開講科目

修士課程

応用植物科学研究

植物細胞分子科学(2単位)

1983年に、植物に初めて外来遺伝子を導入することに成功して以来、数多くの植物に対して、さまざまな外来遺伝子が導入されてきた。
本講義では、油糧作物であるナタネを材料として取り上げ、 1 )ナタネのミトコンドリアゲノム、 2 )雄性不稔遺伝子、 3 )稔性回復遺伝子のクローニング、 4 )植物における遺伝子導入方法、 5 )遺伝子導入による遺伝子機能の解析方法、 6 )遺伝子組換え作物の現状などを中心とした講義を行う。
少人数の講義のメリットを活かし、講義を受ける学生個々の興味にそえる授業を行い、この講義を受けることで、植物のバイオテクノロジー、特に遺伝子工学をさらに理解できるようになる。

植物育種論(2単位)

植物育種が対象とする形質は、生産力、ストレス耐性、耐病性、品質など多方面にわたっている。これらの形質を発現させる機構の解明は植物生理学・植物生化学の発展に伴って進められてきた。
さらに近年は、分子生物学・遺伝子工学の手法を取り入れた育種の研究が飛躍的に進み、それらの成果に基づく応用研究も進められている。植物育種論では、植物の重要形質についての分子機構および遺伝子組換え植物開発の現状を、研究論文や総説から学ぶとともに、分子育種の可能性について考察する。

植物病学(2単位)

植物の病気はウイルス、細菌、菌類などの病原体によってひき起こされ、農業生産や生態環境を著しく損なうことで、人類の生存と地球の環境を脅かす。病原体と植物は、病原体側が各種の攻撃手段を、植物側がそれらの防御手段を、それぞれ競争的に進化させてきた。最近の分子生物学や遺伝子工学の進歩は、このような植物-病原体間の相互作用を、分子レベル、遺伝子レベルでとらえることを可能にしている。
そこで本講義では、主として各種の植物病原体の病原性遺伝子ならびに宿主植物の抵抗性遺伝子について、それらの構造と機能ならびに発現制御機構に関する分子植物病理学的研究の現状とさらに最近明らかにされてきた健全な植物で発現している免疫性を概説するとともに、最新の関係文献を渉猟することによって植物の病気の感染・発病の分子機構ならびに免疫性発現機構についても理解を深め、病害防除への応用を探る。

植物病原学(2単位)

植物の病気を引き起こす病原体としては、主に菌類、細菌、ファイトプラズマ、ウイルス、およびウイロイドが知られている。これらの植物病原体が引き起こす植物病による収量の減少は、世界の作物の全生産可能量の約15%に達すると推定されており、その防除は喫緊の課題である。しかし、これらの植物病原体は、その宿主植物における感染拡大・病原性の発現・他植物への伝搬のメカニズムがそれぞれ大きく異なっている。植物病の防除に際しては、この病原体ごとの感染過程の違いを把握することが必要となる。
本講義では、将来的に植物保護の分野で必要とされる植物病原に関する知識と洞察を獲得することを目標とし、植物病原体の性状、感染過程の違いについて最新の知見を踏まえて詳説する。さらに、病原体の検出・同定の手法や防除手法についても紹介し、これら病原体の防除に向けた指針を共に考えていく。

植物遺伝学(2単位)

地球上に現存する生物種は、それぞれの種が出現して以来、遺伝子型に基づく生理作用と複雑な環境との相互作用によって数多くの生態型を分化し、地理的に多様な変異を示している。農作物においても、人為的な伝搬、栽培化により遺伝変異の多様性が見られる。
これらの遺伝的変異は人類にとって貴重な遺伝資源であるが、近年の地球規模の自生地環境の変化、品種劣化などにより激減しつつある。本講義では、遺伝子型と環境変異、適応のメカニズム、生態型分化、遺伝変異成立の原理と、消失の現状を踏まえ、生物種の多様性、環境適応、栽培植物の起源と種、品種分化、遺伝資源の保全について詳述する。

園芸植物機能論(2単位)

