工藤亘先生日本教師教育学会第36回大会で口頭発表してきました①
2026.10.07
2026年9月26日(土)に日本教師教育学会第36回大会(広島大学)テーマ「教師教育を担う者はいかに育つか」にて口頭発表をしてきました。発表タイトルは、「玉川大学大学院でのファシリテーター養成の取り組み-指導と支導ができるファシリティーチャーを目指して-」で、以下が主な内容です。
文部科学省は「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」(令和3年答申)で、子ども達の可能性を最大限に引き出すため、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることを掲げ、一斉指導による知識伝達だけでなく、子ども達が自ら問いを立て、他者と対話しながら納得解を見いだす主体的・対話的で深い学びの実装が不可欠と示しました。2021年、「教師に求められる資質能力の再整理」では、多岐な場面で教師がファシリテーション能力を発揮することが期待されています。しかし、ファシリテーションについて学べる大学や大学院は限定的であり、それが現状かつ課題です。なお筆者は「知的・情緒的相互作用を支援・促進する働き」(工藤,2012)をファシリテーションの定義としています。
1.指導と支導のバランスがよく実践できるファシリティーチャー
玉川大学大学院では、2020年に大学院共通科目「ファシリテーターとしての教師の技術と実践A・B」(合計8日間)を開講し、「指導」と「支導」(工藤,2012)のバランスがよく実践できるファシリテーター=「ファシリティーチャー」(工藤,2026)の養成に取り組んでいます。(図1)
図1.指導と支導のバランス(工藤,2017改訂)
「指導」は、教師が目的をもって学習内容や活動の方向性を示し、知識や技能の習得を直接的に働きかけること。「支導」は、学習者の主体性と目標を尊重し、対話や協働を通しての学びを促進し、成長を後押しする関わりを指します。現代社会では予測困難な課題に対応する力「自己冒険力」(工藤,2017)が必要であり、その育成には学習者自身が考え、判断し、行動する経験が不可欠です。そのため教師には、教える力だけでなく「TEL(Try&Error&Learn)ができる環境」(工藤,2026)を整え、学びを促進する力が必要とされ、この両者を統合した教師像が「ファシリティーチャー」です。




