朗読表現を通して、物語の新たな側面に触れる。7年生の朗読劇鑑賞会が行われました。

2016.02.09

玉川学園では毎年7年生を対象に、朗読劇鑑賞会を開催しています。
20年以上前からこの教育活動に参加しているのが、朗読劇グループD.I.L.(Drama In Life)の方々。代表の玉川まや子先生(元玉川大学芸術学部非常勤講師)をはじめ、メンバーのほとんどは本学を卒業した先輩方です。
今年も1月27日(水)に、中学年校舎の講堂で行われました。

最初の作品は、「平家物語」の中の「那須与一(なすのよいち)」です。
この日の観劇のため、7年生は事前に国語の授業で「平家物語」のこの部分を勉強してきました。そもそも「平家物語」自体が、琵琶の音色に乗せて語り継がれてきた物語なのです。
「一人で物語を読むよりも、耳で聞いたほうがこの世界観をより感じることができると思います。古典の言葉は難しいですが、800年前の人たちも今を生きる私たちも、那須与一が経験したような場面に立たされたらきっと緊張するのではないでしょうか」と玉川先生。
照明が落とされ出演者が登場すると、全員で息を合わせて群読が行われます。ほぼ全員が座ったままなのに、物語を読むテンポや強弱によって、与一の心の動きを表現していきました。

次の作品は、「空中ブランコ乗りのキキ」。3回宙返りができる空中ブランコ乗りのキキは、他のブランコ乗りが3回宙返りに成功したことを知ると、人気が落ちるのを恐れ、死を覚悟して4回宙返りを成功させます。喝采を浴びたもののキキの姿はなく、翌朝サーカスのテントからは白い鳥が悲しそうに飛んでいくというストーリー。
7年生は、この物語も教科書で学んでいます。この物語は「平家物語」とは異なり、セリフ部分を役者が演じ、それ以外の部分はナレーターが読むという、朗読と劇の中間のような演出です。
「この物語が教科書に載っているということは、7年生の皆さんが今考えなければいけないことが、この物語の中に描かれているということかもしれませんね」という玉川先生の言葉は、この物語を読み解くためのヒントとなったのではないでしょうか。

そして最後の作品は、「100万回生きたねこ」です。主人公の猫は100万回生まれ変わり、その度にさまざまな飼い主の元で人生を送りました。そんな猫があるとき野良猫となり、ある白猫に恋をします。やがて二匹は結ばれますが、年を重ねて白猫の死によって猫は初めて悲しみを知ります。泣き続けた猫は白猫の隣で静かに息絶えけっして生き返らなかった、というストーリーです。多くの人が一度は手にしたであろうこの物語も、朗読劇という形で演じられました。

すべての劇が終わり、玉川先生からは「物語を通してたくさんの登場人物の人生に触れることは、皆さんがこれから生きていく際のヒントになると思います。本を読む際には黙読するだけでなく、ときには声に出してみるのも素敵だと思います。また新しい世界が広がっていくと思います」と、物語の読み方に対する提案がありました。
7年生の代表がD.I.L.の皆さんに感謝の言葉を述べると共に、その気持ちを全員で歌にして贈ります。最後には、D.I.L.の皆さんも加わって、玉川学園の校歌も歌いました。そして大きな拍手に包まれて、今年の朗読劇鑑賞会も幕を閉じました。
7年生にとっては物語を読み解いたり、登場人物を自分に重ね合わせたりといった、作品との深い関わり方を学ぶ、またとない機会となりました。