園芸学には、野菜、果実、観賞植物などの園芸作物生産活動を行う園芸生産と、園芸作物の利用を通して生活に潤いをもたらす園芸文化などが含まれる。園芸作物は非常に多種類であり、生産方法、利用方法が多様であることから、植物の分類、進化、遺伝資源の探索から、栽培、育種などの自然科学的諸分野の他に、教育学、心理学等の社会化学的分野を含めた幅広い知識と技術の習得が必要になる。
本講義では、これらの園芸作物を題材にした幅広い話題を提供し、園芸作物の生産、流通、利用、あるいは教育、研究、行政に関わることのできる人材育成を目標とした講義を展開する。

生理学・生化学研究

生体防御論(2単位)

生物は個体を保持するために、外界からの攻撃に対し様々な生体防御機構を保持し、それを発揮している。この防御機構は原核生物、植物、動物と広く存在しているが、本講義では特に哺乳動物の生体防御機構である免疫系について講義する。
具体的には下記の内容で議論していくが、現在も新しい知見が報告されている分野でもあるので、時流の問題点にも触れながら展開したい。
1 .免疫と免疫系を構成するもの
2 .自然免疫および適応免疫の原理
3 .抗体の多様性発現の遺伝子機構
4 .T細胞による抗原認識
5 .細菌を排除しながら共生も行っている腸管免疫系

植物分子生理・生化学(2単位)

植物は光をシグナルとして捉えて形態形成をおこし、あるいは光をエネルギーとして利用して炭水化物を合成して成長する。これらの光反応には、フィトクロム系、クリプトクロム系、フォトトロピン系を介した光受容とシグナル伝達、植物ホルモンの合成や葉緑体における光合成が関わっている。
本講義では、これらの光反応のメカニズムを生化学的および分子生理学的に理解することを目標とする。同時に、光反応を生じさせる生理的意義を考察し、「光環境と植物」というテーマを考えるにあたり、体系的に事象を理解する能力を養うことを目指す。はじめに、光受容体の微細構造、光シグナル伝達、光受容体が引き金となる植物の二次反応、植物ホルモンを介した光形態形成について講義を行う。つぎに、光環境変化に対する光合成の応答と光阻害ついて分子メカニズムを理解し、植物の順化能力について考える。

細胞情報伝達論(2単位)

多細胞生物は様々な外界からの刺激、環境条件の変化に対応し、その内部環境の恒常性を維持している。その個体の生命機能を保持するためには、組織あるいは細胞間の情報伝達機構が必須不可欠である。
細胞情報伝達機構を大別すると、細胞外から細胞膜に作用する情報伝達物質、細胞膜での受容と応答、細胞内への情報の交換と増幅、細胞内情報伝達および情報伝達応答としての作用発現に分類される。これらのメカニズムがいかに精妙に構築されているかを、詳述する。
1 .多細胞生物でのシグナル伝達の意義
2 .Gタンパク質共役受容体経路
3 .MAPキナーゼ
4 .サイトカインレセプター
5 .負の制御

応用バイオインフォマティクス(2単位)

近年、膨大な遺伝情報の解読が進められた結果、遺伝情報をベースとした生物の機能解析、比較生物学、生物物理モデリングなどが可能になりつつある。本講義では、最新のインフォマティクス技術を用いた生物学の新しい研究手法およびその活用について解説するとともに、日々の研究活動に活用できる身近なテーマでの計算機を用いた演習も実施する。
具体的には、遺伝子配列解析、発現解析、ネットワーク解析からプロモター設計などのバイオインフォマティクスでの重要な技術を理解し、ノウハウを習得する。さらに、生命科学の新たなるチャレンジ分野であるシステムバイオロジー(生命をシステムとして理解する試みで、生物物理を基本としている)において、各自の研究テーマに即したモデル構築を試みる。

植物環境制御学(2単位)

