材の『ぐりとぐら』は、1年間読み聞かせした中で、子どもたちが大好きだった絵本の一つです。好きな題材ということで、子どもたちも役になりきって楽しむことができているようでした。また、年少のこの時期は、人前で緊張することもまだそれほどありませんので、普段どおりの自分らしさが出せたのではないかと思います」と話していました。

こあら組(年中)『11ぴきのねこ ふくろのなか』

続いては、こあら組の発表です。11ぴきのネコと恐竜が遠足に出かけるお話です。途中、怪物“ウヒアハ”に捕まってしまいますが、最後はみんなで力を合わせて怪物をやっつけます。年中になると決まったセリフも動きもあって、しっかり劇の形になっています。「ニャゴニャゴ」と言いながら、すっかりネコになりきっている子どもたちの姿が印象的でした。

こあら組担任の藤樫教諭は、「『11ぴきのねこ』を選んだのは、キャラクターがこあら組の子どもたちとそっくりだったからです。この年齢の子どもたちは、友達と一緒に何かをすることが楽しくなる時期。それを表現するのにふさわしい題材だったと思います。なるべく手作りの劇にしたいと考えていましたので、劇中にでてきた3曲の歌は、子どもたちが作詞・作曲しました。子どもたちに『どんなネコかな?』とたずね、『なかよし!』『魚がすき!』と返ってきた言葉、『ちょっと歌ってみて』と言って歌ったメロディーを、小学校の音楽の先生にアレンジしてもらいました。今日は緊張している子もいましたが、友達と一緒に楽しむ姿、役になりきることを楽しむ姿を、ご覧いただけたと思います」と劇を振り返っていました。

しか組(年長)『せけんしらずのいせまいり』

最後のしか組は、山奥に住む世間知らずな家族が、初めて伊勢参りに出掛ける途中で様々なことが起きてしまう、楽しい昔話を劇にしました。途中の宿で名物の“饅頭”や“首巻きそうめん”、六枚折りの“屏風”が出されますが、食べ方も使い方も分からない家族。素直に聞けばいいものの、家族は自分達で色々な方法を考えます。ユニークな方法が繰り広げられ、思わず笑ってしまうお話です。
年長ともなると、主役の家族から、宿の女中、通りすがりのお侍まで、一人ひとりに役が割り振られ、昔話独特の言葉遣いも再現します。また、笛や木魚、ベル、トライアングルなどを使って、効果音も子どもたちが表現。完成度も高く、終演後には会場から大きな拍手が送られていました。

しか組担任の大池教諭は、「面白いことが大好きで、笑いが絶えないのがしか組の特徴です。しか組の子ども達が楽しみながら表現できる題材として、『せけんしらずのいせまいり』を選びました。これまで子どもたちは動物になりきる表現遊びをすることが多かったので、今回は人間しか出てこないお話、しかも、昔話にチャレンジしました。年長組になると、言葉の面白さに対する感受性が強くなります。そこで、昔話ならではの言葉遣いや表現を楽しめるよう、『昔の人はどう話すかな?』『おじいさんらしく、おばあさんらしく』というように、『~らしさ』を意識して表現できるよう、声を掛けました。子どもたちなりの“昔の人らしい表現”“おじいさんらしい表現”を見つけ、表現を大いに楽しむことができたと思います。また、『○○ちゃん出番だよ!』と、セリフや楽器の入るタイミングを子どもたち同士でやりとりする姿もありました。みんな で協力し、一つのお話を作り上げていました。だからこそ、劇を終えた時の達成感 や満足感はとても大きいものだったと思います」と話していました。

子どもたちの自己表現を大切に

幼稚部部長の櫻井利昭教諭は、子ども会について次のように話します。

「子ども会は、『安心できる仲間』と『安心できる場所』で『安心できる眼差し』の中で、普段と同じように自己表現できる場だと考えています。そのため、一段高い舞台で演じるのではなく、客席の方を段にして、普段どおりの部屋で演じられるようにするなど工夫をしています。こうした安心できる環境の中で自己表現することで、子どもたちは表現することの“うれしさ”や“たのしさ”を知り、また、人に見てもらうことで自信もついてきます。そのような経験をすることが、とても大切だと考えています。

また、いわゆる『発表会』は、その当日がピークでそれで終わりということが多いのですが、子ども会は普段の遊びの延長にあるものですので、ここからさらに広がっていきます。きっと来週には別のクラスが、『ぐりとぐら』をやりたいと言い出すでしょうし、配役を変えて同じ劇をするクラスもあります。そうやってどんどん発展していけることが、子ども会の良いところでもあります。

玉川学園は学校劇発祥の地であり、私たちには大切にしている伝統があります。それは決して見栄えや完成度を重視するのではなく、“子どもたちの自己表現”を大切にすることです。保護者の方に見ていただくということで、ついつい『ああしなさい、こうしなさい』と指示を出してしまいがちですが、それでは子どもたちの自己表現にはなりません。『先生あってた?』と子どもたちに聞かれるような指導はしないように心がけています。子どもたちが自己表現を楽しみ、自信をもって『またやりたい』と思うような子ども会を、今後も続けていきたいと思っています」。