学校の小規模化が今後の課題に(日本教育経営学会大会)

2014.06.10

2014年6月6~8日、日本教育経営学会第54回大会が北海道教育大学釧路校で開催されました。今回の公開シンポジウムのテーマが「小規模化する日本の学校経営の課題と組織マネジメント」、課題研究のテーマが「人口減少社会における持続可能な学校システムの開発(2)―学校規模の縮小化と地方教育委員会の経営課題―」というように、学校の小規模化にどのように向かい合うのかが大きな関心事であることがわかります。
 シンポジウムでは、児童37名に対して教職員10名が配置されている小学校等手厚い人的配置が行われる一方で、教育予算の効率的な運用についての意見が出されました。また、個人発表では、北海道における高校の統廃合についての発表等がありました。人口の多い地域に住んでいると日頃はあまり意識しませんが、地方都市の商店街で「シャッター通り」化が進んでいることや、「限界集落」といった用語を目にすると、少子化・人口減少に伴って多くの教育課題があることを改めて考えさせられました。
 個人発表は「教育の質保証の試みに関する研究―就学前教育と初等教育の接続を中心に―」という題目で、「小1プロブレム」に対する日本とドイツの政策動向を比較しました。ドイツでは小学校1年と2年を学年混合で学級編成し、一斉教授による指導法からの転換を図り、学習の自立化・個別化が進展してきています。そのためには教員の力量向上が重要であることを指摘しました。

(教授・坂野慎二)