工藤亘先生日本教師教育学会第36回大会で口頭発表してきました②

2026.10.14

2.ファシリティーチャー養成プログラム

養成プログラムでは、ティーチング・ファシリテーティング・コーチングの違いを理解しながら、ファシリテーションの理論と実践を体系的に学びます。具体的には、集団形成やコミュニケーションの理論、目標設定と振り返りの方法、対話を促進する技術、学級経営や授業づくりにおけるファシリテーションの活用などを扱っています。

また児童生徒の発達段階や状況を見極め、指導と支導のバランスを考慮しながら「ガードレールの幅とファシリテーションの力量」(工藤,2026)を当意即妙で調整する必要性について学びます。(図2)そして単なる講義形式ではなく、参加型・体験型学習を重視し、受講者自身は体験(実践)と理論を往還・統合しながら学ぶ構成となっています。

図2. ガードレールの幅とファシリティーチャーの力量(工藤,2026)

3.学級ファシリテーター資格制度

玉川大学大学院では「学級ファシリテーター資格制度」を設けており、所定の科目履修と評価を通して専門的な能力を認定し、世界共通の技術標準規格で証明するデジタル証明書「オープン・バッジ」を授与しています。この制度は、教師としての指導力に加え、学習集団を支援し、成長を促す力を客観的に示すものであり、学校現場における実践力の向上につながっています。

本大学院のファシリテーター養成の特徴は、「指導と支導」を相互に補完し合うものとして位置付けている点です。教師には必要な場面では方向付けを行いながらも、学習者自身が考え、対話し、協働する機会を保障することが求められます。そのため、体験(実践)と理論を往還・統合しながら、認知徒弟制を用いたファシリテーター養成を行い、学習者中心の教育を実現できる教師の育成を目指しています。ファシリテーション能力を備えた教師の養成は、主体的・対話的で深い学びの実現に寄与するとともに、「学校教育でのファシリテーション・サイクル」(工藤,2021)の実現に向けた取り組みを目指しています。(図3)教師がファシリテーターとしてのロールモデルとなり、その姿を体験的に学んだ子供達が、授業中や学校生活のあらゆる場面でファシリテーション能力を発揮できるようになることを望んでいます。

図3.学校教育でのファシリテーション・サイクル(工藤,2021)

発表後には多くの方から質問やアドバイスを頂き、学びを深める良い機会となりました。学会発表することで、自身の研究の言語化や精緻化が進み、さらに多様な視点からのフィードバックによって研究が洗練されていきます。これからも研鑽を積み重ね、ファシリティーチャーとしての旅を続けます!