クインシー・カメダ先生:玉川大学IB教員養成プログラムについて第4回 国際バカロレア教育(IB: International Baccalaureate)とは

2016.06.07

国際バカロレアとは、スイス・ジュネーブに本部を置くグローバル団体です。現在、知識基盤社会の到来やグローバル化の進展により世界が急速に変化する中、異なる文化との共存や国際協力の必要性が増大している舞台に活躍できる人材を育成することがますます求められるようになってきています。IB教育はこのように急速に変わっていく社会で生きていく子どもたちを育てていくために、自ら課題を発見し解決する力、コミュニケーション能力、物事を多様な観点から批判的に考案する力(クリティカル・シンキング)、創造力、様々な情報を取捨選択できる力などを育成できる学習環境を導入及び維持管理するための支援を提供しています。その結果、国際バカロレア機構(IBO) が提供する国際的なIB教育プログラムは、世界各国で高い注目を集めています。「IBの使命」には、国際教育プログラムを推進し、発展させることの総体的な目的が記されています。

IBの使命

国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。

この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。

IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。

IBプログラムでは、「国際的な視野」をより明確な言葉で定義づける試みと、実践を通じてその理想に近づこうとする努力を、IB認定校の使命の中心として位置づけています。玉川学園は2007年4月よりIBの教育プログラムを取り入れました。玉川学園は2009年3月にMYP (Middle Years Programme)の認定、2010年7月にDP (Diploma Programme)の認定、そして2013年12月に玉川大学はIBEC (IB Educator Certificate)の認定を受け、IBワールドスクールとしての教育活動を展開し実践を推進しています。

玉川大学では、2005年4月から学術研究所全人教育研究施設に「玉川大学国際バカロレア教育研究グループ」を設け、2007年からは学術研究所K-16一貫教育研究センターの1グループとして、国際バカロレア教育の理論と実践の研究を推進しています。「国際的な視野を持ち、自ら課題を見つけ、学び、考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する世界水準の資質や能力を育てること」は、玉川学園が提唱してきた全人教育の理念であり、IBが提供する教育フレームワークも、この全人教育と同様の理念に基づいて構築されています。