卒業生の活躍

リタイア後に出会った日本画の魅力
学芸員資格の取得を通して見出した 人生をより豊かに描く生き方

小林 正さん(神奈川県在住)小林 正さん(神奈川県在住)
2016年3月 学芸員資格取得

大学卒業後、地方自治の仕事に携わっていた私は、現在69歳。もともと美術作品にまったく興味がない門外漢でした。ところが65歳の頃、“日本近代美術のパイオニア”と言っても良い岡倉天心を描いた映画『天心』を見て、深く心を動かされました。それ以来、近隣の美術館によく足を運ぶようになり、菱田春草、今村紫紅、速水御舟などの作品を中心に近代日本画を鑑賞する世界にすっかり魅せられていきました。
やがて一般的な鑑賞者では飽きたらなくなり、美術に関する教養と知識を体系的に修得して、より多様な視点から日本画を捉えたいと思うようになりました。その手段として思いついたのが学芸員資格の取得です。
インターネットで学芸員資格を取得できる通信教育を検索して「ココだ!」と思ったのが玉川大学。通信教育の教員養成課程で実績を挙げていることは知っていましたし、もともと玉川のスクールカラーが私の出身校と似ていたこともあり気になる存在でした。
入学してみると、期待通り、カリキュラムも学習システムも学ぶ人のことを考えて実に良くできていると感じました。久しぶりに大学キャンパスに通って受講した「博物館実習」も得難い体験でした。大学内にある教育博物館で実習が行えることは玉川大学ならではの大きなメリットであると思います。
資格取得までの道のりはもちろん楽ではありません。私は入学後に1年以内で資格取得ができるよう、全体学習計画のスケジュール表を自分で作成し、それをベースに興味・関心がある科目を優先的に学ぶように心がけました。レポートや科目試験での苦労はありますが、今思い返しても好きなことを学ぶ楽しさや未知の世界に入っていく喜びの方がずっと勝っていたような気がします。
資格取得後はさらに日本画への探求心が深まり、自ら絵筆をとるようになりました。また、地域の美術を愛好する仲間と図って絵画展の企画・開催など、地域の文化活動にも取り組んでいます。私の人生を豊かにしてくれた学芸員資格と玉川大学には心から感謝したいと思います。

【卒業生×教員対談】Face to Face だからこそ伝えられるもの
山口 意友 教授(通信教育課程主任) 山口 意友 教授(通信教育課程主任)
教育学部教育学科教授。
研究分野は道徳哲学、教育哲学、応用倫理。
『教育の原理とは何か─日本の教育理念を問う─』ほか著書多数。
伊藤 紗智子さん(東京都在住) 伊藤 紗智子さん(東京都在住)
東京都杉並区堀之内小学校勤務
2012年3月 小学校2種免許状取得
2018年3月卒業

現場でも活きる玉川大学の教え

山口: 伊藤さんは教壇に立って何年目になりますか? 伊藤: 今年で7年目です。現在、4年生のクラス担任ですが、玉川大学通信教育課程で学んだ経験が、子供や親との関わりの中で活かされていること実感しています。たとえば、保護者とのコミュニケーションでは、スクーリングで出身地や経歴が異なるさまざまな仲間と一緒に学んだ経験がとても役立っています。そしてなにより教壇に立つ私の原点は、教育実習の指導教員として山口意友先生から厳しくご指導いただいたことにあります。当時の「教育実習ノート」を今でも大切に保管しているんですよ。山口: ほう、どのようなことが書かれていましたか? 伊藤: メール返信や服装のマナーなど、お叱りの言葉がたくさん。今読み返すと本当に恥ずかしいですね。私は社会人経験がない状態で玉川大学に入学したため、先生からは教師として、そして社会人としての常識を一から手とり足とり教えていただきました。山口: 学生が教育実習中に私たち教員は実習校へ訪問指導を行います。その際、授業ばかりでなく、実習中の言葉遣いや服装なども指導するのが常です。たとえ現場の先生たちが「気にしなくていいよ」と言ってくれたとしても、学生がそれを鵜呑みにしてはいけません。のちのち恥ずかしい思いをすることになります。 伊藤: はい。今、現場の教員として、教育実習生の身でありながら普段着で実習をしていた過去の自分の姿を思い出すと、「なにやってんの!」と叱りたい気分です。山口: 社会に出る前ならいくら恥をかいても良いのです。そのために私たちがいるのですから。 伊藤: 本当にそうですね。私はスクーリングで、山口先生が担当された「教師論」の講義を通して、教師の基礎を叩き込んでいただいたと思っています。今もそのノートを大事にしていて折に触れて見返しているんですよ。山口: ありがたいですね。スクーリングでは対面の授業で学生一人ひとりと接することができ、私たち教員もよりきめ細やかな指導ができます。特に教育の技術や指導法などはできるだけスクーリングで学んでいただきたいと思っています。 伊藤: スクーリングで印象に残っているのは谷和樹先生の「教育の方法と技術」。音読の方法やフラッシュカードのめくり方など、実際に現場で役立つことを具体的に教えていただきました。「理科指導法」もスクーリングで取り組んだからこそしっかり身についた授業でした。伊藤: 学習支援が手厚いのも玉川の魅力です。入学直後から「学修スタートアップガイダンス」で通信教育での学び方を丁寧に教えていただきました。科目試験の申請ができたり、自分の学修状況を逐次確認できるWeb TAMAや教員採用試験関係の対策講座などを利用すると、一人だけで勉強するよりもはるかに確かな成果を上げることができます。

