日本の中小企業における採用・研修調査

2018.06.21
教育学部教授 坂野 慎二

左側からピルツ教授、ご協力いただいた製造業会社社長、坂野

2018年6月、ドイツ・ケルン大学経済社会学部のピルツ(Pilz)教授と協力し、日本の製造業における採用と研修に関する調査を行いました。大企業の採用や研修については、一定の研究蓄積がありますが、中小企業のそれはあまりありません。

今回の聞き取り調査で明らかになったことは、20人程度までの小企業では職業経験者の中途採用が中心となっていることが確認できました。一方、従業員30-50人程度の企業では、新卒者の採用も一定数あること、また、研修はOJTが中心ではあるものの、初任者向け研修やOffJT、希望による研修が取り入れられていることがわかってきました。

ピルツ教授の調査では、インドやメキシコといった諸外国では、研修による能力開発を行うと、自分を高く評価してくれる他の企業に転職することが頻繁に行われます。日本では、中小企業でも定着率の高い会社もあることがわかりました。その要因については、今後も調査していく予定です。