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玉川のアクティブ・ラーニング 5

文学部英語教育学科 工藤洋路准教授の授業

学生が評価基準を考える模擬授業で学びの「質」を高めています。

工藤洋路 Yoji Kudo
東京外国語大学外国語学部卒業。同大学博士課程地域文化研究科修了。日本女子大学附属高等学校教諭、東京外国語大学講師などを経て、2015年から現職

私は中学校、高等学校の英語科教員を目指す学生の選択授業、「英語科指導法Ⅲ」を担当しています。英語の指導法を学ぶために、学生が行う模擬授業は欠かせません。グループワークでお互いに授業の良い点・悪い点を洗い出し、解決策を導き出す。これが基本的な進め方です。

意識しているのは、思考力を育むための仕掛けをつくること。一例を挙げると、「学修プロセスに学生が関与する」ことがあります。

今期、学生が模擬授業に取り組む前の段階で、私から「良い授業とは?」と問いかけました。議論を経て出た、「生徒が主体的に考える場面がある」「知的好奇心が刺激されるもの」といった意見をもとに評価基準が決定されました。私はそこに「英語教員として持つべき英語の正確さ」を追加しましたが、学生はこのように協働で作成した評価基準に沿って模擬授業を組み立てることになりました。

模擬授業の評価だけを考えれば、私が教員として判断すれば済むことです。しかし一方的に評価されるだけでは、学生の能動的な学びの要素は少ない。そこで、評価基準の策定や評価自体を学生に委ねることで、能動的な学びに導くことをねらいました。自分たちで策定した評価基準なら、「ここに注意して模擬授業をしよう」と、目標を明確にして取り組めるはずですからね。

模擬授業の準備段階に入ってからは、複数の指導案を考えた上で1つの案を選択するように指導しています。模擬授業の目的は高い評価を得ることではありません。授業に先立って指導案を作成する際にどれだけ試行錯誤し、深く考えたかが重要なのです。もし結果的に低い評価となっても、懸命に考えてたどり着いた指導案だったなら、そのプロセスにこそ深い学びが存在していると言えます。

模擬授業では内容はもちろんのこと、表情やクラスの雰囲気づくり、生徒とのやりとりも大事な要素。生徒への指示があいまいな場合は、「中学生は戸惑ってしまうよ」と工藤准教授が厳しく指摘する

「アクティブ・ラーニング」については、グループワークやディスカッションといった学びの「形態」が注目されがちです。しかしアクティブ・ラーニングの核心は、学びの「質」にあると私は考えており、質の良し悪しは、自ら思考を深めたかどうかで決まるはずです。

今後、アクティブ・ラーニングの導入が進む過程で、形態ばかりでなく、質が問われるようになるでしょう。鍵になるのは、教員の働きかけです。自律的な学びに学生を導いていくための「仕掛け」を考えることこそ、私の役目だと 思っています。

仲間と先生のアドバイスで実践力が高まる

伴 亜弥菜さん
文学部比較文化学科3 年

模擬授業後に学生は、良かった点と悪かった点を付箋に書き込んでA3の紙に貼り分ける。この付箋をもとに、教員役の学生に課題点を指摘したり、解決策を提示したりする

「英語科指導法Ⅰ・Ⅱ」で、授業の組み立て方や指導案の書き方などの基本を学んだあと、「さらに実践的な指導力を身につけたい」と考えて「英語科指導法Ⅲ」を選択しました。

英語で生徒の心を掴むためのSmall Talkや模擬授業など、内容はどれも実践的。学生は英語科教員を本気で目指す人ばかりで、とても積極的です。

模擬授業後は、仲間の厳しい評価に落ち込むこともあります。でも指導上の課題を指摘されるのは、本当はありがたいこと。自分を客観的に見られるようになります。

授業はいつも工藤先生の「君たちは何がやりたい? どうしたいの?」という質問とともに進みます。学生主体の授業だと感じますが、私たちが間違った方向に進みそうなときや、足りないものがあったときには的確にアドバイスをしてくださいます。

過去の学びがつながるのもこの授業の魅力です。「英語科指導法Ⅰ・Ⅱ」の学修内容と結びつけて先生が話してくださるので、断片だったものがつながってしっかり理解できる。学びが深化していく有意義な授業だと感じています。

学びのDATA

「英語科指導法Ⅲ」は、中学校、高等学校の英語科教員を目指す学生の必修授業、「英語科指導法Ⅰ・Ⅱ(必修授業)」を受講した3・4 年生が対象。生徒を授業に引き込むための「英語での雑談(Small Talk)」の実践、指導案作成、模擬授業が毎回セットになっている

模擬授業後は、「評価シート」で学生同士、採点を行う

「英語科指導法Ⅲ」の流れ

  1. 学生による英語での雑談(Small Talk)
  2. 前回の振り返りや課題の確認
  3. 模擬授業
  4. ディスカッション(模擬授業の評価)

取材・文=中村宏覚
2017年12月5日取材
『全人』2017年2月号(No.813)掲載

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