国立教育政策研究所の研究成果報告会で報告しました

2014.08.21

2014年8月20日、国立教育政策研究所において、「高等学校政策全般の検証に基づく高等学校に関する総合的研究」成果報告会が開かれました。これは平成24-25年度に実施された同プロジェクト研究の成果報告です。
報告会の内容は、(1)「高等学校教育改革の現代会の到達点と課題」(屋敷和佳総括研究官)、(2)「中高一貫教育校―15年の歩みと今後の展望―」(坂野慎二玉川大学教授)、(3)「基礎学力の定着・学び直しを重点とする高校―求められる役割と課題―」(山田朋子女子美術大学教授)、といった内容です。
この20年ほどの間、高校は多様化政策が進められました。総合学科(1994年開設)や中高一貫教育(1999年開設)、学び直しの機会を提供する高校等、新しいタイプの高校が設置されてきました。これらは生徒の多様なニーズに対応するために設置されてきました。しかし同時に、「高校で何を身につけるべきか、身につけてもらうのか」という合意が難しくなるという面もあります。
制度的にも課題があります。生徒数が減少する中で、これまでの学校数を維持すれば、高校は小規模化し、学校運営が困難となり、教職員は多忙化していきます。更には多くの費用がかかりますが、公立学校の場合は主に税金が充てられます。一方で、公立高校の再編整備が進むと、自宅から高校に通うことが困難になる生徒や、希望する教育を受けられない生徒が増えていきます。
子どもたちがどのように成長し、社会で有用な人材となるように育っていくのかを改めて考える時期に来ていることを、高校改革を通じて感じながら成果報告会を終えました。

(教授 坂野慎二)