師弟で語り合う教育のICT化への取り組み

進化するスクーリングとレポート学修

  • 湯藤 
    玉川の通信教育では、2020年4月からインターネット環境を必須としています。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が重なったことで、マイクロソフトのグループウェア「Teams」のアカウントを在学生全員に発行し、スクーリングのリモート授業などに対応することになりました。川上さんはリモート授業を受けてみてどのような感想を持たれましたか。
  • 川上 
    私はこれまでスクーリングで先生や仲間とのふれあいを励みに学んできましたので、最初はどうなるのだろうと不安もありました。でも、実際にリモートで学んでみて、学びの〝深さ〟はこれまでの対面授業と変わらないという実感があります。
  • 湯藤 
    それはよかった。ICTで拓かれる教育の可能性は広大です。特に年代、立場、居住地域など多様な背景を持つ学生が学ぶ通信教育の分野で、そうした学生間の距離を縮めるためにもICTの恩恵は大きいと感じます。
  • 川上 
    はい、それは私たち学生も感じていました。
  • 湯藤 
    玉川の通信教育の授業は単に一方的に知識を伝えるだけではなく、教員と学生の双方向性を重視し、アクティブな学びの場を提供することをモットーにしています。リモートでもそれが実現できているか、事前に授業のリハーサルを行い、教員同士でチェックして本番に臨みました。
    「Teams」のチャット機能を活用すれば、リモート授業でもそれぞれの学生の考えがリアルタイムで文字として見えてきて、教員は学生の考えを適宜取り入れながら複眼的な視点で授業をつくりあげていくことができると確信しましたよ。
  • 川上 
    先生方がリモート授業にかける並々ならぬ意気込みを受けて、私たち学生も協力して一緒に授業を作っていこうとする気運が高まっていました。
  • 湯藤 
    私もPCのモニター越しに皆さんと一緒に新しい授業を作っていく喜びを感じました。学生の皆さんの熱意がリモート授業などのICT化の大きな原動力になっていると私は思います。スクーリングだけでなく、ICT化は通信教育の学修の柱であるレポート学修でも恩恵をもたらしました。紙のレポートですと総評を書くスペースが限られていました。しかし、Web化によって文字数を気にせずに添削とアドバイスができますので、よりきめ細かく指導することができます。
  • 川上 
    レポート作成の際にはいつもEdu Trackにアップされている動画で書き方のポイントを確認しています。
    オンデマンド動画は空いた時間にサッと見られるのがいいですね。
川上夕貴さん
  • 湯藤 
    Web TAMAも積極的に活用されていますか?
  • 川上 
    もちろん!通信教育の情報取得ツールとして欠かせません。履修科目やシラバスの内容確認、科目試験の申込や過去問のチェックなどのほか、学修する上で疑問が生じた場合、どのようなことでも、その都度、Web TAMAで問い合わせをしています。
  • 湯藤 
    オンラインでの問い合わせですと、私たちも学生のつまずきにすぐ対応できます。それもICT化のメリットですね。
  • 川上 
    はい、いつも先生方や事務職員の方のレスポンスが早くてほんとうに助かっています。

「ブレンディッドスクーリング」の面白さ

  • 湯藤 
    オンデマンドの動画教材と週末2日間の対面授業を組み合わせた「ブレンディッドスクーリング」はいかがでしたか?
  • 川上 
    私は「教育の方法と技術」でブレンディッドスクーリングを体験しました。まず動画視聴の段階で4人グループになり、それぞれの都合に合わせて動画を見て、感想や考えをEdu Track上でシェアしました。その後、スクーリングの教室でメンバーと対面しましたが、すでにコミュニケーションをとっていたのですぐに打ち解けることができました。実際に会ってみたら、イメージと違った方もいましたが、それもまた楽しい体験でした(笑)。
湯藤定宗先生
  • 湯藤 
    そう、各人が仕事やライフスタイルに応じて動画教材を好きな時間に、理解できるまで繰り返し見ることができるのがオンデマンドのメリットです。対面授業は会社などがお休みの週末2日間だけなので、フルタイムで働いている方や遠隔地に住んでいる方の負担も最小限に抑えることができます。
  • 川上 
    スクーリングで出会った仲間もそう言っていました。オンデマンドと対面授業、両方のメリットを活かせる素晴らしい学修方法だと思います。

ICTが拓く教育の未来へ!

  • 湯藤 
    川上さんは民間企業勤務から小学校教員をめざされたのでしたね。
  • 川上 
    はい。一生の仕事としてのやりがいを求めて思い切って転身することにしました。大学の入学説明会での湯藤先生の模擬授業は衝撃でした。それまで私が思っていた大学の「授業」とはまったく異なっていましたから。双方向性といいますか、教員と学生、学生同士が教室の中で一丸となる先生の授業の進め方に感動して、「ここで学びたい!」と入学を決意しました。
  • 湯藤 
    それはありがとう。将来はどのような教員になりたいと思っているのですか?
  • 川上 
    ずばり、湯藤先生をはじめ玉川の通信教育の先生方が私の理想の教員像です。一言でいえば「子供を主語にして考えられる教員」。自分の思いをうまく言葉にできるわけではない子供の思いをしっかり受け止めて、また子供たちからも多くのことを学んで自分も成長していく…そんな「せんせい」になりたいと思っています。また、不登校などの児童や生徒に対して、今後ICTの活用は大きな助けになるはずです。玉川で教育ツールとしてのICTを体験しましたから、今後の学校教育のICT化に少しでも寄与できればとも思っています。
  • 湯藤 
    素晴らしいですね。学生に新しい時代にふさわしい教育実践の必要性を説いている私たち自身も、今後ICT教育の可能性をさらに追求し、通信教育の学修をより進化させていくつもりです。
  • 川上 
    先生がいつもおっしゃっているように、一生が「学び」なのですよね。
  • 湯藤 
    その通り!

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