アライグマ

玉川の学内第1農場7号圃場の自動撮影カメラで撮影
(写真提供:玉川大学髙﨑宏寿准教授)

尻尾の縞模様や眼の周りの黒い帯が特徴的なアライグマ。キャラクターとしても目にする機会が多く、日本人にとっては馴染みの深い動物だろう。手を洗うような印象深い仕草は、実は水中で餌を探している行動。皮膚に強い毒を持つ両生類に対しては、地面でこすり洗いをして、毒を和らげてから食べる行動も報告されている。

もともと日本にいる動物だと勘違いされることも多いが、アライグマは北米が原産である。森林以外にも酪農・農業地帯や都市部などに幅広く分布し、カナダ・ナナイモ校地のあるバンクーバー島にも生息する。そのアライグマが、最近学内にも姿を見せ始めた。

日本へは、40年ほど前にペット用として大量輸入された。なぜか? 国民的人気を博したアニメ「あらいぐまラスカル」の影響である。しかし、飼育が難しく各地で無責任な遺棄が生じ、今ではほぼ全国に分布している状況だ。その結果、毎年3億円以上の農作物被害が生じ、捕食や競争といった在来種への影響も懸念されている。

人間の身勝手で増えた野生動物をどう管理していくべきか、私たちに課せられた重要な課題である。

(農学部助教 關 義和)
『全人』2017年4月号(No.815)より

アライグマ

学名:Procyon lotor
アライグマ科

カナダ南部から南米コロンビアまでに自然分布する中型の食肉目。成獣の全長は60~100cmほど、体重は4~10kgほど。導入が行われたヨーロッパや日本では、人間生活や在来生態系への影響など多方面で問題が生じている。日本では特定外来生物に指定されている

アライグマが食害したと思われるブドウ。日本ではトウモロコシやスイカ、イチゴなどさまざまな農作物に食害が出ている
筆者に気づき、慌てて逃げる(ナナイモ校地)。5~7 本ある尻尾の縞模様が特徴