ティーチング・アシスタントを経験して

 玉川大学大学院では、大学院生が教育補助業務を行うティーチング・アシスタント(TA)制度が設けられています。学生に給与支給による経済的支援を行うとともに、教育研究の指導者となるための学びの機会の提供を目的とする制度です。文学研究科の学生も、毎年度TAとしていくつかの学部開講科目で教員を補助しています。
 TA業務から私が学んだことは主に2つあります。
 1つ目は、TAは教員と学生の両方の立場の気持ちになって考える機会であるということです。TAとして、教員と学部生の中間に位置する立場で補助をしながら学部生と共に授業に参加することにより、両方の気持ちや考えを理解しながら新たな知見を得ることができました。TAは、学生の気持ちや考えを理解できると同時に、教員の考え方およびその背景にある苦労も体得できます。特に、私がTAを担当した文学部英語教育学科の英語科指導法Iという科目のOral Introductionを実演する授業回においては、学部生が行っているOral Introductionやその振り返りコメント(受講者および教員からの)によって、これまで思いつかなかったアイデアや展開なども学ぶことができました。それに加え、学部生一人ひとりが考えたOral Introductionに対し、TAとしてコメントを送る際、どのような表現を用いて伝えるべきかを考えることにより、私自身の指導方法の振り返りにも繋げることができました。
 2つ目は、教える側と教わる側という関係性ではなく、教員も学生と交わって共に学んでくという姿勢や言動(反応)が大切であることを改めて痛感できる機会であるということです。TAの業務を通じて、教員も学生・生徒も常に共に学び続ける相互協力・連携学習や学び合う協働学習が教育の源であることを再認識できました。 
 私は、他大学の教職課程で学んできました。TAを担当した文学部英語教育学科の英語科指導法Iと同じような授業を学部で受講しましたが、その内容や強調点は大学によって微妙に異なっており、学生はそれに大きく影響される可能性が高いと感じました。私にとって玉川の教職に関する授業方針や特徴を学ぶ良い機会となり、また、このことから、教壇に立ってから生徒と交わって共に学び続けていく姿勢や教師の言動の大切さを改めて実感することができました。

(文責 英語教育専攻R.S.)