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FC町田ゼルビア・ゼネラルマネージャーによる講演会を実施。12年生が人種差別について考えました。

2016.07.01

6月10日(金)、玉川学園においてFC町田ゼルビアの唐井直ゼネラルマネージャー(GM)をお招きし、講演会が行われました。玉川学園ではこれまでにもFC町田ゼルビアとの教育連携により、授業でのサッカー指導や運営や広報活動におけるインターンシップなど、さまざまなプログラムを展開しています。今回は「差別根絶に向けたJリーグの取り組み」と題して、人種や民族を勉強中の12年生に地理の授業の一環として、サッカー界の取り組みについて語っていただきました。

サッカーの試合、特に海外のサッカーの試合の選手入場で、「SAY NO TO RACISM」と書かれた横断幕を目にしたことはありませんか。実力があればどこの国でも活躍でき、また国際試合も多いサッカーの世界は、最も国際化が進んだ分野ともいえます。そのため、ピッチの内外で人種や国籍を巡っての差別的な行為が起こることも少なくありませんが、国際サッカー連盟(FIFA)は人種差別を根絶するための活動を行っており、人種隔離政策を推し進めていた当時の南アフリカを除名するなどの措置をとってきました。「人種差別にNOを!」と訳すことのできるこのメッセージは、FIFAが取り組んでいる人種差別撲滅キャンペーンのスローガンです。

唐井さんは、これまで清水エスパルスやジェフユナイテッド市原・千葉、東京ヴェルディ1969などのクラブチームで、強化部長やゼネラルマネージャーを歴任され、サッカー界の人種差別という問題に、現場で取り組んできた第一人者でもあります。「Jリーグでは、3つのフェアプレーを提唱しています」と唐井さんは言います。「ルールを守るというピッチ上のフェアプレー、クラブ経営の健全化を維持するファイナンシャル・フェアプレー、そして人種差別の根絶などをめざすソーシャル・フェアプレーです。これらを推進することで、Jリーグは世界一フェアなリーグをめざしています」。
しかし残念ながら、Jリーグでも人種差別的な横断幕が観客席に掲げられたり、観客が外国人選手を揶揄するといったことが起こりました。Jリーグはこうした行為に毅然と対応するため、無観客試合などの処分を行ないました。一方、FC町田ゼルビアや各クラブチームは勉強会を行ったり、サポーターに向けての啓蒙活動などにも力を入れています。「では、なぜ差別が起こるのだと思いますか?」という唐井さんからの問いかけに、生徒たちからは「文化の違いが原因では?」、「肌の色や宗教の違いなども問題になると思う」という意見があがりました。

もちろん人種差別は、サッカーの世界だけの話ではありません。グローバル化が進んだ現代は、私たちが差別を受けたり、もしかすると意図せず相手を差別してしまうことがあるかもしれません。差別をなくすために大切なことの一つが、「世界のさまざまな文化に触れ、理解を深めること」だと唐井さんは話します。ある生徒は「玉川学園はラウンドスクエアのメンバー校としてさまざまな活動を行っていて、そこで世界の人たちと接したり、文化に触れる機会があります」と答えて、身近に“相手を知り、理解を深める“環境があることを再認識していました。また講演を聞き終えた生徒は「サッカーで無観客試合があったことは知っていましたが、唐井さんのお話を通して人種差別についてもっと考えていかなければいけないと感じました」と話しました。

今回のようなサッカー界における人種差別について考える講演も、FC町田ゼルビアとの教育連携だからこそといえます。Jリーグの現場にいる唐井さんならではの内容により、有意義な教育連携になりました。

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