在学生×教員対談~玉川大学の科目等履修生~

「科目等履修生」でもう一つの教員免許状にチャレンジ!

玉川大学教育学部・通信教育課程では、「幼稚園から小学校へ」、あるいは「2種から1種へ」「他教科を追加」など教員の方々がキャリアを広げ、ステップアップするための機会として「科目等履修生」制度を設けています。すでに何らかの教員免許状を取得済みであれば、少ない単位数で、またテキスト学修とオンライン学修のみでも他の教員免許状を取得することができます。
今回、通信教育課程「科目等履修生」として学び、小学校2種免許状取得を目指している幼稚園教員の方にお話をうかがいました。

小学校生活を見据えた保育の実践をめざしています

湯藤 伊東さんはなぜ幼稚園教員のお仕事をされながら、小学校2種免許を取得しようと思われたのですか?

伊東 私は幼稚園教員として15年のキャリアがあり、現在は年少組の担任をしています。この仕事を長く続けているうち、次第に子供たちの「その先」について思い悩むことが多くなりました。

湯藤 「その先」というのは小学校進学のことですね?

伊東 はい。幼稚園と学校生活のギャップから子供たちが精神的に不安定になるいわゆる「小1プロブレム」について、自分が受け持った子供の親御さんから相談されることもしばしばありました。「卒園後だから関係ない」と割り切ってしまうのではなく、将来の小学校教育を踏まえた保育活動のあり方や可能性を考えるためには小学校教育を知ることが必要です。そこで自分自身で小学校の教員免許状を取得してみようと思ったのです。

湯藤 玉川大学通信教育課程でオンラインを中心とした学修を実際に体験して、どのように感じましたか?

伊東 オンライン学修中心ですと自分の都合に合わせて学修計画が立てられますから、思った以上にゆとりを持って学べていると感じています。幼稚園の仕事には行事や保護者対応などイレギュラーな面も多々ありますが、職場の理解もあってほぼ予定通りに単位を取得できています。

湯藤 幼稚園教諭免許を持つ伊東さんはオンライン学修(テキスト履修)だけでも資格取得可能ですが、あえてスクーリングで対面授業を受講されたのはなぜですか?

伊東 免許状取得だけが目的ならオンラインのみでも十分でしたが、せっかく職場が近いのだから、他の学生たちとのグループ学修を体験してみたかったのです。実際、さまざまな問題意識を持った学生との交流から得るものは大きかったですよ。オンライン学修(テキスト履修)は自分の都合に合わせた学修がしやすく、スクーリングでの対面授業は先生や他の学生からの刺激をいただけるなど、それぞれの利点があります。また、自宅でのオンデマンド授業と対面授業を組み合わせた「ブレンディッドスクーリング」はその二つのメリットを併せ持つ履修制度でとても良かったと思います。

通信教育を通して小学校の課題と苦労が理解できた

湯藤 小学校2種免許を取得された後の具体的な目標やお考えがあれば教えてください。

伊東 先ほどお話ししたとおり、私は幼稚園教員として自分をブラッシュアップするために小学校2種免許取得をめざしました。資格取得後は園児たちがやがて小学生になることを見通した教育を試行錯誤し、日々実践していくことをめざします。幼稚園での「遊び」と小学校での「学び」を切り離さず、スムーズにつなげていく工夫や努力をしていきたいですね。

湯藤 「遊び」と「学び」をつなげていく「幼小連携」はとてもチャレンジングな課題ですね。

伊東 はい。もちろんすぐには上手くいかないとは思います。ただ、科目等履修生として学ぶ中で、これまでまったく自分が意識できずにいた小学校側の課題や苦労などを具体的に理解することができたことは大きな収穫だと思っています。「幼小連携」のためには幼稚園と小学校の教員相互がお互いの問題意識を共有し、子供たちのことを第一に考えながら連携を模索していくことが大切だと考えています。

湯藤 素晴らしい!おっしゃるとおりです。今後、伊東先生のような方が増えていくと「幼小連携」にも希望の光が見えてきますね。では最後にこれから玉川大学通信教育課程への入学を考えている方々に向けて、ご自身の経験を踏まえたアドバイスがありましたらお願いいたします。

伊東 私も通信教育を始める前は「教員としてフルタイムの仕事をしながらでは学修時間の確保が難しいのでは?」と思っていました。しかしオンライン中心の科目等履修生であれば、個人の都合に合わせて学ぶことができ、もし生活や仕事環境に変化があっても、途中で学修計画を変更することは十分可能です。意欲さえあれば楽しく学びながら、教員としてのステップアップ、ブラッシュアップを狙えると思います。ぜひ多くの方にこの科目等履修生制度を利用していただきたいですね。

湯藤 伊東さんから貴重なお話をうかがうことができ、私も教員として勉強になりました。「幼小連携」、そして「教員不足」などわが国の学校教育に課題は山積しています。多くの力が必要です。ぜひ多くのみなさんに玉川大学教育学部「通信教育課程」、そして「科目等履修生」制度を利用していただき、教育新時代を切り拓く力になっていただきたいと思います。今日はありがとうございました。

伊東 こちらこそ自分の学びを振り返る良い機会となり、感謝します。今後は湯藤先生のご期待に応えられるよう、日々全力で子供たちと向き合っていきたいと思います。