世界の食料問題解決のための1つの手段として植物工場が注目されている。人工光を用いた栽培装置を用いて植物の生育をコントロールし、効率的な作物生産や生産物の品質、機能性向上を目的とした生産システムである。
本講義では、植物工場など最新の植物生産システムを紹介し、その技術的基盤について解説したい。特に、植物の光反応と光要求性、その他の生育環境要因(温湿度、水耕条件、ガス環境、風など)が植物の生育や品質に与える影響とその制御方法について、植物工場などでの具体例を紹介しながら解説する。また、遺伝子組換え技術と植物工場技術を組み合せた新しい製薬、機能性物質生産についても詳述する。

遺伝子発現制御論(2単位)

近年のDNA塩基配列決定法の飛躍的な発達により、ゲノム情報を手に入れることは極めて容易となった。しかし、生物の設計図であるゲノムの配列情報からだけでは複雑な生命現象を理解することはできない。設計図から正しく製品がつくられなければ生命は維持されないからであり、その過程を探ることはポスト・ゲノム時代における生物学の主要な課題の1つである。
設計図である遺伝子から製品であるタンパク質が作られる過程は、さまざまな仕組みによって調節されている。本講義は遺伝子発現調節の全体像を理解することを目指し、多様な生命現象とその根底にある遺伝子発現調節のメカニズムとについて解説する。

応用動物昆虫科学研究

昆虫生理学(2単位)

最新の昆虫学からその知見を活かした応用までを解説し、学生による文献調査の分担発表などを行う。授業では日本語の専門用語とともに英語の用語も学び、英語による発表も行う。また、生きた昆虫を用いた観察や簡単な実験を行いながらの解説も行う。授業の内容は以下の通りである。
1 .昆虫の外部・内部形態とその機能
2 .外界刺激の検出とその反応
3 .表現型多型と内分泌機構
4 .非自己に対する生体防御反応
5 .基礎昆虫学のまとめ(分担発表)
6 .遺伝子操作と有用昆虫の育種
7 .フェロモンを用いた害虫防除
8 .内分泌機構を利用した害虫防除
9 .天敵を利用した害虫防除
10 .応用昆虫学のまとめ(分担発表)
文献資料については、学生自身による調査の他、教員側からもいくつか紹介する。

動物発生学(2単位)

たった1個の細胞にすぎなかった受精卵が複雑な構造と機能をもつ個体へと発生していく過程は、最も神秘的な生命現象の一つである。そこには、われわれヒトを含めたさまざまな動物に共通する「発生のプログラム」が存在する。本講義では、最近の研究で明らかにされつつある「発生のプログラム」の実体とその普遍性を理解することを目的とする。
前半部(~第8回目)では、ヒトを含めた脊椎動物の個体発生の基礎知識を学ぶ。後半部では、無脊椎動物の個体発生にも共通した「発生のプログラム」の実体と普遍性を理解するとともに、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞を利用した再生医療分野への応用も考える。

ミツバチ科学(2単位)

ミツバチとカイコは、ともに有史以前からの歴史をもつ2大有用昆虫である。しかし、養蚕ではカイコが “家畜” として、野生の昆虫とはまったく異なった形に変わってしまったのに対し、養蜂では、様々な人工的な飼養・管理法が工夫されてはきたが、ミツバチ自体は野生種とほとんど変わっていない。
本講ではこの点を意識しつつ、ミツバチとその社会システムの原理や可塑性を理解したうえで、人間がそれにどこまで手を加え、利用できるようにしてきたかを分析するとともに、今後の可能性を考察する。主な観点は以下の通りとしたい。
1 .世界のミツバチと養蜂の現状
2 .ミツバチ群の成り立ちと社会機構
3 .ミツバチの学習能力と情報伝達システム
4 .ミツバチの病害虫
5 .採餌と蜜・花粉源植物
6 .最大の貢献:ポリネーション
7 .養蜂技術:現状と未来技術
8 .養蜂生産物

昆虫行動生理学(2単位)

