新潟県上越市の小学校を視察しました

2011.07.14

7月11日(月)、12日(火)の2日間、坂野教授のご指導のもと、新潟県上越市の小学校を視察しました。

上越市立高志小学校

高志小学校では、生活科、総合的な学習の時間に特色があり、校庭では1年生がヤギのお世話をしていました。校庭の裏には広い畑があり、土に触れられる活動を多く取り入れています。 この学校の教員研修は、実に興味深いものでした。 まず、時間を有意義に活用するため、無駄な会議、委員会は行いません。分掌事務の権限委譲が進み、管理職による事務整理が行われています。 浮いた時間は、子どもと一緒に過ごす時間に、教師自身がレポートを書いて自分を評価し、ワークショップで他者評価と助言を受け、次の改善計画を立てる時間へと活用しています。 私たち教職大学院生もワークショップに参加させていただきました。ワークショップで主に話題になっていたのは、子ども同士の関係についてでした。コミュニケーションを上手にとれない子や、うまく人と関われない子など、具体的な事例をもとに、問題を共有していました。さまざまな解決法のアイデアも出され、有意義な研修になっていました。 ほぼ毎週提出するというレポートを作成することは、先生方にとっては負担にもなっているようでしたが、週に一度、自分を評価することで、よりよい教育活動への推進力になっていることや、ワークショップを行うことで、現在の学校での問題を共通理解できることなど、さまざまなメリットがあるとわかりました。

上越市立大町小学校

大町小学校は、教室がオープンスペースになっている学校です。 オープンスペースの学校は光が取り込まれ、開放感があります。先生方も気持ちにゆとりが生まれ、そのゆとりが指導にいい効果をもたらせているように感じました。普通教室とは全く違う雰囲気にストレートマスターの学生も驚いていました。 また、オープンスペースには、ちょっとした観覧車の座席のような部屋があり、ちょっとした相談や打ち合わせをするのに効果的だと感じました。 授業を拝見して感じたのは、板書の美しさです。黒板はもちろん、前方の壁には余計な掲示物はなく、オープンスペースの学校にありながら、子どもたちは、授業に集中して取り組んでいました。 板書の大切さを改めて感じると同時に、子どもを惹き付ける授業が多く、感心しました。

上越教育大学附属小学校

最後の訪問校の上越教育大学附属小学校は、広大な敷地にポニーやヤギ、豚を飼育し、学習活動を展開しています。 授業一コマは、30分授業で9時間目まであります。その7時間目から8時間目までを参観させていただきました。参観したのは、4年生と6年生の総合教科活動です。 4年生は「里山に行ってわかったことを書く」という学習でした。指示がはっきりしていたので、子どもたちが見通しをもって活動していました。子どもの意見をうまく取り出して、ねらいにせまるように授業を構成していました。 6年生は「あきなう~まち人~」というテーマで、消えていく商店街について話し合う学習でした。ショッピングセンターが台頭する中、消えていく商店街について、子どもの作文をもとに、活発に意見が交換されました。さすがは6年生。静かになるまで話すのを待ったり、前の席の子が、後ろを向いて、全体に聞こえるように意識して話したりしていました。

訪問させていただいた三校ともに、総合的な学習の時間に特色のある学校で、大変勉強になりました。 上越市立高志小学校、大町小学校、上越教育大学附属小学校の先生方、そして、今回の視察旅行をコーディネートし、ご指導いただいた坂野教授、ありがとうございました。

(現職院生・T.G.)