研究科のポリシー

人材養成等教育研究に係る目的

脳科学研究科は、全人的な人格の陶冶をその基本として、学術の進展と人類福祉の増進に寄与することを教育研究上の目的にすえ、地球自然環境や社会に生きる人間の心のはたらきを司る知覚や認知や思考(知)、感情(情)、意思(意)などに関する高度な専門的知識の修得を通して、人間理解の学問研究を発展させることを教育理念としています。
修士課程の心の科学専攻では、様々な学士課程教育を受けた大学院学生が、多様なバックグラウンドを基盤として、人間の心に関する脳神経科学・心理学分野をはじめ工学など他分野にわたる専門的知識と実践能力を習得させることによって、人間の心についての多面的な理解を幅広い社会の分野で活かしていくことのできる人材を育成します。
また、博士課程後期の脳科学専攻では、修士課程の教育研究分野を高度化し、心のはたらきの基盤となる脳・神経学際研究や脳型計算論研究をとおして神経情報処理原理の理解と計算科学への応用を基盤として、心の発達、社会行動、コミュニケーション、心の哲学などの豊かな知識を統合した新たな心の科学の構築をめざす自立した研究を行うことができる研究者、教育者、技術者を養成します。

心の科学専攻(修士課程)

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

学士課程において、生物学、心理学、情報科学など脳神経科学に密接に関連する科目で十分な基礎知識を有するとともに学術論文の理解と作成に必要となる英語力を有し、高度な専門知識の獲得とそれを応用して独創的な研究に取り組む意欲を持ち、さらには心の科学の発展と社会の要請に寄与する大いなる情熱を持った人物を求めます。

書類審査、筆答試験、口述試験のすべてにおいて、複数名で採点・評価し、合議の上で最終評点を決め、合否判定を行います。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

脳情報科学研究、神経科学研究、人間科学研究を進めるにいたる知識、技術をもった技術者、教育者、研究者養成を目指した教育を行います。そのために研究の基本的な方法を学ぶ「心の科学導入科目」、脳情報科学研究、神経科学研究、人間科学研究それぞれの研究分野に応じて専門性をより高めるために設定した「心の科学専門科目」、狭い範囲の研究領域のみならず、幅広く高度な知識、能力が身に付けられるように設定した「心の科学関連科目」、データの解析から論文作成に至る研究の方法論を学ぶ「心の科学研究科目」の各科目群を設け、教育目標に応じて体系的に配置します。いずれも、自らまとめて発表することで、知識を身に付けるだけでなく、知識を自ら利用できる能力を養うための科目群から構成されます。

修了認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

グローバル化や情報化、少子高齢化など日々変化し複雑化する現代社会において、脳科学の教育・研究を通して広く社会に貢献できる高度な知的素養を備えた人材を育成します。
心の科学専攻(修士課程)のカリキュラムにおいて所定の単位を修得し、提出された修士論文が審査のうえ合格と判定された人は、以下に掲げる能力を身に付けていると判断され、修士(学術)または修士(工学)の学位が授与されます。

  • 脳の神経回路と物質的な基盤に基づいて心のはたらきを解明する神経科学研究、または心理学の観点に基づいて心のはたらきを解明する人間科学研究を通じて得た知識を用いて広く社会に貢献する能力(学位:修士(学術))。
  • 脳の情報処理として心のはたらきを解明する脳情報科学研究を通じて得た知識を応用して広く社会に貢献する能力(学位:修士(工学))。

具体的には以下の観点での学修成果が求められます。

  • 研究倫理に則った研究を遂行することができる。
  • 自身の研究を主体的に遂行することができる。
  • 脳科学関連分野における学術的・社会的背景のもとに適切な研究目的を設定することができる。
  • 先行研究の内容を的確に理解し、自身の研究内容の学術的位置付けを理解することができる。
  • 自身の研究目的に適った研究方法を用いることができる。
  • 客観的な証拠にもとづいて論証し、自身の研究目的に対応した結論を導出することができる。
  • 先行研究の内容を的確に理解し、自身の研究への質疑に対して論理的に応答することができる。

脳科学専攻(博士課程後期)

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

脳科学の各研究領域で必要とされる基礎知識を有するとともに学術論文の理解と作成に必要となる英語力を有し、より高度な専門知識の獲得とそれを応用して独創的な研究に取り組む意欲を持ち、さらには脳科学の発展と社会の要請に寄与する大いなる情熱を持った人物を求めます。

書類審査、筆答試験、口述試験のすべてにおいて、複数名で採点・評価し、合議の上で最終評点を決め、合否判定を行います。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

国際的にも通用する、脳・神経学際研究、脳型計算論研究を推進する能力をもった研究者・技術者養成を目指した教育を行います。そのために科学研究を遂行するための姿勢を学ぶ「脳科学導入科目」、脳型計算論研究、脳・神経学際研究それぞれの研究分野に応じて、データを得る方法と合わせて、そのデータを解析する方法を習得する科目群と、幅広い視野を元に研究目標を定める能力を獲得する科目群からなる「脳科学専門科目」、研究計画の作成から論文作成に至る研究の方法論を学ぶ「脳科学研究法」の各科目群を設け、教育目標に応じて体系的に配置します。いずれも、具体的な対象に対して、自ら考え、遂行し、その結果について討論することで、知識を身に付けるだけではなく、自ら知識を生成できる能力を養うための科目群から構成されます。

修了認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

グローバル化する国際社会において競争力を保ちながら、心のはたらきの基盤となる脳・神経のしくみを科学的に探求し、その成果をもって国際社会に貢献できる創造性豊かな研究者、技術者を育成します。
脳科学専攻(博士課程後期)のカリキュラムにおいて所定の単位を修得し、提出された博士論文が審査のうえ合格と判定された人は、以下に掲げる能力を身に付けていると判断され、博士(学術)または博士(工学)の学位が授与されます。

  • 脳・神経の科学的理解を通して、人間の持つ豊かな心や社会を学際的な視点から研究する脳・神経学際研究を自立して担うとともに、その成果をもって国際社会に貢献する能力(学位:博士(学術))。
  • 脳の情報処理のしくみを解明して、計算科学への応用を目指す脳型計算論研究を自立して担うとともに、その成果をもって国際社会に貢献する能力(学位:博士(工学))。

具体的には以下の観点での学修成果が求められます。

  • 研究倫理に則った研究を遂行することができる。
  • 自身の研究を主体的に遂行することができる。
  • 脳科学関連分野における学術的・社会的背景のもとに適切な研究目的を設定することができる。
  • 先行研究の内容を的確に理解し、自身の研究内容の学術的位置付けを理解することができる。
  • 自身の研究目的に適った研究方法を用いることができる。
  • 客観的な証拠にもとづいて論証し、自身の研究目的に対応した結論を導出することができる。
  • 先行研究の内容を的確に理解し、自身の研究への質疑に対して論理的に応答することができる。
  • 学術的もしくは社会的な意義を持つ研究をすることができる。
  • 脳科学関連分野に関する学術論文を公表することができる。