昆虫は、極地から熱帯まで地球上の様々な環境に適応することで、大きな繁栄を納めた分類群である。ヒトも地球上で最も繁栄している種の一つであるが、昆虫の適応の仕方は、ヒトのそれとは大きく異なる。昆虫は、それぞれの生息環境に合わせた体のデザインと遺伝的プログラムを持ち、種ごとに多様な生き方を作り出してきた。しかも、昆虫は学習を通じて柔軟に行動を変化させる能力も持つ。
また、社会性昆虫においては、他個体との相互作用を行うことで、環境から幅広い情報を取り込むことができ、個体レベルでもコロニーレベルでも非常に複雑かつ適応的な行動を示す。これは、昆虫の脳が非常に小さく、それを構成する神経細胞数もヒトの10万分の1以下であることを考えると驚くべきことである。
本講義では、そのような適応的な行動とそれを制御するメカニズムについて、社会性昆虫の例を中心に詳しく解説する。また、講義の一部では受講生が調べたことをもとに議論を行う授業形式を取り入れる。

遺伝子発現制御(2単位)

近年のDNA塩基配列決定法の飛躍的な発達により、ゲノム情報を手に入れることは極めて容易となった。しかし、生物の設計図であるゲノムの配列情報からだけでは複雑な生命現象を理解することはできない。設計図から正しく製品がつくられなければ生命は維持されないからであり、その過程を探ることはポスト・ゲノム時代における生物学の主要な課題の1つである。
設計図である遺伝子から製品であるタンパク質が作られる過程は、さまざまな仕組みによって調節されている。本講義は遺伝子発現調節の全体像を理解することを目指し、多様な生命現象とその根底にある遺伝子発現調節のメカニズムとについて解説する。

発達科学基礎論(2単位)

人間の乳幼児期の発達メカニズムとその関連要因について学術的視座から理解を深めることを目的として、発達心理学・認知科学・脳科学・神経生理学の幅広い知識を習得しながら、発達科学研究のテーマ設定やその応用について議論する。特に、非侵襲脳機能計測(脳波)を用いた研究に関して実践的技能(立案から計測・解析まで)を習得する。

ソシオバイオロジー(2単位)

群体を形成するサンゴやクラゲ、群れをつくる魚やサル、さらにはアリやハチなどに代表される社会性昆虫など、様々な生物が示す社会行動の生物学的、遺伝学的基盤について理解する。
さらに、利他行動、協約的行動、性、なわばり、など様々な現象の比較研究を通じて、ヒトを含めた生物社会進化の統一理論の構築を扱う社会生物学という学問分野で展開される諸問題について議論したい。

微生物科学研究

応用生物有機化学(2単位)

安全性の高い医薬や農薬を作り出すためには、まず多くの天然資源の中からのスクリーニングや化学合成によって、新規の医薬・農薬の手がかりとなるリード化合物を見いだすことが重要である。これらの化合物は分子変換および分子修飾されて、新しい “くすり” へと発展する。そのためにはこれらの化合物の分子構造とそれに基づく生物活性との関係を究明して、合理的かつ独創的思考法による分子設計を行うことが必要である。この結果得られる受容体構造に基づくドラッグデザインの手法を体系化し、新薬を創製するための基礎事項について化学構造を中心に講義を展開する。この講義によって、生きた化学構造を実感してもらいたい。

天然物化学論(2単位)

天然物化学は生物が生産する、主に二次代謝産物を中心とした化学の分野である。二次代謝産物は構造、生理活性ともに多様で化学の立場からも生物学の立場からも、また、農業、医薬、食品などへの応用面からも興味深いものが多く知られている。
学部の授業ではどちらかと言えば活性(フェロモン、抗生物質、忌避物質など)にもとづいた紹介が多かったと思うが、本講義では複雑多岐なこれらの物質を構造と生合成の知見にもとづいて分類紹介するとともに、この分野の基盤技術となっている有機化合物の高度な構造解析技術の原理と実際を演習を行いながら身につけることを目指す。基礎的な化学、有機化学、できれば学部で行われる構造解析に関する授業の基礎的部分は理解してから講義に臨んでほしい。

微生物利用学(2単位)

微生物の産業利用は様々な分野で行われている。例えば、アルコール、有機酸、アミノ酸、核酸、酵素などが発酵プロセスによって生産されている。一方、我々が培養できる微生物は限られており、自然界に存在する数の0.01%以下にしか過ぎないということが明らかとなっている。
これらの培養できない微生物は、“難培養性微生物” と呼ばれ、未開拓の遺伝子資源として注目されている。本講においては、このような “難培養性微生物” の利用に関する様々な試みについて考察する。

