教育実習・介護等の体験
教育実習

教育実習は実際の教育現場で学習をするもので、児童・生徒に多大な影響をおよぼします。気軽に受講できる性質のものではありません。したがって、教育実習の受講にあたっては、本学内で行う教育実習事前指導の受講および本学が定める受講資格(修得科目単位等の規定)を充足することが必要です。なお、本学では、一部の地域を除き出身校や居住地近隣で実習校を自己開拓する方法が一般的ですが、要件が整えば、学内に併設されている玉川学園K‐12(幼稚園から高等学校)での教育実習も受講できます。
受講の時期
教育実習に際しての詳細は、実習受け入れ校の事情により決定します。基本的には、教育実習校の年間授業計画にそって受講の時期を定めることになります。そのため、早い時期に教育実習受講資格充足までの学習計画を立て、およその目安をもって、教育実習希望校へ受け入れの依頼を行います。受講の時期は、原則3年次となります。しかし、地域によっては特別な手続きを要し、4年次になるところもあります。
Student's/message
子供たちとしっかり向き合うことで見えてきたもの

小林 ⾹さん(神奈川県在住)
2023年度川崎市教員採用試験合格
教育実習の1年前に受け入れを依頼し、幸いにも快諾いただき母校で実習を行いました。事前指導では、授業づくりやその役割を学び、漢字の書き順をはじめ子供たちは指導者の手元までよく見ていることなど、教師の責任の重さを改めて痛感。「つねに子供の反応に耳を傾けなさい」という教授のアドバイスを心に留め、実習に臨みました。
子供たちと早く打ち解けるための第一歩は、クラス全員の名前を覚えること。子供との接し方や発問の仕方を研究して臨んだ教壇実習では、担当したクラスの活発さを生かして、一人ひとりが発言できる機会を増やすためのグループワークも取り入れた授業を組み立てました。芹澤先生がいつも仰っていた「児童の目線に立って考えること」を徹底し、子供の言葉を大切にしながら、自分なりに実践できたと思います。
教師という仕事のやりがいや奥深さを実感し、たくさんの気づきを得た教育実習。子供たちと楽しく濃密な時間を過ごすことができた今、早く教壇に立ちたい気持ちが一層強くなりました。
Teacher's/message
教師を目指す決意を新たにすることが教育実習の意義

芹澤 成司
教職を目指す学生にとって教育実習は大きな目標であり、区切りとなるものです。私たち教員は、教育実習事前指導で学校を理解し、児童の目線に立って考えることの大切さについて話します。そのことが実習の授業づくりや子供たちとの関わりの基礎となるからです。
しかし実際に実習校で教壇に立つと、なかなか思い通りにはいかないでしょう。それは当然のことで、大切なのは困った時に教えを請うこと。そのためには子供たちとの関係づくりはもちろん、現場の先生方との関係をしっかり築かねばなりません。実習ではそうした人とのつながりの重要性を深く実感していただきたいと思います。
教育実習を終えた多くの学生は、各自が悩みを抱えつつ教師として生きていきたいという思いを強くして帰ってきます。体験を通して「学校とは」「教育とは」について徹底的に考え、教師を目指す決意を新たにすることが教育実習の重要な意義と言えるでしょう。
教師はつねに新しい課題に向かうために学び続け、子供と共に成長していくことが求められる職業です。そして教育とは未来の社会を創ること。この素晴らしい仕事に携わるために頑張る皆さんを私たち教員は、自らの経験を総動員して全力でバックアップします。ぜひ、共に学びましょう!
介護等の体験社会福祉施設や特別支援学校での経験が人間的な成長をも促す ※小学校・中学校の教員免許状取得希望者のみ必修

小学校・中学校の教員免許状を取得するためには、「介護等の体験」が必要になります。「介護等の体験」とは、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設で行う体験と、特別支援学校で行う体験との2種類に大別され、それぞれにおいて決められた期間での体験が必要になります。体験の主な内容は、障がい者、高齢者などとの交流や介護、介助のほか、受入れ施設・学校職員の業務補助などが想定されています。体験の期間は、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設で5日間、特別支援学校での体験が2日間、合計7日間です。
体験先・時期の決定について
「介護等の体験」の申し込みについてはすべて大学が一括して行います。社会福祉施設の体験は各都道府県の社会福祉協議会、特別支援学校の体験は各都道府県の教育委員会が窓口となります。 一部の地域では、体験時期などの希望調査を行う場合もありますが、一般的には社会福祉協議会、教育委員会から指定された期間に、指定された施設・学校で行うことになります。
Student's/message

神村 万里恵さん(東京都在住)
教師として目指すべき理想が見えた特別支援学校での2日間
特別支援学校での2日間で学んだのは、それぞれ異なる思いや困難を抱えている子供たち一人ひとりとしっかり向き合うことの大切さ。私が担当したのは障害が重度のクラスで、高校生の年頃の女の子たちです。自分の感情をコントロールできない彼女たちに最初は戸惑うことばかりでした。しかし、現場の先生方はそれぞれの思いにしっかり寄り添い、居心地のいい環境を創るために、つねに笑顔で、明るく声がけをされていました。現在、私は新人教員として3年生のクラスを担任しています。特別支援学校と小学校の違いはあっても、一人ひとりとしっかり向き合う大切さは同じ。児童の可能性を最大限に伸ばしてあげられる教師になるために、特別支援学校での経験を噛みしめて、授業やクラス運営に生かしていきたいと考えています。