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科学するTAMAGAWA 『学びの技』中間発表会 ポスターセッションを開催

2011.11.25

論文作成というクライマックスを直前に控えた『学びの技』。
ここまでの成果を発表するポスターセッションを通じて得られる
“自らの意見を確立しそれを人にわかりやすく伝える経験”は、
学び方を身につけるだけでなく、成長と自信にもつながっています。

探究学習の成果を同級生、先輩、保護者に発表

『学びの技』(10月25日公開「ひと。ゆめ。まなび。 科学するTAMAGAWA」に掲載)は、知識を身につける方法を学び、さまざまな段階を経て、論文を作成し、科学的な思考の養成を図る9年生のプログラム。その重要なステップの1つとして位置づけられているのが「ポスターセッション(発表)」です。4月からスタートした探究学習の中で、一人ひとりが設定したテーマを論理的にまとめ、高学年校舎1階のアトリウムに9年生全員がパネル展示し、聴衆を前に自らの研究成果をプレゼンテーションしました。9年生の生徒たちにとっては、同級生や10年生、11年生の先輩たち、さらに保護者の方々に展示した内容を説明する“緊張の瞬間”でもあります。

「研究成果の発表は他校でも実施されていますが、“上級生が発表して下級生がそれを聞く”のが一般的です。しかし、玉川学園の『学びの技』では9年生が発表者で、上級生が聴衆です。10年生も11年生もかつて同じ経験をしていますので、“いいアドバイザー”になってくれました。発表する生徒たちも、1日3回設けた発表時間枠で、回を重ねるごとに上手になっていました」と語るのは登本 洋子(のぼりもと ようこ)教諭。発表だけでなく事前の準備から撤収に至るまで本当に良く動いていたといいます。

聞き手の反応がダイレクトに伝わる距離

ポスターセッションは、聞き手が目の前にいる状況でのプレゼンテーション。その反応はもちろん、息遣いまで感じられる距離に聞き手がいます。後藤 芳文(ごとう よしふみ)教諭は、ポスターセッションによる効果をこう語っています。「コミュニケーションを成立させるには、話すことも大切ですが、聞き手の姿勢も大きく関わっています。話しやすい雰囲気を作ったりいい刺激を与えたりしながら、話し手の持っている以上のものを引き出すのは聞き手の力。『学びの技』では、その重要性から、最初の授業はコーチングの手法を取り入れた『聞き方講座』から始めることにしています。発表者は、目前の人の、そのときどきの表情や態度までもつぶさに感じることができます。話しやすさや話しにくさを感じるでしょうし、それはどんなことが原因なのかも感じることができると思います。大きなホールで大観衆を相手に話をするのとは、聞き手の反応が違います。」

「昨年までは、12月の学園展でポスターセッションを実施していましたが、今年から開催時期を変更し、各パネルに聞き手が必ずいる状況を作るようにしました。それも、授業の一環として行うことで実現できました。生徒たちにとっても、普段交流のない先輩・後輩の交流になったのでないでしょうか」と語る登本教諭。

生き生きとした表情はやがて自信に満ちあふれ

「他人の視線を浴び、鋭い指摘を受けるのも大切なことで、プレゼンテーションが学習の最終段階ではないのが、『学びの技』の特長です。他人の眼や指摘が、研究途中の振り返りやフィードバックにとても重要だからです。準備段階のリサーチでは苦労した生徒が、ポスターセッションでは生き生きと話していました。玉川の子どもたちは、表現する、伝えることをこれまで様々な場で何度も経験し、鍛えられてきているせいか、それがよく発揮された機会だったと思います。 閉会式で実行委員長が『自分で知識を獲得していく方法を学ぶことが大切』とコメントしていましたが、そんな生徒たちを頼もしく感じました。また、保護者の方々が、温かな眼差しで多くの生徒の作品を見てくださっていました。その温かな雰囲気は幼い頃から、子どもたちをずっと一緒に見守ってくださっているからこそかもしれません」と、この日の生徒たちの様子を伊藤 史織(いとう しおり)司書教諭が語ってくれました。

プレゼンテーション中の生徒たちは、初めのうちは恥ずかしさからか手にした原稿から目を離せずにいましたが、後半は生き生きとした表情で聞き手の反応を確認しながら話していました。発表を終えた後は、どこか誇らしげで自信に満ちた表情に変わっていきます。

ポスターセッションも行事教育の1つという後藤教諭。「生徒一人ひとりが主役となる舞台です。1人でパネルの前に立ち、説明しなければなりません。聞き手が目の前にいて、その反応が発表者の生き生きとした表情になり、自信へとつながっていく。それこそが成長の場となるのです」。

『学びの技』最終章である論文作成のステップへ

今後、生徒たちは最終章である「論文作成」に取りかかりますが、このポスターセッションで発表したことを文章化していくだけではありません。「発表中に受けた質問とそれに対する回答、発表を見た同級生や先輩が書いた評価シート(疑問や改善点の指摘、アドバイスなど)を基に内容を、振り返り、再検討して、より充実した内容の論文へ仕上げていきます。約700名の生徒が1人平均で5名前後の発表を見て評価シートを書いてくれました。その一枚一枚に目を通し、分析した結果を反映させることまでが、このポスターセッションの役割です。これらのステップを踏み、文章にすることによって、研究の深まり方も大きく変わり、ほとんどの生徒が論文を完成させることができます。」と、数千枚に上る評価シートの仕分けを前に語ってくれた登本教諭。

後藤教諭が続けて、「9年生で自分の意見を明確に持つのはとても難しいことです。言わば、様々な意見や情報の継ぎ接ぎ状態。それを自分の意見とする仕掛けが、表現形式の変換です。ポスターセッションまでのプロセスで、それら継ぎ接ぎの情報を図式化しスライドにまとめ、さらに口頭発表するというふうに表現形式の変換が二段階行われ、今後論文という表現形式を経ることを通して自分の意見として確立されていきます。学校の授業は、先生が口述・板書したことをノートに書き記す一斉授業が多いのですが、実はその後の“自分の言葉でまとめること”がとても重要なので、そこを大切にしているのが『学びの技』です。」

1年間をかけた『学びの技』の集大成として作成・提出された論文は、担当教員によって優秀作品が選定され、「学びの技論文集」に編纂されます。そして2012年3月中旬の「最終発表会」で『学びの技』のフィナーレを迎えます。

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