新☆エネルギーコンテストに参加してきました

2014.12.02

日本機械学会 技術と社会部門主催の 第7回 新☆エネルギーコンテストが福島県郡山市にある日大工学部にて開催されました.
新☆エネルギーコンテストは,日本機械学会の技術と社会部門が協力するイベントとして2008年(第1回目)に玉川大学を会場としてスタートしました.大学・高専の学生を主な対象として「新エネルギーの利用」に関する新しいアイデアを競い合います.今年度は第7回目の開催となり,東日本大震災から新たな試みを取り入れるため,一昨年の第5回目から日本大学工学部(福島県郡山市)で開催されています.
本年度は,コンテスト前日に郡山市内にある産業総合技術研究所福島再生可能エネルギー研究所の見学会が実施されました.この施設は本年度に開所したばかりで,再生可能エネルギー(太陽,風力,地熱,水力,バイオマス等)の研究開発の推進に取り組んでいます.見学会では,高効率で薄型の太陽光パネルの研究開発現場,太陽光パネルの実証フィールド,地熱のモニタリングなど,最先端の研究開発施設を見学しました.

図1 研究本館の玄関
図2 実証フィールド
図3 追尾型太陽光パネル
図4 地熱利用などのパネル説明の様子

新☆エネルギーコンテストは,ポスター部門をメインとして行われました.「自然エネルギーを用いた地中熱冷媒循環システム」や「電気自動車を効率よく即航させるためのアイデア」「2040年 福島の里山とLOHASコミュニティ」など様々な自然エネルギーに関するユニークなアイデアの発表がありました.
玉川大学からは,工学部 機械情報システム学科/大学院 工学研究科に所属する熱エネルギー研究室(指導教員:大久保 英敏 教授)と環境エンジニアリング研究室(指導教員:小原 宏之 教授)の2つの研究室が参加しました.熱エネルギー研究室からは「自然エネルギーを利用した街の提案! ~太陽熱で作る蓄熱材の提案~」,環境エンジニアリング研究室からは「未来都市を走るハイブリッド・ソーラーカー ~CNT導線による高効率モーター~」と題した発表をそれぞれ行いました.産学官から多くの人が参加され,たくさんの質問や意見をいただきました.自分のアイデアを説明する難しさを実感するとともに,様々な方向から普段得ることができない意見を頂くことができ,とてもいい経験となりました.プレゼンの結果,両アイデアとも企業賞を受賞することができました(本コンテストの表彰は企業賞のみ).

図5 会場の立て看板にて
(左)筆者(右)学部4年生
図6 ポスタープレゼンの様子
図7 ポスタープレゼンの様子
図8 オーラル発表の様子

発表会が終わり,審査会の時間を利用して,日大工学部にあるロハスの家も見学しました.ロハスの家は,建材はリサイクル及び再生可能材のみを使い,冷暖房など生活に必要なエネルギーも再生可能エネルギーのみで賄う家です.また,生活用水も雨水を浄化して利用しています.ロハスの家の見学を通して,このような家が実際の生活で実現し,化石燃料に頼らない生活ができる日を期待したいと思いました.

図9 ロハスの家3号
図10 受賞記念写真
(左)筆者(M2) (右)石川誠也(B4)

総括として,見学会では普段見ることができない再生可能エネルギーの研究・開発現場を見学し,日本の最先端の技術を実際に目に触れ,自分自身も環境分野の研究をしている身なので,もっと頑張って世の中で活躍したいという気持ちが強まりました.コンテストでは,自然エネルギーに関するアイデアの発想からポスター製作,プレゼンを通してディスカッションを行うことができました.この経験を活かして,今後はアイデアだけで満足せずに,実際に自然と人間が共存できる環境づくりに実際に携わってみたいと思いました.

執筆者:玉川大学大学院 工学研究科 修士課程2年 松下 将