IB教育の現場で活躍するIBコース修了生:高知県立高等学校勤務、宅明健太さん

2016.08.04

教育学研究科教育学専攻IB(国際バカロレア)コース2016年修了の宅明です。

  • 本文中、国際バカロレアはIBと表記いたします。

玉川大学大学院のIB教員養成コースは、2014年度、全国に先駆けて開設されました。私たちは、その一期生です。
2016年春に修士課程を修了し、この7月から高知県に単身赴任しています。
これから高知県に新しくできる県立の中高一貫教育校で、国際バカロレア教育を実践するため、現在、その準備をしています。

IBというと、海外の大学への進学だとか英語で学ぶことというイメージがどうしてもついてきます。しかし、IBの教育を、その「使命」や「10の学習者像」に立ち戻って考えてみると、教育の本質とは何かを、常に問い続けることになります。

玉川の大学院でも、1年次の全人教育研究(佐久間先生)での研究はじめとして、常に、「教育の本質とは何か」ということを追究してきました。
IBの実践については、Quincy Kameda先生に学びながら、研究活動を重ねてきました。その中でも、常に「なぜそれをするのか」「なんのためにするのか」というように、なぜ、どうしてということを、考え続けてきました。

新しい学校を作る過程の中で、IBという枠組みを活用し、高知県の教育の在り方や、日本の教育の在り方を問い続けることが、私の仕事だと考えています。

さて、高知県といえば、坂本竜馬を連想する方も多くいらっしゃるかと思います。高知県に行くことが決まってから、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでみたのですが、(あくまでも司馬遼太郎を通した竜馬像ではありますが)竜馬の言葉や行動の中に、IB教育に通じることがたくさん出てきます。
そのひとつに、「世の既成概念を破るというのが、真の仕事である。」という言葉があります。これは、これまでの考え方を否定し壊してしまうという発想では決してありません。先人の英知の積み重ねを尊重しつつも、その中で、「こうでなくてはならい」「こうしなければならい」が当たり前のようになっているところがあれば、「なぜそうなっているのか」ともう一段掘り下げて考える地道な活動が大切だという意味だと考えています。

高知県では、これ以上の迎え方は考えられないというくらいに歓迎していただきました。同時に、その歓迎の大きさは、すなわち責任の大きさであり、日々、そのことを念頭に置いて仕事に取り組んでまいります。