『全人』2016年12月号 No.811より
2016年12月号 No.811
12月号の特集は玉川大学教育博物館です。感動は学びの原点。「感動を与えるためには、本物に触れさせなければならない」という創立者 小原國芳の信念のもと、学園創立とともに教育資料の収集が始まり、1987年に教育博物館が開設されました。写真をふんだんに使い、ジョン・グールド鳥類図譜、イコン(聖像画)、考古資料など、貴重なコレクションを紹介します。
特集後半では、世界的チェリストであるガスパール・カサドと、日本人女性ピアニストの草分けである原智恵子による「デュオ・カサド」の足跡をたどる記念祭をレポート。教育博物館主催の特別展「デュオ・カサド」「記念シンポジウム」「記念演奏会」を通して、2人の音楽家の魅力に迫ります。
10月10日に開催された第88回体育祭、さまざまな国際機関の現役職員を招きキャリアパスを学ぶSGH「中高生のための国際機関キャリアフォーラム2016 in 玉川学園」の開催報告も掲載しています。
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学園創立の1929年に教育研究所が設置されて以来、教科書、教具など、教育の役に立つ資料の収集が進められてきました。1987年に開設された玉川大学教育博物館は、独自性の高いコレクションで知られています。
館内の第1展示室には、近世の往来物(初級の教科書)や検定・国定教科書、戦後の「墨塗り教科書」など、日本教育史を物語る貴重な資料が並んでいます。企画展にも使用される第2展示室に常設されているのはイコン(聖像画)、西欧宗教画、現代美術です。
両展示室の間のホールでは、色鮮やかな「ジョン・グールド鳥類図譜」を展示。アフリカでの医療活動で知られ、ノーベル平和賞受賞者のアルベルト・シュヴァイツァーの資料、学内や近隣から出土した考古資料も間近に見ることができます。いずれのコレクションも「本物に触れる」体験をもたらす資料として、学内外の教育研究の発展に貢献しています。本物に触れる 玉川大学教育博物館 p4
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20世紀を代表するスペインの世界的なチェリスト、ガスパール・カサド(1897~1966)と、日本人女性ピアニストの草分けとして国際的に活躍した原智恵子(1914~2001)。(略)カサドが初めて来日した1958年に共演したことで距離を縮めた2人は翌年、イタリア・シエナで結婚式を挙げます。以後、「デュオ・カサド」として世界各地で精力的な演奏活動を行いました。
玉川学園にカサド・原コレクションが寄贈されたのは1990年、智恵子のお孫さんが本学に在籍していたご縁によります。(略)
特別展では、カサドと智恵子の音楽家としての功績を示す約200点の資料紹介とともに、フィレンツェの居室のイメージを再現し、夫妻の人間的な魅力もお伝えします。貴重な資料が物語る不世出のデュオの功績と人柄 栗林あかね p12
目次
- [特集]本物に触れる 玉川大学教育博物館
コレクション紹介
日本教育史資料
ジョン・グールド鳥類図譜
イコン
考古資料
K-16 、地域との教育連携
故きを温ねて 40 「博物館も建設したい」…白柳弘幸
ガスパール・カサド没後50年 原智恵子没後15年記念祭
開催報告
特別展 デュオ・カサド
記念シンポジウム
記念演奏会 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 玉川学園・玉川大学 第88回体育祭
- Education Report
「中高生のための国際機関キャリアフォーラム 2016 in 玉川学園」 - 玉川玉手箱 9
大局を睨んで細部にこだわる…加藤研太郎 - 今月の一労作 35
体育祭マスゲーム 等身大の自画像 - キャリアナビゲーション’16
就職活動時期変更の【よい影響】は? +好感を持たれる話し方 - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 141 『子どものうそ、大人の皮肉』…梶川祥世
- 教育博物館館蔵資料紹介 293 「ガスパールへ、父親ホアキンからの手紙」…栗林あかね
- 玉川の仲間たち 「ウチダザリガニ」…吉川朋子