田甫綾野先生台湾の幼児教育(4)―台湾の子育て支援施設

2026.07.06

今回、子育て支援施設の視察も行いました。
一つは台北市が運営する「玩具図書館」です。その名の通り、おもちゃの貸し出しをしている施設です。こちらの施設は、台北の中心地のアクセスの良いビルの中にあります。中に入るとかわいらしい装飾が施され、対象年齢、用途・種類ごとにおもちゃが分けられ棚に並べられていました。遊ぶスペースもあり、選んだおもちゃで少し遊んでみて、借りるものを決められるようになっています。

年齢によって子どもの好むおもちゃは変わるので、短期間で不要になりがちです。それらを集め、見極め、修理し、貸し出しすることで、ごみの削減につながっています。もちろんおもちゃを買い与えることが難しい家庭のサポートにもなり、子どもの好みを知ってから購入するというお試しもできます。貸し出しとは別に、不要になったおもちゃの利用者同士の交換コーナーや、壊れたおもちゃの修理(おもちゃのお医者さん)も行っていました。

また、桃園市の山間部の復興区には、「復興行動親子車」という子育て支援施設があり、バンにおもちゃや絵本を載せて、子どもたちの居住地域まで出向き、おもちゃの貸し出しを行う事業がありました。日本ではあまり見かけないおもちゃの貸し出し制度は大変興味深く、子育て支援、SDGs両方の視点で意味があると感じました。

玩具図書館
不要になったおもちゃの交換コーナー
復興行動親子車

もう一つ、新北市にある「玩具銀行 玩聚窩」にも伺いました。こちらは幼児から高齢者まで集える子育て支援施設として開放されており、多くの親子で賑わっていました。こちらはおもちゃの貸し出しは行っていませんが、ここで遊べるおもちゃも不要になったものを使用しているそうです。テーマごとに遊びのコーナーが作られ、幼児から小学生までが、一緒に遊ぶ姿が見られました。

これらの施設を運営している団体は、不要になったおもちゃのリユースだけでなく、おもちゃをリサイクルして新しいおもちゃを開発するという事業も行っていました。リユース、リデュース、リサイクルを実践している子育て支援施設といえます。

玩具銀行で人気だった木の遊具
不要になったおもちゃをリサイクルして作られたおもちゃ

おもちゃを通しての環境配慮の取り組みは非常に興味深いものでした。子育て支援の多様な視点での取り組みは、今後日本においても参考にする必要があると思っています。