スモモ

収穫中の色鮮やかな完熟スモモ(大石早生:6月中旬)

初夏には食べたくなる果実にスモモがある。漢字では李、英語ではJapanese Plumとも呼ばれる。

古事記や万葉集にもその名が登場するほど古くから知られている果物で、現在のスモモは19世紀にアメリカに渡り品種改良され、再び日本に輸入され、これを元に育種されたものである。苗は容易に入手できるので、庭の一角に植えている方も多いのではなかろうか。

3年程度経過すると美しい白色の花がたくさん開花し、美味しい果実がいつ食べられるか楽しみにしている人も多いはずである。しかし、たくさんの花が開花したのに果実が全く結実せず、落胆している人も多いだろう。多くのスモモの品種は1つの品種では結実しない性質がある。したがって異品種をもう1本植えるか、枝の一部にほかの品種を接ぎ木しておく必要がある。そして受粉作業をご自身がミツバチにとってかわって行うことで、美味しいスモモを手に入れることができるようになる。

スモモに限らず、多くの果樹は1品種では結実しない特性がある。果実の収量が少ない場合には、是非、別の品種をもう1本植えるか、接ぎ木をするとよいだろう。

(農学部教授 水野宗衛)
『全人』2017年6月号(No.817)より

スモモ(李)

学名:Prunus salicina LINDL
バラ科

主産地は山梨県、長野県、和歌山県。プルーンはヨーロッパスモモに分類される。日本スモモは主に生食用、ヨーロッパスモモは生食のほかジャム、コンポートなどの加工にもちいられる。主な品種は「大石早生」「ソルダム」「サンタローザ」。最近大果で高糖度の「太陽」「貴陽」といった品種が8月中旬から店頭に並ぶようになってきた。是非一度さわやかな味と香りを楽しんでいただきたい

満開近くの純白の花。1週間ほど開花している(大石早生:3月中旬)
梵天を使用した人工受粉の様子。花粉は別の品種の花粉を使用している(貴陽:3月中旬)