⻑堀俊史さん

⻑堀俊史さん

長堀俊史さんは、医師であると同時に医学教育者でもあるわけですが、学生に対する医学教育を行う以上、「教育学」も深く勉強してみたいと思い、玉川の通信教育を選ばれたようです。ご本人にいくつかの質問を致しましたので以下紹介します。

Q.玉川の通信に入学された目的・理由を教えて下さい。

大学で医学教育に携わっております。医学教育学について「医学」は学んできておりますが、「教育学」については高等教育を受けておらず、教育学を学んでみたいと思いました。通信教育ですと仕事を持ちながらでも学ぶことができます。通勤の小田急線で玉川学園前を毎日通っておりましたので、試験やスクーリングを受けるのにも便利な玉川大学の入学を希望させていただきました。【※2020年度より試験は自宅でのweb受験となっています(玉川大学教育学部通信教育課程)】

Q.玉川の通信で学修をして良かった点を教えて下さい。

学生として学修する体験ができているのがまずありがたいです。教育者としていつも学生の立場にたって考えたい、と思っておりますが、実際に自分が学生を再体験することで教育者としての自分にフィードバックされていると思います。提出したレポートに対する先生方の添削や評価法がとても参考になっております。学修者と教育者の両方を同時に体験することで、「教育とは何か?」を考えながら日々過ごさせていただいております。もう一つ、これは入学後に徐々に感じるようになってきたのですが、新しい科目を学修すること自体からくる楽しさを体験できるようになってきたのが良かったです。【※2019年度よりレポートはすべてweb提出となっています(玉川大学教育学部通信教育課程)】

Q.玉川の通信で学んでいる現役学生(また学ぼうと思っている人)に対して、学修のモチベーションを維持するためのアドバイスをお願いします。

何のために玉川に入学したのか思い起こし、卒業後「こうありたい自分」を思い描くことでモチベーションを維持したいですが、そうはいっても一人で学修しているとモチベーションがどうしても維持しにくい、という方もいらっしゃると思います。スクーリングに参加して刺激を受けることがとても有効だと思います。新型コロナウイルス流行のため昨年私が参加したスクーリングは全て遠隔授業でしたが、全国から参加している皆さんと討論し、担当されている先生が遠隔授業に一生懸命取り組んでおられる姿を拝見して、「自分も頑張ろう!」という気持ちになりました。完璧なレポートを書こうとしすぎて進行がおそくなるとモチベーションが下がってしまうことも考えられます。学修ペースが落ちたな、と思ったらもう一度計画を立て治して、「いついつまでに必ず仕上げる」と決めて無理やりにでもレポートを書くようにするとよいと思います。書くことでだんだんレポート作成に慣れていくと思います。学修計画の立て方などで不安がある場合は電話やメールで大学に学修相談するのもよいのではないでしょうか。

Q.玉川の通信での学修達成後、玉川での学びをどのように活用しようと考えているかを教えて下さい。

玉川での学びを医学教育に活用していこうと考えております。教育の方法論について学んだことをどんどん活用したいと思っているのはもちろんですが、教育基本法第1条の「人格の完成」を目指して、玉川で学んだ教育者としての心がまえを常に意識していきたいと思っております。教育原理のスクーリングで山口意友先生が語っておられた「人の心に火をつける」教育者になるべく、今後も試行錯誤しながら進んでいきたいと思います。

◆最後に…
長堀さんが“玉川の全人教育の精神と全人医療”について語ってくれました!

私が勤務しております北里大学では様々な専門職が協力して全人医療にあたるチーム医療教育に特に力をいれております。多職種横断型臨床教育(IPE : Interprofessional Education)の実践をめざしており、私の居室もIPE棟にございます。玉川大学の教育学部で学ぶことはまさに医学と教育学の専門の垣根を超えたInterprofessional Educationの精神に合致すると思います。
さらに、玉川大学で学んでいる全人教育の精神は、「医学を教育する」というためだけにではなく、「医療そのもの」にも通じる精神であると考えるようになりました。全人教育の精神をどのように全人医療へとつなげていけるか、今後も日々考えていきたいと思っております。
医療においては日々世界中から発信される医療情報を学び続けて生涯学習を実践し続けなければなりませんし、必要な医療技術を学ぶためリカレント教育も盛んにおこなわれています。玉川大学で学修させていただくなかで、そうした生涯学習のあり方に加えて、さらに「自分自身が学修を楽しむ」という感覚も体験できていると思います。役に立つか立たないかという枠を超えて、教養として学修することを楽しむ「楽修」もありなのではないかと感じております。「鬼滅の刃」の映画を観て「煉獄杏寿郎さんはカント的に自由な人だね」と哲学につなげて考えてみるのも楽しいです。いろいろな見方ができるようになるのは人生を豊かにしてくれます。子供が新しいものをどんどん知ろうとするように、純粋に「知る喜び」を求める心を育てるのも、玉川の全人教育の精神なのだと思っております。55歳になってアラフィフからアラカン(アラウンド還暦)の仲間入りをさせていただきました。これからも全人教育の精神で「楽修」を続けていきたいと思っております。

周知の通り「教育基本法」第3条では生涯学習の重要性が記されています。特に、教育に関する学修は、長堀さんが指摘してくださったように、社会人になって歳を重ねれば重ねるほど重要になってくるかもしれません。
長堀さん、貴重なアドバイス、有り難うございました。

(インタビュアー:教育学部教授 山口意友)

関連リンク