ケミカルバイオロジー(2単位)

ケミカルバイオロジーは、化学を用いて生命現象を解明する学問である。この化学と生化学の融合領域の学問であるケミカルバイオロジーを理解するためには、生物の代謝過程や生体分子の基本的な反応機構の化学的原理を正確に知る必要がある。
本講義では、脂質、糖質、核酸、アミノ酸およびペプチド、タンパク質、酵素、補酵素などの主要な生体分子の化学構造と性質を紹介し、これら生体分子の代謝経路を化学的視点から解説する。また、多くの微生物は生命の維持に必要な一次代謝経路だけでなく、そこから派生した二次代謝経路を持つ。微生物が生産する有用二次代謝産物とその生合成経路、およびそれらを利用した医薬品開発についても解説する。

食料科学研究

食糧科学論(2単位)

食品の化学的性質についてはすでに学部における授業で学んでいる。そこで本特論においては、近年海外で作付けが状態化しているバイオテクノロジーを用いた農産物生産に焦点をあて、食品全般の化学的特徴を知るてがかりとしたい。
バイオテクノロジーを用いた農産物生産はこれまで、育種メーカー、農薬メーカー、栽培農家におけるメリットが強調されており、最終的な消費者にとっての利益が十分説明されてこなかった。このため、日本ではこのような作物生産に対する拒否反応が大きい。この部分については、ビデオ資料を使って議論をしていきたい。
また本講義では、FAO/WHOの議論をとりまとめたCodexの資料を輪読しながら、私たちが摂取してきた食品そのものの性質を改めて認識し、バイオテクノロジーによる農産物生産を正しく理解することも目的とする。漠然と感じているバイオテクノロジーに関する不安を払拭するために導入された「実質的同等性」という概念が重要であり、食品に関する安全・安心を確保するための知識を深める。

食品製造学(2単位)

食物の素材は生物そのものであり生物生産物であって、複雑な成分と機能をもつ。それらをさらにヒトにとって好ましい食物として毎日食べ続けるためには、多様な加工、保存、調理を必要とし、その過程でおこる変化は複雑である。ときには好ましい風味の形成とはならず、生体への影響を懸念する問題も生ずる。
そこで、食品製造においては、素材の生物的、化学的特性を十分に理解し、各過程における成分の相互作用を明らかにする必要がある。
食品の主成分を取り上げ、それらの化学的性状、加工、貯蔵における変化、さらに食品の品質に関わる問題に着目して講述する。

応用食品栄養学(2単位)

食品成分と疾病の関係の中で、特に近年増加しているアレルギー性疾患は重要な研究課題である。本講義では免疫アレルギー系の基礎的な知識から、免疫細胞における複雑な情報伝達機構に関する知見の概要を身につけることを目的とする。
まず、液性免疫、細胞性免疫の基礎を復習し、抗体遺伝子の再構成、B細胞の分化と様々な分子の発現、T細胞における抗原認識、樹状細胞の抗原呈示などの概念を身につける。また、免疫学的実験手法についても概要を学ぶ。免疫応答に関する情報伝達分子には多種多様なものがあり、その発現とシグナルの関係は複雑なネットワークを作っていることを理解する。

機能性食品科学(2単位)

機能性食品は、疾病の予防、生体防御、疾病の回復、体調リズムの調節、老化抑制等、体調調節機能を有する食品である。新たな食品の機能性表示制度が始まり、機能性食品を活用した生体機能の維持が期待されている。本講義は、機能性表示食品制度など、食品表示制度に関する情報を教授するとともに、食品由来の生体調節機能成分の構造、機能、作用機構などについて解説する。また、機能性表示食品として販売されているものについては、その成分と効能や機能性の科学的根拠も解説する。特定の機能性関与成分について、基礎的な研究レビューの作成法を理解する。さらに、機能性表示食品の申請手続きの過程を、機能性表示食品の模擬設計を通して理解する。
1 .機能性食品の定義
2 .食品の機能性表示制度の歴史
3 .機能性表示食品制度ができた背景と制度の特徴
4 .機能性の評価法と機能性の科学的根拠
5 .機能性関与成分に関する研究レビュー
6 .機能性表示食品の模擬設計と機能性表示食品の模擬申請

