学会発表報告レポート

文学研究科 英語教育専攻 修士2年 岩﨑 要

 私は2024年2月4日にオンラインにて開催された第43回大学生英語教育論文合同発表会(ICET2024)において、修士論文執筆に向けて研究した内容である「英語ライティングにおける協働学習の効果の検証 ~Pre-writingの段階に焦点を当てて~」という題目で発表を行いました。
 本研究では、「ライティング活動において、プランニングの段階での協働学習は、その後に個人で書く英作文にどのような影響を与えるのか」というリサーチ・クエスチョンを設定しました。協働学習を、英作文課題に対する理解深化や、課題に対する意見の共有などのために用いた際に、個人の英作文のパフォーマンスに与える影響を検証することを目的に調査を行いました。
 発表に際して、研究指導教員である工藤洋路先生をはじめとする研究科の多くの先生方から助言を頂き、研究内容を知らない、初めて見る人にも分かるようにスライドの内容や発表原稿を工夫しました。時間が限られているなかで、行ったこと全てを伝えるのではなく、自分が研究を行った上で伝えたいことを端的かつ的確に表現するように意識して、発表資料を作成しました。その結果、発表後に、自身の主張したい点に関連したコメントを頂くことができたほか、「興味深く、面白い発表であった」や「スライドが見やすく、発表内容も分かりやすかった」などのコメントを頂くことができ、工夫した甲斐があったと思っています。
 今回行った研究で得られた成果を、4月から教壇に立って以降の自身の授業に活用し、生徒が有意義な言語活動を行えるよう、取り組ませ方を工夫したいと考えています。また、今回の研究で明らかに出来なかった部分や、今回の研究から新たに発生した疑問等を、継続して研究し、また他の機会で発表することを目標に今後も日々精進していきます。

 ICET(大学生英語教育論文合同発表会)は複数の大学の学生が集って、卒業論文や修士論文を発表し合うことで、お互いの研究内容を共有するだけではなく、その後、教員を始めとする英語教育関連の仕事に就いてからも、同じ時期に同じ分野の研究をしたもの同士として、長年に渡って付き合っていくことができる仲間を見つける良い機会です。私自身も20年以上前に卒業論文と修士論文を発表して、そこで一緒に発表をした人たちは、今でも英語教育談義をする大切な仲間となっています。その発表会で、玉川大学の修士課程の学生が発表をするのを見ることは、私にとっても嬉しい機会になります。今回の岩﨑要さんは、この1週間程度前に大学内での発表審査会で行ったものを改良してこの発表に臨んでいたこともあり、初めて岩﨑さんの研究について聞いた参加者の人たちにとっても分かりやすいものであったと思います。自身の研究内容を20分程度の短い時間に簡潔にまとめて相手に伝えるためには、事前の準備が必要になります。その準備は、英語の授業で、新しい文法や単語を教えるための準備と似ているところがあります。相手が知らないことや分からないことを端的に伝える技術は、論文発表と英語の授業で重なることが多くあります。岩﨑さんは、修了後、教員として生徒を指導する立場になるので、今回の経験を教育現場でぜひ活かしてもらえればと思います。また、来年度以降も、この発表会で、玉川大学の修士課程の学生が一人でも多く発表することを期待しています。(研究指導担当教員 工藤洋路)