『全人』2016年11月号 No.810より

2016.12.15

2016年11月号 No.810

科学の世界へ子どもを誘うもの。それは自然の中に不思議や驚きを感じる心、すなわち好奇心です。そして21世紀の科学技術社会では、STEM(Science,Technology,Engineering, Mathematics)の素養が求められています。玉川学園・玉川大学ではこのSTEMの学びを重視し、社会のデマンドに応える人材を育成しています。2016年3月には、水産資源の陸上養殖を研究し、K-12の体験学習や自由研究の場ともなる農学部の施設、「アクア・アグリステーション」が誕生しました。今月号の特集「STEMの学び」では、玉川のSTEMの拠点とともに、K-12、大学で展開されている教育研究の取り組みを紹介します。また巻頭では、分子生物学者としてだけでなく、科学の魅力を平易に語る作家としても活躍中の福岡伸一博士が、科学の世界に子どもたちを誘う道筋を語ってくださいました。

  • 福岡伸一博士は科学者であり作家でもある。少年時代の経験を交えて「センス・オブ・ワンダー=好奇心」の大切さを語ってくださった

    センス・オブ・ワンダーの対象を見つけた子どもに「これは何?」と聞かれても、大人はすぐに答えを教えたり、わからないと言ったりせず、子どものまなざしがあるところに降りて、話に耳を傾けてみる。そして「不思議だね。一緒に考えてみようか」と声をかける。それだけで子どもは同志を得た気持ちで興味を深められるでしょう。
    ひとつでも好きなこと、夢中になれるものを見つけた子どもは、きっと自分の足で前へ進み、自分の頭で考えるようになります。それがセンス・オブ・ワンダー=好奇心の力です。
    科学に親しむ心は、センス・オブ・ワンダーの経験から生まれます。その経験がある限り、理系・文系に関係なく学び続けることができるし、人生も必ず豊かになるはずです。

    「好奇心が誘う科学の世界」 福岡伸一博士インタビュー  p4

  • 音楽祭最終日、吹奏楽部は上位優秀団体としてウィーン・コンチェルトハウス大ホールでガラコンサートに出場した

    ラテン語で「最も秀でた者」を意味するSumma Cum Laude。この言葉を冠する「スンマ・クム・ラウデ国際青少年音楽祭」に出場するため、吹奏楽部の10~12年生43名が、6月末にオーストリア・ウィーンを訪れました。
    出場が決まったのは今年4月。「歴史あるコンサートホールで演奏したい」「音楽を通して世界の人たちと交流を深めたい」生徒たちはそれぞれの目標に向け練習に取り組んできました。同音楽祭の過去の映像などを見てイメージを深め、互いに意見を出し合いながら楽曲研究にも励みました。
    同音楽祭は、世界中の若き演奏者が集う異文化理解の場として毎年開催されています。合唱、管弦楽、吹奏楽の部門に分かれ、ウィーン楽友協会大ホール(黄金のホール)やウィーン・コンチェルトハウス大ホールという最高峰のコンサートホールで演奏します。

    「行事報告」園田尚広 p22

目次

  • [特集]STEMの学び
    interview 好奇心が誘う科学の世界 福岡伸一
    STEM教育と研究の拠点
     「玉川の丘アワビ」の夢へ アクア・アグリステーション
    学びのテーマ
     水産資源の陸上養殖 STEMのすべてを盛り込んだ研究を推進
     ライトアート 科学的事実を踏まえた作品づくりを実践
     サンゴ研究 教室の水槽で地球環境を考える
     ロボット研究 K-12から大学院まで世界を舞台に活躍
     キャンパスの自然 幼稚部・低学年の取り組み
    故きを温ねて 39 「自分の手でつくりませう、作り方を工夫しませう」…白柳弘幸
  • TAMAGAWA GAKUEN NEWS
  • 行事報告
    スンマ・クム・ラウデ国際青少年音楽祭…園田尚広
  • 玉川のアクティブ・ラーニング 4
    中学年社会科 市川 信 教諭の授業
  • 生涯学べ 47
    佐々木陽子 横浜市立都岡小学校教諭
  • 玉川玉手箱 8
    日常にひそむタネとしかけ、そして魔法…小林直樹
  • 今月の一労作 34
    7年生収穫祭
  • キャリアナビゲーション’16
    採用にあたって企業が【性格面】で重視するのは?+就職ガイダンス
  • 学園日誌…小原芳明
  • Book Review 140 『進化と人間行動』…髙岸治人
  • 教育博物館館蔵資料紹介 292 「原智恵子の船旅用大型トランク」…栗林あかね
  • 玉川の仲間たち 「サムライアリ」…宮崎智史