食品安全基本論(2単位)

食品の安全を考えるためには、食品行政における国内・国外の安全性確保のための体制構築、法の施行にあたっての細かい規則、すなわち食品においてはそれぞれの規格・基準の制定、行政との連係が必要である。
一方、食料の生産、流通、消費等の過程において安全性、健全性は時代の流れや社会的背景によっても左右される。本講では、微生物性、ウイルス性、自然毒、化学性食中毒などの本質を理解するとともに、有害物質による食品汚染、食品添加物、遺伝子組み換え食品さらに自主衛生管理などの重要な事項を取り上げる。

生態系科学研究

行動生態学(2単位)

生物は環境との相互作用の中で、様々な反応を示す。動物では、環境への反応が多くの場合行動に表れる。
この講義では、特定の生態的な条件のもとで動物がどのように行動するか、またそのような動物の行動がなぜ進化してきたのかを考える。気候など非生物的環境や、捕食者・競争種・餌生物などの生物環境との相互作用について理解を深め、環境の変化がどのように動物の行動に影響を及ぼすかを考察する。また、動物個体群や生物群集の保全策についても考えていきたい。

生態系生態学(2単位)

生態系生態学は、生物群集と環境要因からなる生態系についての総合的な学問分野である。生物群集には、さまざまな種類の生物集団が含まれ、その働きから、生産者(植物)、消費者(動物)、分解者(菌類、細菌類)に分けて考えられる。環境要因には、 物理・化学的な(光、温度、水、栄養塩などの非生物的)要因と生物的要因があり、「環境⇔生物」、「生物⇔生物」のように、互いに複雑な影響をもち、それらは刻々と変化もする。
生態系生態学では、このように複雑な系である生態系を理解するために、様々な角度からその構造と機能にアプローチする。近年では、地球温暖化に関わる二酸化炭素について、生態系における出入り(呼吸による放出と光合成による吸収)と貯蔵のような「生態系の働き」が、世界的に注目を集めている。本講義では、炭素と窒素を中心に生態系の物質循環を理解し、さらにエネルギーの流れにも着目して、講義を行う。また、授業の一部で原著論文の輪読を行い、生態系研究に関する最新の考え方、測定技術や知見にも触れる。

環境動態保全学(2単位)

今日、地球環境悪化に関する報道がなされない日は皆無となり、一昔前までの “地球環境は研究者レベルの問題” というような認識から飛躍し、一般の人々の大きな関心事の一つとなっている。
本講義では、地球全体を人間活動をも含めた一つの生態系と考え、進行しつつある森林の減少、気象変動、大気・海洋汚染等の危機的な状況が生態系に及ぼす影響を学際的な広い視野で検討していく。また、環境の悪化により引き起こされる生物多様性の減少について、その考え方や重要性を概説し、保全を検討するための基礎的知識および方法論を解説する。とくに、多様性の構造やそれがもつ機能について、生態学の基礎知識を駆使して議論する。

環境情報解析(2単位)

環境に関わるデータは、実地調査データや衛星データ、測定データなど多岐にわたり、環境科学の研究においては、様々なデータを扱うことが必要となる。これらの情報を集積し、分析解析することは、環境の客観的な理解や把握に非常に重要なプロセスである。本講義では、GIS(地理情報システム)技術を用いた時空間解析や、統計的手法を用いたデータ解析の演習を通じて、科学的な研究に必要な解析スキルを身につけることを目的とする。

極限環境生物学(2単位)

地球上には、熱水、氷河、砂漠、塩湖など、生命にとって過酷な環境(極限環境)が存在しているが、そのような環境にも微生物を中心とした多様な生物群集を見ることができる。極限環境生物は、バイオマスとしては多くはないものの、例えば、現在の生命の起源は好熱菌と考えられているなど生命の進化を考える上で重要な存在である。また、好熱菌から得た耐熱性DNAポリメラーゼがPCR法に使われ、好アルカリ性菌から得たセルラーゼが洗剤に使われているなど、応用面においても注目されている。本講義では、極限環境生物の生理、生態、産業利用などを幅広く解説し、生命の誕生と進化、宇宙における生命の存在などを議論する。

