『全人』2014年1月号 No.779より
2014年1月号 No.779
1月号は、今春、新しく生まれ変わる芸術学部を紹介します。3学科体制の学びの内容とともに、未来を創造する芸術力と、芸術で社会貢献できる人材育成の取り組みについて、中村慎一学部長に語っていただきました。巻頭では、大阪大学教授で劇団の主宰者でもある平田オリザ氏に「芸術とコミュニケーション教育」を中心にインタビュー、とくに芸術系の教員を目指す者にとって示唆に富む記事になりました。
毎年11月に行われる大学祭。2013年コスモス祭のレポートは、各学部展の委員長のメッセージとともに楽しいビジュアルでお届けします。また、63回を数える「玉川の先輩を訪ねて」では、宮内庁掌典の堤公長氏に束帯姿で登場いただきました。天皇陛下の勅使としてのお役目や宮中歌会始でのおつとめなど、普段うかがうことのできない宮中のお仕事や心構えを語ってくださいました。
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「この社会には自分と違うさまざまな価値観を持ってる人たちがいる」ということを認識するのが、すべてのコミュニケーションのスタート地点になります。日本という島国で皆が同じ方向を向いていた時代が終わり、価値観も生活スタイルもばらばら、グローバル化も進んで国家間や民族間の問題や文化の違いも入り込んでくる。その中で、どう社会をつくっていくかを考える──そこで役立つものこそ、本当に必要とされているコミュニケーション能力です。
そして、価値観を認め合うには、言葉だけでは足りません。そこには芸術が持つさまざまなものを「つなぐ力」が必ず必要になってくるはずです。「芸術が育むコミュニケーション能力」 p4 平田オリザ
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若い頃に昭和天皇の勅使として靖国神社に参向した折、戦後生まれの自分が陛下の御心を正しくお伝えできるのかと悩んだこともありました。今回、神宝使を拝命した際も、1300年余り続く式年遷宮にこめられた歴代天皇の平和と発展のご祈念に思い到り、改めて身の引き締まる心地がしました。
掌典としてのつとめや、勅使などの役目で参向する場合の所作や口上は、書面による引き継ぎがないため、すべて口伝(くでん)です。先輩方をよく見習って覚え、思考や試行錯誤を重ねながら行ってきました。若い頃には、こういうことを祈念しようと思ったこともありますが、いざ御社殿の前に立ち御祭文(ごさいもん)を読みあげる段になると、一切の思惑は消えて無心になります。私心を持たず無心になるという心構えで、おつとめをしているのです。「玉川の先輩を訪ねて63 堤 公長」 p24
目次
- [特集]2014年4月 芸術学部新生!
芸術が育むコミュニケーション能力
…劇作家・演出家 平田オリザ
社会とつながる芸術――玉川大学芸術学部の連携プロジェクト
芸術学部3学科All New!
故きを温ねて 8 「藝術敎育を高潮する」…白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 玉川大学コスモス祭2013
- 学びの時間 29
芸術学部メディア・アーツ学科 小倉康之研究室 - K-12学びの丘 7
幼稚部年長組 運動会の係活動 - 玉川の先輩を訪ねて 63
宮内庁掌典 堤 公長【文学部1973年卒業】 - Our Job, Our Pride 18
健康院 唐木正美さんの仕事 - 今月の一労作 5 「学びの技」マインドマップ
- キャリアナビゲーション'13
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- 玉川の仲間たち 「アカゲラ」…金井秀明