ドイツの教員養成から見えてくるもの

2013.11.01

9月10日から18日までドイツ調査に行ってきました。今回は前回積み残しになっていたベルリン市の教員試補制度が中心です。

ドイツでは3-5年の大学における教員養成の後に、1-2年の教員試補制度があります。これは原則週に4日、学校に勤務し、週1日は教員研修ゼミナールに通って勉強をする、というシステムです。身分は特別な公務員となり、少ないですが手当がでます。試補期間の終わりには国家試験があり、合格すると、正規の教員資格が取得できます。合格率は90%程度といわれています。

ベルリン市の教員研修ゼミナールは市内50カ所以上にあり、勤務する学校から比較的近い所にあるといえます。文献等では「週1日程度」となっていますが、現実には指導する時間を1日に集約することが難しく、ある日の午前と別の日の午後に指導を受ける、といった形になっていました。受講生と話をすると、こうした学校での実践とゼミナールでの理論という「サンドウィッチ方式」は力になるが、忙しい(忙しすぎる)、という解答が帰ってきました。

日本でも教職大学院等でこうした「サンドウィッチ方式」が実施されていますが、やはり学生(試補)には、大変なようです。大学教員も実習校回りに多くの時間を必要とするようです。

良い教師、良い社会人を育てるにはやはり手間暇と努力は不可欠なようです。

(教授・坂野慎二)