環境微生物学(2単位)

土壌、海洋、雪氷等、多様な環境中での微生物をとりあげ、生態系における役割や、利用法等について考察する。また、最新のトピックス等から、近年の研究動向についても紹介。

共通科目

資源生物学演習Ⅰ(2単位)

所属研究分野の専門的知識を深めることを目的とした演習を行う。学術論文情報の検索と英語論文の読解が中心となる。次のステップを踏むことが一般的である。
( 1 )様々な論文に記述された研究の背景の理解
( 2 )仮説を証明するための調査・研究方法の詳細の把握
( 3 )得られた調査・研究データの読解
( 4 )著者が調査・研究結果をどのように考察しているかの議論
所属研究分の演習のみならず、他分野の演習Ⅰの授業に参加することも研究の視野を広げることにつながるので研究指導教員に相談すること。不定期に実施される「研究談話会」への参加を推奨する。

資源生物学演習Ⅱ(2単位)

修士課程2年目においては、高度なレビュー(総説)の読解が可能になることがのぞまれる。演習Ⅱでは単なるジャーナルクラブにおける単発の論文紹介等ではなく、多数の引用文献を含むレビューを読み解き、自らの修士論文の調査・研究に役立てることを目標とする。並行して、修士論文に引用可能な研究論文の収集を行う。学内LANからアクセスできない学術誌も多々あるので、国立国会図書館等の利用を検討すること。特定の分野においては、研究指導教員と同等の知識を有することを到達目標とする。

資源生物学研究Ⅰ(5単位)

修士論文を作成するための、調査・研究を行う。研究指導教員とのディスカッションを重ね、同じ研究分野の過去の研究報告を綿密に調査し、研究課題の設定を行う。研究に必要な機器類、試薬、実験技術を洗い出し、2年間の研究計画を策定する。実験研究には習熟が必要であり、正確な実験結果(数値)が得られるための訓練が必須である。11月の大学祭時には、各自ポスター発表によって、研究の進捗状況を報告する。この発表を修士論文の中間発表として評価する。中間発表後、研究の問題点を洗い出し、次年度の研究計画を修正するとともに、研究データを集積する。研究Ⅰ~Ⅱを通じて、各種学術団体等での研究発表が推奨される。国際会議での発表ができればなおよい。なお、調査・研究を行うに当たっては、研究倫理についてのガイダンスを受講することが必須である。

資源生物学研究Ⅱ(5単位)

調査・研究を継続しながら、5月末までに修士論文の題目を提出する。6月までに主査と副査の教員が決まるので、研究指導教員から報告を受けること。修士論文題目は1月はじめまで修正することができる。調査・研究のデータを集積し、可能な限り統計的処理による検定を行うこと。春学期終了時にはおおまかな論文の構成を研究指導教員に提出し、修士論文のデータとして不足している部分の調査・研究を継続する。修士論文の提出は1月はじめであり、和文および英文要旨と所定の提出書類を添付する。口頭発表による修士論文発表審査会をもって最終試験とする。発表は20分間、質疑応答は10分間。

資源生物学課題研究Ⅰ(2単位)


調整中

資源生物学課題研究Ⅱ(2単位)


調整中

科学英語表現(2単位)

科学論文の基本的な文章構成を理解し、それに基づいた演習を行う。緒言・方法・結果・考察それぞれのセクションに含まれるべき要素を学ぶ。また、効果的なプレゼンテーションの手法を紹介し、これまで得てきたデータを使いながらポスター作成と英語による発表を行います。

博士課程後期

科目名単位数
資源生物学特別演習Ⅰ 2
資源生物学特別演習Ⅱ 2
資源生物学特別演習Ⅲ 2
資源生物学特別研究Ⅰ 2
資源生物学特別研究Ⅱ 2
資源生物学特別研究Ⅲ 2