【動画付き】「演劇はスポーツだ!」シアタースポーツが上演されました

2015.06.22

5月31日(日)、玉川大学3号館の演劇スタジオで、芸術学部パフォーミング・アーツ学科の2015春学期演劇公演「Theatre SportsTM(シアタースポーツTM)」が上演されました。シアタースポーツとは3~5人でチームを組み、即興劇で競い合うというもので、演劇の本場イギリスで、世界的に有名なインプロ(improvisation “即興劇”)の指導者、キース・ジョンストン氏によって創作されました。1977年の公式パフォーマンス後、瞬く間に世界中で演じられるようになり、現在は国際大会が開かれるほどになりました。日本でも1995年に正式な公演が始まりましたが、まだまだ世間一般に認知されたといえる状況にはありません。今回は、このシアタースポーツを多くの方に知っていただくため、また学生に即興演劇を経験してもらうため、玉川大学が日本の大学として初めてシアタースポーツに挑戦しました。

今回の公演で審査員を担当した3人の先生方

今回の取り組みは授業の一環であり、挑戦したのはパフォーミング・アーツ学科の2年生。彼らにとっては、即興劇どころか、観客の前で演じるのもこれが初めての経験です。今回のステージに上がるのは、この日までに各チームで競い合い、勝ち残った4つのチーム。会場には学生だけでなく学外からも多くの方々が駆けつけ、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。そしていよいよ、シアタースポーツの幕が開きました。

このシアタースポーツは、設定の異なる4つの即興劇を演じて、審査員に採点してもらう4ラウンド制。スキル、ストーリー、エンターテイメントの3つの観点から審査員のジャッジが15点満点で下されます。この日は本学卒業生でパフォーミング・アーツ学科の教員でもある島田啓司先生、文学座・石井麗子先生、アクロスエンタテイメント・帆世雄一先生が審査を担当。あらかじめ決められた設定の中から一つを選び、キーワードとなるお題をその場で観客に出してもらうため、対応力や瞬発力が求められます。

即興のストーリー展開に会場が笑いに包まれる場面も多かった

たとえば「想い出の写真」というテーマで、観客から「バレンタインデー」というお題をもらったチームは、夫婦がアルバムを見ながらこれまでのバレンタインデーを思い返すといったシチュエーションで演じました。テーマやお題だけでなく、メンバーが繰り出すセリフに合わせて自分のセリフも考えなければなりません。設定もその場限りなら、演じる内容もその場限り。それが、このシアタースポーツの面白さであり、難しさでもあります。
各チームの演技が終わるたびに、一人5点の持ち点で5点が出ることがあれば、1点という厳しい採点もあり、採点の度に演じる学生はもちろん、観客も一喜一憂します。
途中のラウンドで最低点だったチームが抜けていき、最後のラウンド4では2チームの一騎打ちに。しかしここでも同点のために決着がつかず、優勝決定戦を経てチーム「Deep Eyeblow」が優勝しました。

絹川先生(中央)と各チームのリーダーの学生

このシアタースポーツを指導し、当日は司会進行も担当した絹川友梨先生は「即興というと好き勝手に演じるようなイメージがありますが、きちんとしたフレームワークの中でいかに舞台に立ち、どれだけ自分の色を出せるのかが大事。彼らは短期間で本当に多くのことを身につけたと思います」と語ってくれました。
一方、参加した学生からは、「練習で上手くできたとしても、それを本番で行えないのが即興劇の難しいところ。ただ、何が良かったのかを考えることで、本番に向けてのプラスになったと思う」などと、話してくれました。また「チームの誰かが中心となって舞台を動かしていくのではなく、全員で動かしていくので、自然と前に出られるようになった」と、手応えを感じた学生も。練習開始から本番までが約2ヶ月という中で、皆が一皮むけたことがコメントから感じられました。

パフォーミング・アーツ学科では、今後も数多くの公演を行い、学生たちにできるだけ多く舞台を経験してもらいたいと思っています。次の舞台は11月のコスモス祭。舞台を通して成長を続ける学生たちにどうぞご期待ください。

「明日の名作」公開コンペティションも同時開催

「ガジュマルの木の下で」の一場面

この日は、シアタースポーツの公演前にパフォーミング・アーツ学科で毎年行っている「明日の名作」の公開コンペティションが行われました。自分たちで作った舞台を数分間演じ、もっと見てみたいかどうかを観客にジャッジしてもらいます。この日は学生が企画した「カジュマルの木の下で」と「役者様より」2つの企画が参加。どちらも観客より8割以上の評価を得ることができました。これにより、次のステップである世田谷パブリックシアターでの上演に進むことが決定しました。それぞれのストーリーでどのような展開が繰り広げられるのでしょうか。どうぞお楽しみに。