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故きを温ねて 49

七月二日(火)晴。今日から購買部は店を開いた。

1952年、現在のキャンパスストアから少し校門寄りの所に広さ10坪の店が開かれた。写真は1956年頃の様子
1929年11月頃。購買部店舗は学内にあったため、駅前に小さな売店が置かれた

本学が開校したのは1929(昭和4)年4月8日。学校生活が軌道に乗り始めた2カ月後、生徒たちの労作の組織をつくることになった。6月5日に「農藝部(土木も含む)、工藝部、印刷部、購買部、圖書部、飼育部、機械部、衞生部、新聞部」(『學園日記』第二號)が設けられた。

初めて発行された本学機関誌は『學園日記』という誌名で、印刷部の手によって同年6月20日に創刊。その第二號に購買部の名が初めて登場した。続く第三號には「七月二日(火)晴。今日から購買部は店を開いた。店開きは先づお味噌とお茶。次々と日用品を事缺かかぬやうに取揃へるそうである」という記事が載る。

初めての購買部店舗は現在のUniversity Concert Hall 2016(旧講堂)や太鼓櫓のところにあり、今の店内では見かけない味噌やお茶などが扱われていた。

創立当初、玉川学園住宅地の住民のほとんどは教職員家族で、一般商店はまだなかった。それを補うため購買部担当の生徒たちが、教職員宅に購買部で扱われていない生鮮食料品や生活用品などの御用聞きに回った。そして頼まれた品を町田や新宿などへ買い出しに行き、配達した。学用品や事務用品も扱ったが、駅前に一般商店ができるまでは学園住民の生活を支えることも購買部の大切な仕事であった。

生徒の労作による運営は職員の担当に、味噌やお茶はたまがわアイスクリームなどに変わったが、学園の教育を支える重要な役割は昔も今も変わらない。

(文=白柳弘幸 教育博物館)
『全人』2017年10月号(No.820)より

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