「理論と実践」を兼ね備えた指導を

山口: 人と人とのつながりが深いのも本学の特色といえるでしょう。 伊藤: そうですね。玉川のネットワークは卒業した今も続いていて、全国の仲間から教員採用情報などさまざまな情報が得られます。山口: 伊藤さんが副会長を務めていた学生会も、在学中に人とのつながりを作る大きな存在ですね。役員の学生たちがボランティア精神で活動に取り組む姿に、私たち教員も可能な限り協力したいと思っています。 伊藤: はい。各地の学生会が主催するイベントや勉強会に参加すると人間関係も視野も広がっていきます。一緒に役員を担当していた友人は、玉川と他大学とどちらの通信で学ぼうか迷った際、「学生会があるので玉川に決めた」と話していました。学生会は志を持って学ぶ学生を、同じ学生が仲間として支えていく組織だと思います。大学も学生会の活動をいつも支援してくれました。山口: 本学は「優れた教師」を育てることに重点を置いています。そのため教員採用試験予備校のように試験対策だけに特化するのではなく、研究者が教育理論を、そして元小・中学校の校長や現場の教育者が教育の実践(指導法)を教え、「理論と実践」を兼ね備えた指導を図っています。「簡単に単位を与え、早く教員免許を取らせる」ことはしませんので、「玉川大学の単位取得が厳しい」という噂はあながち根拠のないものではありません。だから、厳しいと言われている本学をあえて選んでくれた学生には、大学としてできるだけのバックアップをしたいと思いますし、特に他の学生のために学生会で頑張っている学生はなおさら応援したくなります。 伊藤: 在学中、先生はもちろん職員の方も学生思いの方ばかりで、学びや将来について悩んだときはすぐに相談して何度も助けていただきました。山口: 伊藤さんのように玉川の厳しさと温かいつながりの中で学び、 イキイキと教育現場で活躍している卒業生を見るのが私たちの喜びです。将来伊藤さんに憧れて教師をめざす教え子が出てくることを期待しています。 伊藤: はい、頑張ります!

生涯学べ

玉川大学通信教育課程で学んだ先輩たちが、さまざまな仕事や地域で活躍しています。 『全人』誌上で紹介された先輩たちのインタビューです。

幼稚園教員免許状取得

●鬼 一二三さん 「日本語を学ぶことで仕事への夢が広がる」 全人2013.10より

小学校教員免許状取得

●渡邊剛清さん 「社会人経験を教職に生かして」 全人2011.5より
●小林弘和さん 「校長は指導者で調整役で責任者」 全人2011.6より
●恒松龍治さん 「学校・家庭・地域で子どもを見守る」 全人2011.11より
●中島定治さん 「小中一貫教育の公立校の教員として」 全人2012.2より
●宮島 徹さん 「学校と家庭と地域で子どもを育てる」 全人2013.6より

小学校教員免許状取得(学士取得)

●高橋 新さん 「通大時代に育んだ絆」 全人2012.4より
●稲嶺盛久さん 「指導でなく助言を」 全人2012.11より
●目良久美さん 「特別支援教育にできること」 全人2013.1より
●白石達哉さん 「教え続けるために学び続けたい」 全人2013.4より
●加藤恵樹さん 「社会人経験を教育の場に活かす」 全人2013.11より

学芸員資格取得

●捧 実穂さん 「新人発掘も担う私設美術館」 全人2011.12より
●山田美穂さん 「絵本の専門美術館が果たすこと」 全人2012.5より
●村田達彦さん 「アーティストの創造活動を支援」 全人2012.7・8より
●飯島恵子さん 「大学図書館が果たす役割」 全人2012.12より
●渡辺 聡さん 「旅先で出会う美術館」 全人2013.3より
●勝俣ゆき子さん 「古民家の空間を愉しむギャラリー」 全人2013.5より
●高原富紀子さん 「学び続けることの大切さを伝えたい」 全人2013.7より

学芸員資格取得(学士取得)

●菅野直美さん 「玉川の丘での師弟の出会いは宝物」 全人2012.9より
●亀山多恵子さん 「地域を活気づけるスペースに」 全人2013.2より

図書館司書資格(学士取得)

●郷野目香織さん 「地域に根ざす公共図書館司書」 全人2011.10より
●相澤 毅さん 「科学の世界を広く伝える役割」 全人2012.3より

その他教養(単位修得)

●峯田悦子さん 「伝統芸能「文楽」の普及が夢」 全人2012.1より
●増田久美さん 「絵画の修復で伝えたいもの」 全人2012.10より

関連リンク