ドイツでモンテッソーリ学校を訪問してきました。

2015.12.02

11月中旬、ドイツに調査に行ってきました。今回の調査では、学力を高めるための指導として、モンテッソーリ学校を調査しました。モンテッソーリ教育は、イタリア人で医者であるM.モンテッソーリの子どもの自立へ向けての考え方を基盤としています。モンテッソーリ教育はヨーロッパ各国で普及しています。興味のある方は、日本モンテッソーリ教育綜合研究所のHPをご覧下さい。
今回は、ドイツ西部に位置するケルン市(大聖堂で有名です)にあるモンテッソーリ教育を実施している、小学校、ハウプトシューレ(中学校)、ギムナジウム(中学校及び高校)をそれぞれ訪問しました。日本ではこうした学校は私立ですが、ドイツでは公立学校でもこうした独自の教育理念に基づいた教育活動を行うことができます。今回訪問した学校はすべて公立学校です。

(写真)モンテッソーリ小学校の教具例

ドイツの小学校は1年生から4年生までですが、この小学校は4学年を混合して学級編制を行い、授業しています。当然のように、一斉教授で授業を行うことは難しく、様々な学年の子どもが、個別に、ペアで、あるいはチームで学習を進めていきます。こうした学習スタイルをうまく行うためには、条件設定(環境を整える)が重要です。個別、ペア、チームでの学習を進めやすくするために、これらの学校は独自の教材を作成しています。写真にあるように、色や形にある意味を持たせ、遊びながら学ぶスタイルが重視されています。
モンテッソーリ教育は20世紀初頭に成立した新教育運動の1つに数えられます。多くの新教育運動の学校は、小学校では多くの成果を挙げていますが、中学校や高校に進むと、特色を出すことが難しくなるといわれています。今回のハウプトシューレやギムナジウムでは、教科の学習が多くありますが、教科の学習で個別学習する時間を確保していたのが特色です。ハウプトシューレでは日本の「でんじろう先生」の空気砲の実験をやっていました。

(教授 坂野慎二)